Chat du mois今月の猫

Chat septembre 9月の猫

夕顔ほどにうつくしき猫を飼ふ 山本洋子

ねこ夕顔



もうあたりはほとんど暗く、あの人が蛇を怖がるので、わたくしはそれを逃げさすために、先に歩きだしました。わたくしは少年のように自分の強さを自覚し、拾った竹切れを持って、それを快活に表現するのでした。

やがてあの人は、道の端で夕顔の花を見つけると、それを摘みとるのでした。手に白い花がにじんで、それが夕暮の色を余計に濃くするように思われました。

夕顔4



わたくしたちは紫檀の机を中心にして坐りました。
丁度あの人だけで、庭の方はふかぶかと茂って、ラジオのかかる気配さえなく、何か静かさが屋内に溢れているように思われました。
わたくしは書いてきた手紙を黙ってふところから出すと、あの人に渡しました。するとあの人はそれを二度くりかえして読んでから言いました。
「わたくし無理をすまいと思っているんですわ。今となっては運命の摂理に任せることだけを考えておりますの。」
「・・・・・・・・」

ねこ しろねこ2



その時、一匹の白い猫が静かに出て来て、縁から庭に飛び降りるなり、石の上に蹲っていつまでもじっとしていました。

                        中河与一 『天の夕顔』


夕顔1


ねこ考えるねこ





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