Goulue de karo カロ食彩 1

オムレツを焼こう。

On ne fait pas des omelettes sans casser des Œufs. 
卵を割らずにオムレツはつくれない。(犠牲を払わずに、何事もできはしない。)

プレーンプレーンオムレツ


「『今夜はオムレツよ。』
私は調理台の横におあずけをさせられた犬のように座った。台所は一坪もあったかしら。せまくて、中庭に向かった窓があいて、流しや食器棚や、ガスこんろのおいてある細長いテーブルがある。私たちは、いつも、この細長いテーブルの片隅で、食事するのだった。」
石井好子著『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』より。

Sous le ciel de Paris Ça sent bon des omelettes.
『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』
勿論、ジュリアン・デュビビエの映画
Sous le ciel de Paris coule La Seinu.
『パリの空の下セーヌは流れる』をもとにした題名。

時は1950年代。シャンソン歌手の石井好子は単身渡仏、パリのモンマルトルにある劇場で唄い始めた。彼女は、白系ロシア人カメンスキ―夫人のアパルトマンに身を寄せる。夫人は、料理が上手かった。

 「この粗末なアパートは、セーヌの左岸でエッフェル塔に近かった。かれこれ十四,五世帯が住んでいたろうか。その大部分は亡命ロシア人だった。
  四階に住むひとは、夕暮れになるとギターを弾いて、低い声でロシアの歌をうたった。」
 「オムレツは強い火で作らなくてはならない。熱したバタにそそがれた卵は、強い火で底のほうからどんどん焼けてくる。それをフォークで手ばやく中央にむけて、前後左右にむけて、やわらかい卵のヒダを作り、なま卵の色がなくなって全体がうすい黄色の半熟になったところで、片面をくるりとかえして、火を消し、余熱でもう一度ひっくりかえして反面を焼いて形をととのえたら出来上がる。『おいしいな』。オムレツって何ておいしいものだろうとおもった。」(同書より)

美味しそうな文章。これは正統派プレーンオムレツの作り方だが、他にも、オムレツ・オ・フロマージュ(チーズ入り)、オムレツ・オ・フィンゼルブ(細葱入りオムレツ)、オムレツ・オ・パルマンティエ(ジャガイモ入りオムレツ)等々・・・。フランスの家庭料理があたたかい筆致で描写されているエッセイは、「マダム・カメンスキーのオムレツ」で幕を開ける。

オムレツは楽しい。あっという間に出来る。なんでも放りこめる。短時間で調理するのだから、中に入れる具材は、よく火が通っていることが肝心。残り物は最適。肉じゃが、ミートソース、ステーキの切れ端、酢豚、焼きそば、ポテトサラダ、そしてご飯。何でも入れよう。細かく刻んでも、どかんと入れても、それなりに、セ・ボン。卵はひとの良い友人のように素材を包みこんでくれる。

カロ風オムレツ omelette de Karo の作り方。
ひとり分の材料 卵2個 茄子2個 玉葱半個 トマト1個 ハム2,3枚 ベーコン1枚 バタ オイル 塩 コショウ 生クリーム ミルク、チーズ

1 ラタトゥイユを作る。茄子、玉葱は粗く切る。トマトはざく切り(皮は剥く。種はそのまま)、ハムは1まいを2,3等分に。ベーコンは細かく刻む。フライパンにオイルを敷き、ベーコンと玉葱を炒める。ベーコンの油がよくでたら、茄子を加え、しんなりするまで炒める。トマトとハムを加え、コショウを振って、弱火にし、蓋をする。トマトの酸味があるので塩は入れない。水分が出て、柔らかくなるまで煮込む。(3,4人分一緒に作るのがやり易い。)
2 卵を割ってよく混ぜる。塩、コショウ(少々)を振る。あれば、生クリームかミルクも入れると丸みのある味に。ここに、ラタトゥイユをざっくりと混ぜ込む。(焼く前に)味の素を少し加えても可。卵には味の素が良く効く。
3 フライパンをキッチンぺ―パーでしっかり拭き、強火にかける。バタを引く。すぐに2の卵を投入。焼き方は上記の引用をごらんあれ。「全体がうすい黄色の半熟になったところで」、片面をひっくり返す前にチーズを入れる。グリュイエルチーズでも、チェダ―でも。(冷蔵庫から出したばかりのチーズなら、2の卵に混ぜておく。)お醤油をほんのひとたらし。もういちど返して完成。

オムレツは白ワインとピッタリ。ほうれん草のお浸し、コールスロー、ガーリックトーストなども合う。

ついでに、『・・オムレツのにおいは流れる』に登場するガーリックトーストの作り方も。
食パンは厚切りでも薄切りでも。厚切りならほっくり、薄切ならパリッとする。フランスパンは縦に切った方が作り易いし味も沁みる。
1 バタ大匙1は、冷蔵庫からだしてやわらかくしておく。
2 ニンニク一片をすりおろす。これをバタと練り合わせる。(ここにもお醤油を2,3滴、がカロ風。)これでトースト4枚分。
3 2をパンにたっぷり塗って、オーブンかトースターで焼く。これ一品にワインも素敵な軽食。

   浪漫派に黄卵二つ進ぜん乎   清水径子 



白ワイン




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