歳時記 
           saison de karo 


                         ひさびさつてさくらんぼ   種田山頭火


                              18342180_1372410992843640_5060264404944257694_n_convert_20170514211039.jpg
                                                             photo N Nakajima


                      君はからを作るべきだ。それ以外に方法はないのだから
                                                                              
                                                           ロバート・P・ウォレン                                                                               
                 
                osaihounikki.jpg
                                           osaihounikki                                                                  
                                                                                              

                      ・・・組の女子全員が集まっていた。

                             皆むっつりと押しって立ち、も笑っていなかった。

                       私を囲んだのなかには、毎朝家まで誘いにきてくれる近所の大垣さんも、

                            の浜野さんの顔もあった。   


                                                         木戸博子  『特別な体験』


                               e3ac9e29c2b2a3da145b5918b53cc7b2 (2)
                                                             浜口陽三


                       、クラスの女子のである金子さんが口を切った。  

                            金子さんはゴム飛びがうまい、お転婆な女子だった。・・・                  

                  「三原さん。なんでここに呼び出したのかわかる?」

                      「・・・・・・・」

                         「あんたね、ちょっとなのよ」

                             「・・・・・・」

                                「になってるでしょ」・・・

                      「それに? その服。 気取ってるんじゃないよ」


                                             58216228_(2)_convert_20170505035039.jpg
                                                         imgs

                        st-patricks-day-shamrocks-11_convert_20170512191449.jpg
               


                   母が東京から取り寄せていた洋裁雑誌の型紙で作ってくれる

                             私のな自慢だったが、

                      同時に同級生のなかであまり目立つのはよくないとも感じていた。


                    さくらんぼ1marutees
                                              marutees        

                                                  
                           「そうよ。なにさ、なんかつけて」

                       ・・・私は母がレース糸で作ってくれたのブローチをにつけていた。


                                     fd401043_convert_20170428220030.jpg
                         kyoumohimatubusi.jpg
                                              kyoumohimatubusi
                                     
                   89236257 (2)
                      
                                              
                         「りなさいよ!」
   
                              金子さんがズックで地面をった。・・・

                                  それにしても私がついたのは、

                           親友だと考えていた浜野さんが無表情で押し黙ったまま、

                      私を囲むのなかにいたことだった。・・・

                              その日の二週間くらい前、

                      私は浜野さんの家に招待されてとケーキを御馳走になり、

                            を弾いたりゲームをして遊んだばかりだった。


                                20110105174500.jpg  


           縺輔¥繧峨s縺シ・紋ケ・ュ舌■繧・s_convert_20170512190832
                                    photo H Sugiyama


                    の「特別な体験」は『』18号に掲載。  表紙ストイック。


                                        IMG_0033_(2)_convert_20170416004517.jpg
                                     

                 「どうしてっているの? なんとか言ったらどうよ」

                   金子さんが声をげた。

                     「ることなんてないもの!」

                        思わず声をあげると急に輪が縮まり、

                           いっせいにが投げつけられた。・・・   
                                        
                                 きじゃくりながら家に帰った。


                           moomii (2)
                                             moomii

                                                  resipa ocijp                 
                                                                  imgs     

               2012082323440490f (2)
                                                    風間完                    
                                                             

                         浜野さんから電話があったのは、中学三年の夏休みのことだった。  
             
                             「あのう。小学校でだった浜野ですけど・・・。 元気ですか?」

                                     「?  あ、はい」                              

                       「会えないかなあと思って」

                  「・・・うーん、悪いけど、会いたくないの」

                                          s12.png                                                                         
                               「ですか」
                       「じゃ」

                 ・・・彼女の唐突な電話と申し出に面食らった私は、

          いとも簡単に、おまけに不愛想にったのだった。

                                           32のさくらんぼ 浜口陽三                                    
                                                              浜口陽三 

                  sim (2)
                                    風間完     
                        
                                  
                      それから十二年後だから私が二十七歳のだった。

                  東京での生活にれ、を連れて実家に帰省した私に母が、

                     広島大学の教育学部に進学した浜野さんが

                  高校の熱心な英語教師になっているというを伝えた。・・・


                                                   さくらんぼkokusaigaigocennter


                                  縺輔¥繧峨s縺シ縲€benesse_convert_20170510205048



                      辛い状況にあったそのとき私がまずいたのは、

                彼女はた生徒を指導するときにどんなことを考えるのだろうという、

                      な疑問だった。

                                                               「特別な体験」

                        a0471b40dbe0a378f81da0b0a9b50bc4_convert_20170427011426.jpg
                                       さくらんぼ5                                        
                        サクランボのはほろ苦く、

                           三十年あまりのの後、主人公は六十才という年齢になって、

                                 浜野さんが三十才で自殺していたという事実を、

                           のクラスメートからかされるのです。


                                         縺輔¥繧峨s縺シ・恥urinneko_convert_20170511002408
                                                       purinneko

                                     
           行違ったふたりのは、ひさしぶりに逢うことも、

                           一緒にを食べることもありませんでした。

  
                             IMG_0272_convert_20170428214841.jpg
                                         

                   『』18号ラインナップ

                          「き日よ」 気まぐれ句日記  

                           「のふるさと再び」

                           「の一日」 ロバート・P・ウォレン著『いちご寒』 石榴図書館


                                              fd401043_convert_20170511001338.jpg
                        
                                           
スポンサーサイト
ありがとうございました from 木戸博子 | URL | 2017/05/20 Sat 13:22 [EDIT]
 拙作をさくらんぼを巡る物語として、山頭火の俳句や浜口陽三、風間完などの画とコラボさせてある独自の美学に貫かれた世界。楽しく、ありがたく拝見しました。さくらんぼのブローチが、幼いころ私が持っていたものとそっくり(それが微妙に変化している画像もセンスよく)、ちょうちん袖のワンピースもなつかしくて。浜口陽三のアクアチントはいいですよね。
 斬新な切り口、美しい画面、これからも拝見していきたいです。
木戸さま ありがとうございます! from カロ | URL | 2017/05/20 Sat 14:57 [EDIT]
木戸さま
ありがとうございました。御文章途中で切らせていただいたところもありました。自分勝手なことでごめんなさい。五月の校庭の少女たち、三原さん、金子さん、大垣さん、そして浜野さん、其々の人生が揺れ動いて素晴らしかった・・。大事に読みます。カロ

ADD COMMNET

title:

name:

mail:

url:

comment:

password:

TRAKBACK URL

RECEVED TRAKBACKS