Chat du mois 今月の


          月のねこ  chat mars


                    ちらちらと陽炎立ちぬ猫の塚    夏目漱石



                  ねこ老2

 
    
                   早稲田へ移ってから、が段々せてきた。

                   日が当たると縁側に寝ている。

                   味がかった色いを、ぼんやりひとところに落ちつけているのみである。

                   長い尻尾の毛が抜けてきた。

                                                            夏目漱石 『の墓』




                                            ねこ老5

                               
                                                   用キャットフード



                       おい、がどうかしたようだな、と言うと、

                           そうですね、やっぱり年をとったせいでしょうと、は至極である。

                               自分もそのままにしてっておいた。


                              ねこ老1
                           

                       ある、彼はの寝る夜具の裾に腹ばいになっていたが、

                         やがてうなり声をあげた。



                                        ねこの墓3

                                


                       はよく寝ている。

                          は針仕事に余念がなかった。



                 ねこ老4


                                   しばらくするとまたがうなった。

                                      は漸く針の手をやめた。

                                          は折々うなっていた。



                      ねこ老3




                       日は囲炉裏の縁に乗ったなり、一日うなっていた。

                       薬缶を取ったりするのが気味悪い様であった。
  
                       が、夜になるとのことは自分もも忘れてしまった。


                                  ねこの墓2                        


                              の死んだのは、まさにそのである。


                                   ねこ おちあい



                        は出入りの車夫を呼んで、四角なを買ってきて、

                         何か書いて遣ってくださいと言う。

                   自分はに「の墓」と書いて、に「この下に起るあらん」と認めた。




              しろつめくさ2

         
                                ねこ老8

   

         子供はの左右に硝子の瓶を二つ活けて、を挿した。

                          茶碗にを汲んで墓の前に置いた。


                          ねこ老7 清宮質文


                夕方、四つになるが、(自分はこの時書斎のから見ていた。)

                  たった一人の前へ来て、しばらく白木の棒を見ていたが、
 
                やがて手に持ったおもちゃの杓子を卸して

                  に供えた茶碗のをしゃくって飲んだ。



                              しろつめくさ1
                       

   
         には、きっと妻が一切れの鮭と、鰹節をかけた一杯の飯をの前に供える。

         ただ、この頃は、庭まで持って出ずに、

         大抵は茶の間の箪笥の上へ乗せて置くようである。

                                                        夏目漱石 『の墓』

   

                                   
 
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