歳時記
             saison de karo 


                      やきょうの寒さをえる  古賀一弘

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                  が八十四歳でくなったのは、二〇一四年の十月の末だった。

               すでに十年以上にわたってがんを病んでいたから、最後はのように痩せていた。

                                                           古賀弘幸 『父の辞世』

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                    は書と文字文化関連を主なフィールドとする編集・ライター。

               著書に『文字と書の消息』(工作舎)​ 『書のひみつ』(朝日出版社)


                                                  IMG_1120_convert_20171127155737.jpg 
                                                       

                        凩のくねつてきけり  夏目漱石


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                          柿の葉2 agemiya


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                           父は一桁の生まれで、苦学のに保険会社に入り、一家を養った。

                  旧制中学のころにはで、友人たちと同人誌などを作っていたらしい。

                                                                    『父の辞世』

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                         そのサークルの先輩格だったというの故松永伍一氏からは、

                     お父さんの書く詩はけっこうっぽかったね、と聞いたことがあるが、

                いまだにその同人誌を見たことがない。


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               の愛をはんぶん  の愛をはんぶん

                 体温にもらいうけてが育つ

                      ぼくは父に代る〈男〉を見る

                          ぼくは母のをおもう〈男〉に近づく

                                                      松永伍一 『少年』   

                                                 繧「繝ウ繝峨Ξ繝サ繝峨Λ繝ウ・托シ假シ假シ撰ス橸シ托シ呻シ包シ斐€€_convert_20171124201411
                                                                       Andre Derain                                                                                                  

                  退したあと、父はさまざまの集まりに入って書き始めるようになった。

            やはり、文学をめて経済学部へ入って会社勤めをしたのだ、といういが強かったのだろう。

                        小説や散文詩こそ書かなかったが、

                  歌謡曲の歌詞にまって、俳句、短歌などのサークルに入り、

              雑誌やラジオに投句したり、イベントに参加したりしていた。


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                  私の好みもあるだろうが、

                       なところ、父の作詞や短歌にあまりいいものがあったとは思えない。

             体質的にあっていたのは俳句だろう。

                  数十冊のノート、句にもなろうかという句稿がっている。

                
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                                   二〇一四年の以降衰弱ぶりは激しく、

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                  ホスピスに転院することなども考えたが、自宅でによる介護が始まった。


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                    自宅にってきて数日後、見舞いにゆくと、俳句をノートにメモしていた。

                        ビールもんだ。

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                その時に見せてくれたのは、

                           や冬の寒さをえる

                                      というものだった。
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                 じゃない。と話すと、

                        季重なりだなあ、と仕切りに首をひねった。

                 ビールを呑んだり俳句についてしたのは、それが最後で、

                        三日後には亡くなった。

                 最期ににいることはできなかった。

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                             は息子の私に句を直されることはあまり好まなかったが、

                 葬式のあと、思いついて父の辞世をしてみた。

                          やきょうのさを考える

                 これが父のもっとも句だと思っている。

                                                古賀弘幸  『父の辞世』


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                      句誌に掲載されたと文章です。

                   読んでいてが出てしかたがありませんでした。
            
            の瀬も近く、慌ただしい季節となりましたが、

       カロを訪れてくださったみなさん、どうぞに読んで、そして、このな一句を憶えていてあげてください。

                                                              泣き虫カロ

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                        では、によるの句を・・・。

                        
                    凩や夜半の中なる  吉川英治 
        吉川英治も苦学独学のひと。 「新平家物語」「宮本武蔵」など、庶民に愛されるな物語を残しました。


                        木枯の橋を渡ればかな  尾崎一雄
                  家庭と身辺を愛した作家。 がありますね。

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                              tabicoffret  広島 巴橋

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             木枯や目刺にのこるの色  芥川龍之介 
                  とぎすまされた小説と比べると、芥川の句はかです。

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                      死はき睡りと思ふ夜木枯   相馬遷子
                           わたしもそういます。

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                           凩に土葬ののよみがへる   泉田秋硯
                       土の中、ひとりぼっちで鬼もしいかも知れませんね。

                                            debatesculturais縲€逾医k謇九€€_convert_20171119222813
                                                   debatesculturais  祈る手 デューラー

                      雑巾をりきる手に凩す   島津亮
                   の句のようでもありますが・・・。男性も苦労の多かったを生きた詠み手。


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                     今年もなし凩に量るのみ   種田山頭火 
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                                    over land sakura (2)


                 いろんなの句、どれも良いけれど、

                   やきょうの寒さをえる  古賀一弘 

                息子さんのお手直し、お父さんどんなにんでおられることでしょう・・・。


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from hiroyuki koga | URL | 2017/11/27 Mon 08:34 [EDIT]
はじめまして。古賀弘幸です。エッセイへの言及ありがとうございます。私も改めていろいろと父のことを思いだしました。エッセイには父の名前は入っていなかったので、このようになったのだと思いますが、「凩」の句の作者は一応父なので、作者を「古賀一弘」としていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
古賀さま ありがとうございます。 from カロ | URL | 2017/11/27 Mon 15:02 [EDIT]
古賀さま このたびはブログにお目をとめていただき、ありがとうございました。早速お父様のお名前とさせていただきました。お作品はわたくしの大切な一句です。これからもずっと・・。カロ💛
御礼 from hiroyuki koga | URL | 2017/11/27 Mon 15:17 [EDIT]
カロさま さっそくご配慮くださって、ありがとうございます。亡くなった父は、文学青年改め、文学老年だったわけですが、本に親しむことは父の大きな影響だったのだなあと最近しみじみ感じます。ということで、やっと今年自分の本が出たので宣伝をさせてください。
『文字と書の消息』工作舎
『書のひみつ』朝日出版社
です。よろしくお願いします。
御礼こちらこそ from カロ | URL | 2017/11/27 Mon 15:41 [EDIT]
古賀さま ご活躍、ご著書、お父様は御子息を誇っておられることでしょう!そして、いちばんうれしく思っていらっしゃるのは、きっとこのお手直しですね。カロ💛

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