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    歳時記
      saison de karo 

                          春の山のから烟が出だした 尾崎放哉
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                                              春の浅間山   

                 夢さめし眼をと闇にみひらけり 放哉                 

           は尾崎放哉(1885~1926)の忌日。 

              大正期、独自の自由律俳句を残して早世しました。

        放哉は恵まれた生い立ちのエリートでしたが、人生は挫折との連続でした。

              会社勤めに順応できなかった俳人は、お酒の失敗から借財にしみます。 

     妻子ともれ、各地の寺社を渡り、香川県小豆島の西光寺南郷庵で逝去した時は41歳でした。

                 の句は生涯最後の句と云われています。

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                    自由律のとされる彼の代表作、

                をしても一人     のうらに廻る
                 咳の句と墓の句は一対でしょうか。 ひとりでする咳。 墓裏にある孤独。

           漬物桶にふれと母は生んだか
       将来を嘱望されていた放哉。 お母さんは、放哉が再起を期して渡韓していた時に亡くなります。
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            放哉にはあまり花の句がありません。 どうしてでしょう。 ちょっとさみしい。 
                                    
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                             放哉さま 今年の春の花です。
                             
          言ふことが多くてだまつてゐる
                   だまっていると、また、言いたいことがつのってきて。

                    淋しい顔したで道で逢って居る
                            逢っていることが淋しいのでしょうか。

                     なんべんも云って別れる
                          友達と別れる時、ほんとうに何回もさよならを言ったっけ。

           ねこねる

                       縁の下からが出て来た 
 
           句数は多くありませんが、放哉作品に、ときどき現れるのがです。

              沢山の人間関係につまずいた放哉にとって、なねこ、それも、たちは、

               彼がなんとかうちとけることのできる数すくないでした。

            のんびり昼寝したり、たまに俳人の昼ごはんをかすめてゆく野良猫は、

      じやすい彼の心をなぐさめてくれたのかも知れません。
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              両目の色が異なる、いわゆるオッドアイの猫。   岩合光昭撮影
                    珍重されることもありますが、不吉とされ、虐待された歴史も。
                       違いとは、すべて個性。 違いを大事にしたい。
                           放哉もまた、傷つきやすい心の異分子でした。

       しぶりに庵を出かける猫が見て居る 
                     庵にこもって作務と作句の日々を過ごしていた放哉、
                                 たまのお出掛けに、猫が「どこいくの?」

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                わが眼の前を通るの足音
                         放哉の詠うねこは不思議な存在感を持っています。

                              の泥棒叱りとばす
                                  ちょっと上から目線?
                                        猫には猫の事情が・・。

         どろぼう猫の目とみあつてる自分であつた
                        そのあと、仲良くなれれば。

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                        近所のノラ。 このごろ見ないけれど、どうしているかな?
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  猫の大きな顔が窓からえた       低いから首が一つ出た
           ねこは神出鬼没。                 こちらもきっとねこ!

             拭くあとからつけてくれる   
                        やんちゃな子供のようなねこですね。

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          と言えば、並び称されるのが(種田山頭火 1882~1940)。 

        山頭火が三才年長。世代ですね。 山頭火は複雑な家族関係に悩み、さらに彼もお酒で失敗。 

          人生に敗れた二人の男性によりそったのが自由律俳句でした。        

           放哉は気難しい、山頭火は自己凝視が弱い、という批評もあります。 確かにそういう面も。

    でも、わたしはどちらも好き。

          放哉の句からは削ぎ落された言葉の厳しさへの

               山頭火の句からは弱さをさらけだすことへのをもらっています。

          housai          sannsouka
           放哉 お酒強そう。            山頭火 お酒好きそう。

                    
                  分け入っても分け入ってもい山 山頭火

               デトロイト (2)
                              セザンヌ 「サントヴィクトワール山」
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             熱の目にな花の朝よろしく     
                                                                         
                 の一年、結核性の疾患で、放哉の身体はすっかり衰えていました。

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                一丁の豆腐たべ
                      放哉の食べ物は質素です。 でも、とても美味しそう。

         目刺しをがしてしまつた
                     焦げた目刺しじやりじやりかじる 放哉風に鑑賞。

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                一人分の米白々と洗ひあげたる
                      一人で洗うお米。一人で炊き、一人で食べて。

         お粥煮える音の寝床に居る     生卵子呑んだ
                       お粥を食べて、卵子を呑んで・・・元気になれたら、
                           放哉はどんな句を詠んだでしょうか。

    いお茶一杯飲みたくて寝てしまふ     しいから寝てしまをう
                       明日の朝は、淋しくなくなっているかも知れない!
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    春の山のうしろからが出だした  尾崎放哉
                     悔いも残る放哉の人生。
                           最後の作品は明るく静かです。

                  彼岸3
                     
                         今年の春は足早ですね。待ってー!  カロ
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