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        の一冊
               livre de karo
                 
                               かたつむりまれしのちはの如し   阿部青鞋


                かたつむり2


                路上に落ちたが踏みつぶされる。

                   可愛そうな光景ですが、俳人は、それをのようだ、と語ります。

                     ? どうして、と聞き返したくなるような言葉の発想。 
                                                               かたつむり小小

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                   にも・・・
                            緑陰はそのまゝに似て    青鞋 
                                    われてみれば納得?してしまう!

  
                               e804cca43de806299d3b3a7c8e5993d2.jpg


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                       八月はを買ふにふさはしき
                           真っな飾り気のないお皿ですね、きっと。

                                月光のなき匂ひかな 
                                           月光は人間を陶酔させ、にさせます。

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                                           陌ケ・狙convert_20170104013833


                            の虹にあらずとすぐ思い
                                      ひとりじめにせず、誰かにえるものでしょうか。

                      めて読めば、みんなビックリ!の奔放さ。

                           詠者ってどんなひとなのでしょう。


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                      あやめ足に結ばんの緒  松尾芭蕉

                青鞋のは芭蕉句からきているのかも・・・?


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            長い間、カロのであった俳人(1914~89)を顕彰する冊子が刊行されました。
         
                   俳人が長く住んだ岡山県の句誌「」「」のメンバーが中心となって、

                           彼の作品と人生をったもの。

                                題名もズバリ『』です。

                                                IMG_0469_convert_20170624225217.jpg
               

                   ゆかりの俳人との交流(伊東敬郎、沼本養丱、下条泱布、中川專子執筆)、

           との親交(遠山陽子執筆)など、興味のきない内容となっています。


                      カタツムリ5
                                      阿部青鞋 やさしそうですね。背景は瀬戸内海か。 『青鞋』より 

                                                     
                        大正の初め東京に生まれた青鞋は、をめざしますが挫折、

                語学の勉強を重ね、戦争後、疎開していた岡山県町に奉職、教育部門に携わります。

                          後年、来町した宣教師に影響をうけ、となりました。


                                    岡鹿之助捧げもの
                                                   岡鹿之助 『捧げもの』
 
                              キリストよ三色咲きにけり   青鞋

    
           青春期の失意、戦争や宗教、な体験が彼の特異な言葉を作ったのでしょうか。

                  青鞋を愛しこの冊子を編んだの俳人たちによるをたどって、

               深く青鞋句に分け入ってみましょう!
                                              georgia-okeeffe-petunias-in-oval,-no_2
                                                               オキーフ

             をかきおそろしくなりぬ  青鞋
                       いま書いた半円は「」である。この頼りなげな線に囲まれた空間。
                 これが私の半生なのだ。すると、この向こうに「」があるはずだ。   永禮能孚

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              聖堂へ嘔吐のやうなが出る   青鞋
                   聖職に身を置いていた作者の目には、聖堂を取り巻く環境は厳しく、
                      美しい色彩のも小説『嘔吐』に書かれた生活臭のない無神論的虚無性、
              実存主義的なものに見え、それに覆われているように感じられたのであろう。  福島閑雀


                                                vol24_2-1-1024x768dcm.jpg
                                     かたつむり小さいご
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                柚子の木に柚子の実なくてがふる   青鞋
                       戦病死したんでの作に思える。
                           実景句と見ることも勿論できるが、YU音の頭韻が哀切を深め、
                     共にあるべきはずだった命の喪失感を訴えてやまない、
                          そんな句に思えてくるのだ。   妹尾健太郎

                暑き日の壁うつりゐるかな  青柚子 
                           青柚子と渡辺白泉が中心であった「」誌に青鞋も参加しました。   


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          夏の人顔を上げざりき  青鞋
      「夏の人」とは死者のことではないか、大勢の人が私の前を去り、くへ行ってしまった。彼等は思い出す度に
            若々しくなって来る。少年になり、少女になり、真夏の夕暮れの中でってさえいるのだ。  山田紳介
 

              がそっくり一つててある   青鞋
                       目の前に棄ててある「想像」が立ち上がったとしたらどうだろう。
         「想像」の内容がありありと見えて面白い。シュールなの絵の世界だ。   小林直岑


              記憶の固執The Persistence of Memory
                                    ダリ 『記憶の固執』


                     梟の目にの月夜かな   青鞋
                「の梟は夕暮れに飛び立つ」という言葉を思い起こす。
                   肉体の衰える老境期になって知恵は深くなるの意である。  有元露庵


                                アクロポリスの破風の一部アテナ前5世紀あ
                                       ミネルヴァ(アテナ)は勇気と知の女神 アクロポリス


              運動会みてゐるひかけの顔   青鞋
                    運動会に於ける応援者の大昂奮の一テンポ前の不安感、期待感を余すところなく表現し、
       次の場面が自ずと大声援であり、昂奮のである様子が見てとれる仕掛けになっている。  髙村蔦青

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                               諏訪さん4 (2)小

             口をぢながら浴びるや花吹雪  青鞋
           春は別れの季節、出会いの季節と言います。桜は見る人ので、楽しく見えたり、悲しく見えたり、
                 不思議な花ですが、美しいことに変りありません。          
      ・・・その日タクシーで行き、降りるやいなや、凄い花吹雪に逢い、「ワー」と思い、目をじて息をせず、
                一瞬の出来事でしたが、花吹雪の中に居ました。  小林透亘

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             悲しみは我にもありとくる  青鞋  
               法則、因果律、摂理。 「」で総称されるこれら不可抗なる統率者たちに、
                  血の通った生身で対峙させられる者の苦悩。
                        諦念が。   長谷川漱若


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           草餅のなさけ容赦もなき  青鞋 
                (青鞋は)幼児の時、寺の住職の跡継ぎになる為、叔父の所に何回も行ったり来たりしています。
          は情を断ち切れず何回も会いに行き、最終的には青鞋は我が家に帰っています。
                    蓬はを想う「極限の匂い」ではないかと思いました。   豊田級衣


                           白い葱含羞を失えり    青鞋 
                  々しい新鮮ない葱の肌を見て、怪しからぬことを考えてしまった。ああ。
             修行がまだまだ足りないと思われたのであろうか・・・。  竹内亨佑


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                                                          マン・レイ

                 ゆびの日といふ日もしと思ひけり   青鞋
                      耳も目も歯も、なくてはならないものだが、直接近くに見えてよくいてくれる指、
                   その「の日」がない。  黒瀬琢葉


               ごころ敷居のあぜに指触るる   青鞋
                    その指は手ではなくの指。夏が来ると、障子やふすまが開けはなたれて
              自由に出入りでき、閉まることはありません。 その自由を「、夏を踏んだ」と・・・。  福島翠夕


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                                                            オキーフ


                 くさめして我はに分れけり  青鞋
                    のようなところがあって惹かれる。
                         ひとりの人間が持つ宿的な二面性なのかも知れない。  右手采遊


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                                         オキーフ

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                   感動のをあぐるトースター   青鞋
                  この句を見た時、妙に懐かしさがこみ上げ、そして、としたような微笑みが生まれた。
            最大の魅力は上五の「」の言葉である。   小川蝸歩  


                                             金魚1 

        金魚屋のなかの多くのを見る   青鞋
             んでいるのかっているのか。青鞋にとって水がどう見えたのだろう。 
          「の意味」を読む人にゆだねているように思う。  武本明波


               ためにキャベツを育て居り  青鞋                   
                  ひっぱたいてやりたい人もいただろう・・・。想像することは自由で、にも邪魔されない。
                             そのものだ。  高田憬  

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              かたつむりをたててねむりけり  青鞋 
                  かたつむりとは、いったいをさしているのだろうか。
                    かたつむりは雌雄同一の生物である。 従って擬人法で考えれば、
                     青鞋本人と妻のをかたつむりで表現したのではないかと考える。  春名風来 


               カタツムリ4
 
   
                 美作を愛し、町の文化に貢献した青鞋でしたが、

                    難病に倒れた夫人の介護のため、娘さんの住む都下の町へ居。

                       び美作へ戻ることはありませんでした。

                    彼はを思う心のひとしお深い愛妻家であったようです。


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            妻の看病に自らの時間をげたこともあり、いわゆる俳壇からは遠く、

                 彼の作品が、まとまった形でみにくかったことにはそんな事情もあるのでしょう。

                     それだけに『』の刊行は画期的なものと言えます。

          オリジナリティーにれる作品群は、初々しい冊子の中で、

                 定型詩のを言い当てるような先見性さえ感じさせていています。     カロ


                      かたつむりまれしのちはの如し   阿部青鞋
                           かたつむりは天にって!                


              かたつむり3

                                            かたつむり小小
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