Goulue de karo カロ食彩4

ベル・ジャルデニェ―ルを作ろう。

ラファエロの聖母子像のひとつに、ルーブル美術館蔵「美しき庭師の聖母」(「ベル・ジャルデニェ―ル」)Belle jardinière (Madonna col Bambino e san Giovannino))と呼ばれている絵があります

belle jardiniere「ジャルデニェ―ル」は、庭や畑仕事をする女性、女庭師のことです。ガーデニングに凝って、四季さまざまな花を咲かせることに夢中な女性はいつの時代にもいるのかもしれませんね。「美しき庭師の聖母」は、庭園(というより野原の感じ)の中に佇む聖母子と洗礼者ヨハネの姿がやわらかな色調(特に聖母の衣装の赤と紺の神々しさ)で描かれた佳品。

ラファエロはその短い生涯に、旺盛な制作欲でバチカン内の『アテネの学園』など大作も手掛けていますが、また珠玉の小品、多くの聖母子像を残しました。師であったベルジーノの抒情性、大きな影響を受けたダ・ヴィンチの人物像の「フスマート」と呼ばれる陰影画法。丸い画面に赤、緑、青が絶妙のバランスで配置された『小椅子の聖母』、眉毛のうすい聖母がどことなく日本的な『大公の聖母』等・・・。でもラファエロの婦人像に理屈はいりません。ともかく、柔和で優しい。そして、彼女たちの心の中は解らない。
『美しき庭師の聖母』は、遠くに菩提樹の木が見える、のどかで牧歌的な背景を持っています。室内に描かれることの多い聖母子像としてはめずらしく、おおらかな画面構成です。でも、戸外のさわやかな風の中、聖母のふっくらした顔は、どことなく憂いを帯びています。イエスとヨハネ(可愛らしい子供姿で描かれるのがお約束。)に優しいまなざしをむけているようでもあり、なにか悩みに気持ちが沈んでいるようでもあり・・・。

初夏、カロの食卓にも、ベル・ジャルデニェ―ルと名付けた料理が上ります。なんと美しい料理名。と言っても、普通このフランスの家庭料理は、単に「ジャルデニェ―ル」と呼ばれます。素朴な豆料理に相応しい名前です。でも、新鮮なグリンピースを茹でるたびに、ベル・ジャルデニェ―ル、Belle jardinière「美しき女庭師」という言葉と、聖母の甘やかな貌を思い浮かべてしまうので、カロ風グリンピースのグラニテは、Belle jardinière(フランス語、もともとのイタリア語では、Bella Giardinier)と呼ぶことにしております。

カロ風Belle jardinière de karo『ベル・ジャルデニェ―ル』のつくりかた。

グリーンピース材料4人前 ベーコン5,6枚、玉葱1個、そして大量のグリーンピース。

1 豆は莢からはじき出す。ざっと洗って、小匙かるく一杯の塩を振りかけて、ちょっともんでおく。玉葱は半分にしてから薄切り。ベーコンは塊なら削ぎ切り、薄切りなら半分に包丁しておく。
2 大きなお鍋にグラグラとお湯を沸かす。お塩ひとつまみ。一度に豆を投入。豆は意外に火が入るのに時間がかかる。中火で10分くらい。やわらかくなったところで(食べてみれば分ります。)ざあっと笊にあける。煮汁は捨て、よく水気を切る。
3 フライパンでベーコンを炒める。(オイルは要らない)すぐに玉葱を加え、すこし焦げ色がつくまで炒める。にんにくスライスを一緒にいためても風味が増す。
4 深い鍋か、大きなキャセロールを弱火にかけ、2と3をいれて混ぜ合わせる。あたたまったらバターを大匙1くらい、グリンピースの上にちょんちょんと乗せ、木のフォークとスプーンで混ぜる。お塩は要りません。

じゃがいも1キロ、人参一本を一口大に切り、一緒にゆでて混ぜてもボリュームがでる。塩コショウした豚ヒレ肉をベーコンと共に炒めても。

献立は勿論豆ご飯。(すこしシツコイか。)胡瓜と若芽のサラダ、鰹のたたき。
ワインは赤でも白でも。ロゼでも。

ベル・ジャルデニェ―ル2


『スペインの庭師』(クローニン)という小説も浮かんできますね。おそろしいような父性のドラマでした・・・。

グリーンピース深皿に盛り春の巫女  四ッ谷龍

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