歳時記

                        saison de karo  117



                               欺かぬ野ばらのが浮かびたる こうのこうき 


                         1351616965.jpg


             imgp2467l.jpg

                

                           きな国と、それよりはすこしさな国とが隣り合っていました。
                           
                           当座、その二つの国の間には、

                           なにごとも起こらずでありました。

                           ここは都から遠いであります。

                                                          小川未明 『』   


                  imagesWA0W6EOH.jpg

                                                c05604.jpg

                                        

                        そこには両方の国から、ただ一人ずつのが派遣されて、

                              国境を定めたを守っていました。


                                  
                                   imagesYEQI5QN1.jpg


                           大きな国の兵士はでありました。

                          そうして、小さな国の兵士はでありました。

                                                  
                                               images.jpg

              驥弱・繧会シ棒convert_20150409194820
                  

                            始め、二人はろくろく物も言いませんでしたけれど、

                                いつしかしになってしまいました。

                                    他に話をする相手もなく退屈であったからであります。    

                               showPhoto.jpg  
                                                                                                                        
                                   国境には、一株のがしげっていました。

                                                早くからみつばちが飛んで来ました。

                                                             1012b.jpg                                               
                                            
                              のどかな昼ごろ、二人は向かい合って将棋を差していました。

                                      
                              img_5348syuku.jpg                                                   

                                             青年も老人も、いたっていい人でありました。

                                       はこずえの上で鳴いていました。

                              いばらの花からは、よいりを送ってきました。


                                       野ばら5

                                                               DSC_1764_convert_20150408170906.jpg


                    はやはりその国にもあったのです。
 
                         寒くなると、老人はの方を恋しがりました。

                              「早くひまをもらいたいものだ。」 老人は云いました。 


                    sim.jpg
                                                

                    「あなたがおりになれば、知らぬ人が代わりに来るでしょう。

                            どうか、もうしばらくいてください。そのうちにが来ます。」 青年は云いました。

                               野ばら2

                         やがてが来ました。その頃、二つの国は何かの利益問題からを始めました。

                               二人はの間柄になったのです。

                         それは、いかにも不思議なことに思われました。


                                      20150308_806304.jpg
                  
  
                            「さあ、お前さんとわたしは今日からどうしになったのだ。

                        わたしはこんなに老いぼれていても少佐だから、

                    私の首をもってゆけば、あなたは出世できる・・・。」 老人は云いました。
                                                    

                 img58818957.jpg

                                                 はあきれた顔をして、

                                           「何を云われますか。

                                     どうしてあなたとわたしがどうしでしょう。

                             わたしのは、ほかになければなりません。・・・」


                                    青年は云い残して、ってしまいました。

                                                   野ばら11

                                        はただ一人取り残されました。
 
                             の花が咲いて、みつばちが群がっています。

                        老人は青年の身をじていました。

                                        野ばら9

                                                野ばら01

                        
                              ある日のこと、そこをが通りました。
 
                          老人は戦争についてたずねました。

                    旅人は、小さな国が負けて、その国のは皆殺しになって、

                          戦争はわったことを告げました。

                                               images5B072IXP.jpg


                        老人は、それならも死んだのではないかと思いました。

                         そんなことを気にかけながら、石碑の礎に腰をかけて、うつむいていますと、                         


                     3L1BBl-388x242.jpg

                         かなたから、おおぜいの人の来る気配がしました。


                      見ると、の軍隊でありました。

                    馬に乗ってそれをするのは、かのでありました。


                                         野ばら1

                                           


               野ばら4


               やがて、老人の前を通るときに、青年はをして、のにおいをかいだのであります。

                  か云おうとすると、老人は目が覚めました・・・。

                                                      『
                    
                             imagesSRI72J4X - コピー
                                                                                        
                                            
               
スポンサーサイト

ADD COMMNET

title:

name:

mail:

url:

comment:

password:

TRAKBACK URL

RECEVED TRAKBACKS