Chat du mois 今月の猫

Chat fevrier 2月のねこ

寝て恋の猫のくらさにいたりけり 榎本好宏

ねこ くろ


部屋に帰ってくると見たこともない大きな黒猫が椅子に座っていて、ウイスキイを飲んでいた。

黒猫はひどく良い機嫌で彼女に笑いかけ、彼女は別にそれを不思議にも思わず、こんにちは、と猫に答えて椅子に坐った。

お先にちょっと失礼してますよ。あなたも一杯いかがですか?

ええ、どうもありがとうございます。私はオンザロックスをいただきます。


ウイスキー2




ねこ黒猫3







それにしてもどうしてあたしは猫なんかと喋っているのだろうかと考えたが、よくわからなかった。

猫はライオンほどの大きさで、その大きさから察すれば、黒ひょうなのかもしれない。けれどやっぱり猫のようにも見える。・・・

お嬢さん、わたしはあなたを永遠の恋人のところにつれて行く役目でここへやってきたんですよ。


ねこ くろ1

永遠の恋人ですって?それは一体どうして?

どうしてってそんなことはわたしは知りませんがね。

でも、永遠の恋人って一体誰のことなの?・・・もしかすると、あの人のことなんでしょうか。

さあねえ・・あんたのおっしゃるあの人と、わたしがおつれするさきにいらっしゃる人が一致するかどうか私は知らないね。

ねこ黒猫2



あたしいやだわ。行くのはいや。 お前なんかこわくない。ただの大きな猫じゃないの。

あんたになんかつれていってもらわなくても、あの人をこの目の前に見ることができるわ。 

                              金井美恵子『永遠の恋人』


ねこ くろ2


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