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カロ歳時記19 金襴の下は冷たき未知の国
saison de karo 19
金襴の下は冷たき未知の国 福田甲子雄

いつの間に生茂ったのか、崩れた築地いっぱいに、菊が夕日を受けて咲いております。黄の花芯に赤い花びら、煙るような橙黄色の雄しべに白い花びらなどと、野菊が長年の間に混じりあったものらしく、小さい花が無数に庭先から地に這いあがって、蜜蜂やいちもんじせせりが飛び交うさまが、いよいよあたりの静けさをかきたてています。
太陽がさしているのに雨がふっています。雨脚がきらめきながら斜めに落ちてくるなかを、花嫁の行列が野原の細い道を通ってゆきます。

従者が私の頭の上に大きな傘をさしかけてくれています。一行は六、七匹です。私の後に従ってくるのは雄狐です。あとの五匹は尻を端折って紺の法被を着ています。私は金襴緞子の花嫁衣装で、顔だけは、紛れもない狐の顔でございます。
辻井喬 『狐の嫁入り』

金襴の下は冷たき未知の国 福田甲子雄

いつの間に生茂ったのか、崩れた築地いっぱいに、菊が夕日を受けて咲いております。黄の花芯に赤い花びら、煙るような橙黄色の雄しべに白い花びらなどと、野菊が長年の間に混じりあったものらしく、小さい花が無数に庭先から地に這いあがって、蜜蜂やいちもんじせせりが飛び交うさまが、いよいよあたりの静けさをかきたてています。
太陽がさしているのに雨がふっています。雨脚がきらめきながら斜めに落ちてくるなかを、花嫁の行列が野原の細い道を通ってゆきます。

従者が私の頭の上に大きな傘をさしかけてくれています。一行は六、七匹です。私の後に従ってくるのは雄狐です。あとの五匹は尻を端折って紺の法被を着ています。私は金襴緞子の花嫁衣装で、顔だけは、紛れもない狐の顔でございます。
辻井喬 『狐の嫁入り』

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はじめまして。
我がつたなきブログにご訪問いただき、まことにありがとうございました。
カロさんがお書きになるブログは大変に格調高いので、まったくお恥ずかしいかぎりです。載せていらっしゃる画像も本当に素敵ですし、お料理も勉強させていただきたいと思います。今後とも、どうぞよろしくお願いします。
senjuさん
ありがとうございました。
senjuさんのブログに、またお邪魔したいのですが、「お気に入り」でブログ名が混乱・・・。わからなくなってしまいました・・・。ごめんね、鈍なカロで。よろしければブログネームを書き込んでいただけませんか。カロ
お返事をありがとうございます。
つたなきブログでお恥ずかしいと言いながら、きっちりブログ名とURLまで書いておきます(笑)どうぞ、お手隙にでもいらしてください。
ブログ名:ルーティンワーク
http://senju1209.blog47.fc2.com/
senjuさま
お返事くるかナーと思っていました。
これでまたお宅にお邪魔できます。ありがとう!カロ
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