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  の一冊
         livre de karo                                 
                               に読む汝や母系の   伊丹三樹彦               

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                                                     伊丹三樹彦句集 『』      


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                                                     ルノアール                           

                           小学校へ上がったばかりの、冬のだった。

            うち中ってお出掛けというので、私ははしゃいでいた。・・・の服を着られるのも嬉しかった。

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    玄関にうち中のをならべた。 父の靴のりは母の草履で、分厚いコルクの上に畳面がのっていた。

          玄関の正面には帽子掛けがあり、私のグレイのフェルトに黄色のリボンのと、

      弟の黒い帽子、父の中折れが並んでいた。 が届かないので私は何度も飛び上がり、帽子をとろうとした。 

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    やっと手が届いたと思った途端、帽子掛けが外れて落ち、私のを切った。 それから後は全くにない。

                   こういう場合、父はするたちなので、おそらく母に八つ当たりして、

       私を医者に担ぎこみ、その夜のお出掛けはになったにちがいないのだが・・・。
                                                               向田邦子  「

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                   さんは1920年の生まれ。 来年2月で歳になられます。

             指にあまる句集をお持ちですが、このたび刊行された『』は、

                 長年の句歴のそれぞれの時代から作品がされて、

             三樹彦俳句をできるスケールの大きなものとなっています。

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                、之を父母に受く。敢て毀傷せざるは、孝の始めなり。                                          
                                                             『孝経』  孔子の言葉

        子どもの身体はお父さんお母さんにとって大事なもの。 自分でも大切にしましょうネ、 と言えば現代的でしょうか。

                  生後すぐに母親とれ、めぐまれた中にも孤独に育ったという伊丹さんの場合、

                          血縁への憧れとしみを表した言葉なのかも知れません。

              そして、作品のなかでは、それが、三人のさんへの愛情として表現されてもいるようです。

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                    三女得て かせて  を鷲摑み  三樹彦
                           
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            には啓子、夏子、凪子さんの三女がある。
         
              長女啓子さんの生まれた当時〈子の口泡ふつふつ春の昼〉と詠って以来、

                 数多くの吾子俳句が発表されている。

                    子を夜酔余の顔寄せて

                       けば子が首に手を纒く 野中

          ・・・こうした親子関係も、娘たちの成長に従い、次第に形を変え、遂にはつぎつぎと嫁がせて、

                 今掴めるものは手元に残った、この一顆である。

                             『鑑賞「身体髪膚」「続身体髪膚」 -伊丹三樹彦の自詠像を求めて-』

                                       同集に収められた愛弟子森洋彦さんの三樹彦鑑賞より
             
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                                           la naige en poems2                  

                    父も母も、傷なく育てようと随分細かく気を配ってくれた。

                       それでも、子供はいもかけないところで、すりむいたりこぶをつくったりした。

                                                  向田邦子  「身体髪膚」
                         コンと6
                             向田邦子

                 作家(1929~81)は、弟をはさんで姉妹の長女。

                    戦争中少女期を送った彼女にとっても、身体髪膚という言葉はしいものでした。

               向田さんのお父さんは、いわゆる未婚の母の子供としてを重ねて育ちました。 

                       勤めた保険会社で、会社始まって以来の大出世と言われる栄達を遂げた父は、

        最初の子供である向田さんをに、そして熱烈に愛してくれました。

              生涯独身であった作家は、お父さんのをいつも胸の底に持ち続けていたようです。
       
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                    乾いては濡れ   三樹彦  
                         三人姉妹のらしさ、そして無季の強さ。 

                                          IMG_1945 (3)        

                 の妹も、顔に小さな傷をしたことがあった。

            祖母が亡くなってすぐの法事の時だったと思う。 い妹が坊さんのお経をおかしがって、

        笑ったりするので、をあてがわれ、庭でひとりで遊んでいた。
                                                         「身体髪膚」


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    俵屋宗達 松養源院小      
                                       俵屋宗達


           ちょうどこの日、庭師が入り、の木の手入れをしていたのだが、妹が脚立に寄りかかったのか、

                 庭師が上から植木鋏を落としてしまい、妹のをかすめたのである。

                                  ikoyonet.jpg                                         
                
                       妹のき声で、親戚一同が総立ちになった。

              だ! をやられたぞ!

                仁王立ちになって叫ぶ父をき飛ばすように、母が足袋はだしで飛び出して、

                妹を抱きにすると、物も言わずに、隣りの外科医院へ駆け込んだ。
 
                                                    向田邦子  「

                     お姉さんも妹さんも、怪我はたいしたことありませんでした。 かった!

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                                      では、句集『身体髪膚』から、の句を・・・。

                               眼は眼 蟬鳴く朝 
                   すきとおるような赤子の。 なぜかしくなる句。

                          畔の子のる一列はたしか                   

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                  かぜの子を眺めおり目めて                          

           くや刈田となりてすぐ
                         子どもと自然は。 自然は子どものためにあるのですね。


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                      の土足を見んと車席攀づ
                  子どもとのが、かけがえのない時間として刻まれています。

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                 に読む汝や母系の   伊丹三樹彦 
                                     長い睫毛は、奥様さんから、お嬢さんたちへ・・・。  

       イルステズ
                                            イルステズ

                             
               印象い句を・・。       

                        この世のを見て来ての 
                                    鳥、そしてのこと・・・。
                                              何千羽いても 羽の

                           IMG_2358 (2)
                                  
              窓の冷えに 額あて える

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                             ムンクが描いたロダンの考える人 ロダン美術館の庭園

                                        える人に及ばぬ 

   
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                       先生 ありがとうございました。  いつまでもお元気で!  カロ

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