カロ歳時記 saison de karo 83



                   十三夜少女しずかに血を流す    出口善子



      とうろう3





           の明るそうな宵を選んで、私は慈子と庭へ下り、石灯籠にを入れていった。

           茶室の前、

           細長い灯石に四角く小窓をくりぬいた所へも静かなをともした。



                                              秦恒平  『慈子』




                                           とうろう2





                                  しらたま


         
     
         ガラスの小鉢に白玉を盛って生砂糖をふりかけた簡素な月見の菓子を慈子は運んできた。

         つやつやぬれた真白な白玉の小団子の一つ一つに

         もう月明り がきれいに光っていた。




            ねこと少女三谷十糸子1





                 その頃稽古中だった手前で、慈子は茶を点てた。
 
                                     小振りなの茶碗だった。






                   とうろう7






          あの時、慈子は五年生だった。

          まだ手も小さかった。

          ふさふさした髪が小さく傾ぎ、ちょっと肩を張って、

          茶筅を振るあの湯水の響きも軽やかだった。袱紗が大きく見えた。



          絣の着物の小さい尻が白足袋からそっと離れて浮いた。




                                               『慈子』

 


      とうろう6





               慈子の首がかすかに動いた。

               身を起して慈子は私を見据えた。

               後髪はやわらかにふくらんで、らんだ耳へほつれ毛が揺れ揺れかぶっていた。


                                                      『慈子』




                  とうろう4




                                   出口善子  1939~

                                                  句作は潔い




                            女寝て月光敷居まで許す

                                      月蝕の一人は水を見ていたり

                                                     善子
                  



              とうろう1




                       とうろう5

     

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