歳時記

             saison de karo

          
                          もがりやあーい  上田五千石

                           風3


                先生が云いました。

                    みなさんのおが一人ふえました。

                       そこにいる高田三郎さんです。

                           そのかたのお父さんは、こんど会社のご用で上のの入り口へ

                       おいでになっておられるのです。

                    みなさんは学校で勉強の時も、拾いやとりに行く時も、

                       高田さんをさそうようにしなければいけません。

                                                      宮沢賢治  『の又三郎』
                            
                                   
                                     風4

                  
                            そのこどもは、ちゃんとひざにをおいて、腰掛に座っていました。

                            ぜんたいに、その形からが実におかしいのでした。

                            
                                       67759fbb1b62e6b21d6aae16dbb3d4b2.jpg


                       へんてこなねずみいろのの上着を着て、

                      をかぶって、

                  い半ズボンをはいて、

                       髪の毛は茶色でした。

                            それに、い皮の半靴をはいていたのです。


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               次の、空はよく晴れて、川はさらさら鳴りました。

                     一郎は嘉助と佐太郎と悦治をさそって、いっしょに三郎のうちのほうへ行きました。

                           、みんな来たかい。

                                 三郎の呼ぶがしました。


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                 又三郎はを見あげているのです。  

                      ねずみ色の上着の上にのマントを着ているのです。

                             それから光るガラスのをはいているのです。

                      又三郎の肩には栗の木の影がく落ちています。

               又三郎の影は、またく草に落ちています。
 
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                       そしてどんどんが吹いているのです。

                     又三郎は笑いもしなければ物も言いません。

                       ただ小さなくちびるを強そうに結んだままって空を見ています。

                     いきなり又三郎はひらっとびあがりました。

                        ガラスのマントがぎらぎらりました。                


                            風1


                               どっどど どどうど どどうど どう

                       青いも吹きとばせ


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                       すっぱいも吹きとばせ

                                  どっどど どどうど どどうど どう

                       どっどど どどうど どどうど どう


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                              風2

                    
                   先生は云いました。

                          高田さんは、きのう、お父さんといっしょに、もうへ行きました。

                   日曜なので、皆さんにご挨拶するひまがなかったのです。

                          むこうにはおさんもおられるのですから・・・。

                          
                   宿直室のほうで、何かごとごと鳴る音がしました。 

                           はまだ止まず、窓ガラスは雨つぶのためにりながら、

                   また、がたがた鳴りました。
                                                            『の又三郎』


                                                81b8eef3eb72c978c205fdd1480f9c33.jpg


              は究極の小数者。 彼は他の人と違うことを恐れません。

                   そして、たちは、彼をまっすぐに受け入れます。 それがしい・・・。
                                                                        カロ


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はじめまして from 浅田洋 | URL | 2015/12/08 Tue 19:09 [EDIT]
風の又三郎の句、いいですね。
私も賢治が好きで、ずっと読み続けてきました。
風の又三郎と聞くだけで、ふわっと賢治の世界に移動してしまいそうです。
いつも「いいね」をありがとうございます。
ありがとうございます。 from karo | URL | 2015/12/08 Tue 19:43 [EDIT]
浅田さま 私も賢治が好きです。作品はあまりに清廉で、自分が恥ずかしい気持ちになることも・・・。 寒くなりましたね。どうぞあたたかく。カロ

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