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            の一冊
                 livre de karo


                                   一本の置いて来し  諏訪洋子

    諏訪さん11


                                       諏訪さん9
                 IMG_1347_convert_20171202204829.jpg


                         句集『』 インパクトのある忘れられない題名ですね。

                                  その内容は、まるでの花吹雪!
                      
      
         諏訪さん12
       

                   紙ふぶきびた者から蝶になる                  洋子
              
                       これよりはよと髪を梳く

                          蜘蛛の糸は自在に不自由に

                            を漕ぐ行く方へ来し方へ

                               人に火にのあり野の遊び


                  集中から花びらがだすような、

                        紙片、蝶、鶴、紙、蜘蛛の糸、ふらここ、そして足跡と火。 言葉。   


                                           さくら2                                                          

                                 春愁のどこにも見あたらぬ    洋子

                          諏訪さん14  
             
             洋子さんがくださったお手紙に、

                  「先の休日は家族のためにごしました」と、書かれていました。

               と家事に手をつくし、身辺を整える・・・。

                     の中の洋子さんはいかにも、しとやかでおだやかな家庭人という感じがいたします。

                  、ある時の洋子句は、またある時は奔放です。


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                            ダ・ヴィンチ 女性の頭部 newimg
                                                                                 
                                              Leonardo-da-Vinci-Head-of-the-Virgin-Mary-Metropolitan-Museum-of-Art.jpg
                                                          ダ・ヴィンチ 『聖アンナのための素描』       
             椿芯は海鳴りかも知れぬ
                           じっとえているようで、内面はとても自由。

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                           春風にという字解き放つ
                             前句では内部に秘められていたが、こちらでは風のなかに・・。

 
                   20140406191250c26 (3)


                        記憶の母は草書体              
                            楷書の母はきりっと、そして草書の母はやさしく。

          かなで書かねば風になれぬ
                           この二句も一対であることを感じさせます。
                                        さくらと秋桜は女性のを負っているよう。


                  コスモス

              
                                     山本丘人
                                                                 山本丘人   
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                        渡月橋の北詰に来て一休みした後、を拾って平安神宮へ向った。

                名木のが、今年はどんな風であろうか、もうくはないであろうかと気を揉みながら、

                           毎年廻廊の門をくぐるまでは胸をときめかすのであるが、

                 今年も同じような思いで門をくぐった彼女達は、ち夕空に広がっている紅の雲を仰ぎ見ると、

                                   皆が一様に、!と感嘆の声を放った。

                                                      谷崎潤一郎 『

                              
       20140406191250c26 (2)

     
                 彼女たちは、ああ、これでよかった、これで今年もこの花のに行き合わせたと思って、

              何がなしにとすると同時に、来年の春もまたこの花を見られますようにと願うのであるが、

     幸子一人は、来年自分がびこの花の下に立つ頃には、おそらく雪子は嫁に行っているのではあるまいかと思い、

   自分としてはしいけれども、雪子のためには、どうぞそうであってくれますようにとう。

                                                                   『細雪』
                                           諏訪さん3
                                            

           谷崎潤一郎の長編小説『』は、現代で言うストーリー。

             戦前、大阪船場で権勢を誇った商家にまれた姉妹のうち、まだ未婚の三女と末娘。 

                                             209e05ecf5dd8920098f8e9d4e6d98c4 (2)
                                                                  森本草介
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                                     高塚省吾

                雪子は人前ではものも言えないな女性ですが、こと結婚相手に関しては、

                  嫌なものはと、妥協なし。 一方の妙子はたくさんのボーフレンドに囲まれながら、

                          もう本命にめぐまれず・・。

                       のように妹たちを気遣う幸子のモデルは谷崎夫人の

             一本の桜に寄せるいは、深く、そしてです。


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                                          ラファエロ

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                          を背景に、まさに小説通り、実写『細雪』。 撮影は谷崎自身。
                    左から雪子のモデル重子、妙子のモデル信子、ふたりとも谷崎夫人松子の実の妹。
                           おかっぱ少女は松子夫人の最初の結婚の娘恵美子、右端は松子。
                                   谷崎は生きがいのようにこの四人をしました。


                                      満開6

                        たちは平安朝ののようですが、

                   写真が撮られたのは、太平洋戦争に突入するころ。 

            描かれたな上流生活は、時局に逆らうものとして、雑誌掲載を差し止められてしまいます。

                  発表のめどもたたないまま、谷崎はしい生活を壊す権威に抵抗するように、

            戦時下も、やがて「昭和の」と言われることになる作品を書き続けます。

                和でな文章は、無益な争いを憎み、文芸を守るに支えられて生まれました。

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                       鳥帰るの中のうすけむり    洋子
                                 後朝のことばは立ち上るのように消える。

                                              さくら2
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                                      ていねいにたたむ身をたたむ 
                                 身を、という文言に、
                       どこか谷崎風の王朝を感じるのはわたくしだけか?

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                                      河なかにがあるなり朧月
                                         河は身体、川は

                                                  IMG_0445 (3)
                          

               諏訪さん15
                   

                     春の海つなる  洋子

         この句を読んだとき、呼び起こされたのは、

                     花葡萄れる女の  安井浩司

                 殊に団塊の男性たちに絶大な支持層を持つ孤高の俳人のこの句に、

                     句は、嫋々と、しかし堂々と対峙する大きさを持っていますね。


                                     yoimatigusa_gazou (2)


                      周囲のためにを惜しみなく使って生きながら、

              さんの言葉の中には、誰にも入っていけないな領域があるようです。

                      そこには、一本のが、に花びらを散らしています。


                                            土牛_醍醐
                                                                 奥村土牛 『醍醐』

                               一本の置いて来し  諏訪洋子


                     さくら  
                                                                                  
                                                 諏訪さん1 (2)


                               近づけばいたち、遠のけばしく、

                       諏訪洋子句集 『』は、

                 多面にかがやく女性のことばがりそそぐ一冊です。   カロ

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                                          151-thumb-140x140-214小さい
                       
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