歳時記 

              saison de karo  


                      プールから子供の連れ戻り 髙澤晶子 


                  プール2



           近くの大学のを借りて、子供に水泳を教えてくれる。

           今ならきがあるそうだけど、太郎を入れたらどうかしら。

           妻は私に相談した。

           「。ぜひ入れよう。」

                                            柏原兵三 『スイミング・プール』


                                             プール5


           その日の夕食に私はを二本も飲み、

           自分がどんなに小学校時代に水泳がみだったかということを話してした。

           「お父さんはな、水泳の選手だったんだぞ。」

           「?」と太郎は言う。

           「五年生の時には、神宮プールの大会に出場したくらいだからな。」

           「?」と妻がいて言った。


                プール8


           「本当だよ。東京の代表として、クロールの四百メートルに出て、一等になったんだからな。」

           ・・・ビールのいも手伝って、つい大きなことを言ってしまった。


                           プール6


           まず東京の大会というのは渋谷区の大会のだった。

           神宮プールというのは、富ヶ谷国民学校のプールというのが本当だった。 

           ・・・一等というのもだった。

           本当はの差で二等になってしまったのである。

                                                

                                                   繝励・繝ォ・誉convert_20150706070431

                        プール12
                   
          
              いつの間にか、子供はときどきプールのに手をかけて休みながらではあったが、

                  二十五メートルげるようになり、

                       やがて、ほとんどつかまらないでげるようになり、

                             次の夏には、四往復、つまり百メートルもげるようになった。


                                   プール1                                         


                         ある日、私はをかねて子供をプールに迎えに行った。

                    子供は一コースしたらしく、ビート板を使わず、クロールで泳いでいた。


                                              プール3


                帰り道、子供は自転車に乗り、

                   私はんで歩いた。

                「うまくなったな。」と言って私は子供を褒めてやった。


                               繝励・繝ォ・兩convert_20150706072835

                              
     
                   「僕が泳いでいたのを見た?」

                       「あ、見たよ。」

                        ・・・やがて、子供はふとが付いたように、
   
                            「お父さんは僕位の時どの位泳げた?」

                               「一年の時だな。」

                                  「違うよ。僕はもう二年だよ。」

                                     「そうだったな。」

                              「二年生の時はまだ水泳を習う前だから、ほとんど泳げないもだったな。

                                   精々犬かきで三メートル位だったろう。」

                                         「ふうん。」子供はそうに言った。


                   プール4

                                  繝励・繝ォ・托シ神convert_20150706073440


                   「僕はもうメートルも泳げるよ。」

              「そうだってな。すごく頑張ったもんだな。」

                  「うん。」と言って、子供は自転車のんで速度を増した。

             そして、私よりずっとへ出て一回りしたのち、また私の脇へ戻って、

                「お父さんは僕位の時どのくらい泳げた?」また同じ質問をした。


                                         20121007s003.jpg

              プール11



                                 「そうだなあ。精々犬かきで三メートル位だったな。」と、

                             私はなく同じような答をした。

                        しばらくして、子供はまた聞いた。

                   「お父さんは僕位の時どの位泳げた?」

               「・・」と答えかけて、

          「もういい加減にしろよ。お父さんをからかうんじゃない。」

                        「。もうやめるよ。」子供は無邪気な笑い声をたてた。

                                                                 『スイミング・プール』

                                繝励・繝ォ・托シ農convert_20150706075041
           

                                                
スポンサーサイト

ADD COMMNET

title:

name:

mail:

url:

comment:

password:

TRAKBACK URL

RECEVED TRAKBACKS