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 tubame2 (3)oosyou さんこんにちは 
        Bonjour Monsieur. 
          
                            いなるやはらかきを好みけり  正岡子規
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                     子規さま どうぞ。 けっこう大きくてやわらかです。                      
        19862-300x300_LIkore.jpg  子規と柿、といえば、法隆寺の句ですけれど・・・。

    彼は他にも柿の句を作っています。例えば、これなんかも良いのではないでしょうか?

       風呂敷をほどけばのころげゝり
               門人たちはよく柿をお土産にくれました。

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                                     柿はころころ、子規はにこにこ。
                                                       
                やあら壁つづく奈良の町
                        あの句を詠んだ旅の一日か。  

       くふて腹痛み出す旅籠かな
                  腹痛の原因はおそらく食べすぎ。
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          黄菊白菊赤くして渋し
                      黄、白、赤。 そして柿の渋さ。 視覚から味覚へ急展開。

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  句を閲すラムプの下や二つ
                 好きな句を読みながら柿の存在確認。 

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    の光は静かに更けていった。 

  ときどき上野の森に反響して轟き過ぎる汽車の音があるばかりで、根岸の夜は沈んだように淋しかった。 

              彼の淋しい家庭には老母と妹とがあるばかりであった。


二人は次の間の暗いの下で、病室の物音に耳をそばだてながら、おのおの黙って針を運んでいた。
  
    やがて妹は膝の糸くずをはらって立ち上がった。それは彼の枕もとに、盆にのせた
を運ぶためであった。

          もうこれきりかい。 彼はながし目にその盆のを見ながら聞いた。

                    昨日あんなにお食べたからもうこれきりよ。 妹は答えた。

            盆の上にはただ二つの柿のほか、載ってはいなかった。


                      高浜虚子 『二つ』

           小説『柿二つ」は、子規の最後の数年を虚子の目で追ったもの。

               記述の中には、子規と虚子、お互いの親愛と競争心も吐露されて興味深く、

       ふたつのには、子規と虚子が投影されているようです。

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       くふも今年ばかりと思ひけり 子規 
         死の前年の句。 どんな味だったのか、寂しくも、やっぱり美味しかったことでしょう。
                                          
              我死にし後は
      喰ひの俳句好みしと伝ふべし
                  子規さま その通りになりました。

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    1899年 32才の子規。 静かな表情。わたしはこのピンボケの子規が好き。

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                    こちらもすこしピンボケの若き虚子。子規を看取ったころ。
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        子規のは散逸したものも多く、残念ながら、柿の絵は残っていません。でも、
        
                自ら自らの手を写して
                 樽柿をるところを写生かな
             なんて句もあるので、もしかしたら、どこかから現れるかも知れませんね。

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             柿を描いていたとしたら、こんな感じでは?  セザンヌの林檎水彩画。

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              玄関の障子を開けて座敷に入ると、そこには、その日看病の当直の俳人と、

              老母と妹とが、彼の病床近く座っていたが、皆無言のまま、K(虚子)を迎えた。

              Nさん(子規の本名升のぼる)苦しいかな。 Kはすこし身を前に出して聞いた。

              彼は答えなかった。唯涙が滝のように流れた。


                              子規命終ちかく。 『ふたつ』

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     里ふりての木もたぬ家もなし  松尾芭蕉
                       夏は若葉、秋は果実。冬はふたたびの春を待ち。

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              二つおけば一つに影のなく  山口青邨
                   ふたりでいれば、ひとりは影を失くすということでしょうか。
                       ここにも子規と虚子を感じますね。
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                      子規にありし短気と根気ふたつ 大串章
                  短気は渋く、根気は甘い? それとも反対か。

    紅しいつまで病みて母泣かす  古賀まり子
                   こちらの紅はせつない色。 古賀まり子は闘病の長かった人。   

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     盗まれて尼寺の減りゆけり  津田清子
               尼さんたちのご意見 柿は仏様のもの、みんなで分けましょう。
                             本音 採るな!

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   熟れてこの世のものと思はれぬ  岡井省二
                     岡井さんも柿が大好きだったようです。

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      味はひを何にたとへん形さへ濃きくれなゐの玉のごとき 子規 
                         なんとなく、女性のことみたいですね。 
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                           大きい柿も、小さい柿も、子規は大好き。      

                 いなるやはらかきを好みけり  正岡子規

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                柿を食べ終わると、もそろそろ終盤。

        秋をすその秋まさに行かんとす 子規
                   柿を愛すその柿まさに食わんとす  失礼しました。 カロ 

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           tubame2 (3)oosyou さん、ではまたね。   

       みなさん、うがいと洗いをね。  カロ
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     歳時記
          saison de karo 

                        身辺やばかりやたら落つ 安住敦

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              落ちているのを見ると、つい拾う。そして、つい並べたくなります。   
         022-thumb-160x160-22.jpg  どんぐりがちて秋が深くなりました。  00835-300x225 (2)syou 00835-300x225 (7)

           子供のころ、大人になってからも、ときどき、拾ってポケットに入れました。 

      どんぐりが落ちることは、ぎること。 ふっと気付くと、時間はもうざかっています。 

           いつの間にか、ポケットからなくなっていたどんぐりみたいに。

                (1907~1988)は二十世紀を生きた俳人。

         若き日は主宰の先進誌『』に拠り、俳句の可能性を追求する姿勢を見せました。

        後年は久保田万太郎の『』をささえ、おだやかで芯のある句を詠み継ぎます。

  少年期、学業優秀でしたが、父の事業の失敗に合い、辛い出来事も多いでした。
             
                 啄木忌職を替へてもや 敦
                   夭折の詩人啄木。 彼も病苦と不運を負いました。

    ひとところ 畳を見つめてありし間の その思ひを よ 語れといふか 石川啄木
              労苦を共にした奥さんを詠う。
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                                       石川啄木 1886~1912
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       友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て としたしむ 啄木
                           奥さんの傍に帰ってゆきます。花を持って。
     
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            安住敦 煙草は控えめに、と言いたいところ。でも、さすがに決まった喫煙ポーズ。

        『旗艦』初期には、こんな句も。

                    あきかぜがかなしとをならしてゐる 敦
                  秋風が悲しと指を鳴らしてゐる  指を鳴らすのは誰でしょう?
                       IMG_3181 (2)                     
                            あきかぜがかなしとをしめてゐる
                                  秋風が悲しと帯を締めてゐる

              を悲しむのは俳人の奥さん。 やがて、彼女は秋風そのものになってゆきます。
                    
   あきかぜがかなしとをたたいてゐる
               秋風が悲しとパフをたたいてゐる

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                  秋さめのあかいでかへつてくる
                                 秋雨の赤い素足で帰つてくる

                         妻かなし一瓶のぬすみかへれり
                                  本当にかなしい。そしていじらしい。
                  
             生活のためか、奥さんがカフェーに勤め、帰りをさみしくつ日々もあったようです。 

                       てる夜の妬心に堪へて妻を待つ
                                 なんとも正直です。
 
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          やがて、お子さんにもまれ、暮らしも安定します。

               後期の厚実な句風への変化は、人生のによりそったものでした。 

    俳人は議論を好みませんでした。 じっくりと句をわい、句作には理よりもが効いていました。

       ことに、奥さんを詠う句には、愛着とが溢れています。 
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                         わたしの好きな愛妻句です。

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                           町に出づを焚くは妻に委ね
                いまごろ奥さんは焚火で焼き芋か・・・。  
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         鳥雲に人みなを遺し死す
                妻へ一期をゆだねる愛と諦念の句。

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              木の実拾ひて老妻にもやれず
                        さしあげれば? きっとよろこばれます。
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                     火事とほし妻がに寝がへりぬ
                 私小説のよう。
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       春深し妻と愁ひをにして
                    愁いは異に、幸いは同じくして。 
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             花冷えの妻を距してかな
                       襖をへだてて、奥さんを詠む。

                           🌸 🌸 🌸 🌸 🌸

        妻よ起きよ朝のがとどきたり
                 ミルクはやさしい味でしょう。
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      身辺やばかりやたら落つ 安住敦                     
                   こつん、ころん、それもしい賑わいの秋。

       夜分はえるようになりましたね。 みなさん、お風邪めしませんように。  カロ 

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