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     の一冊
         livre de karo

                      空耳に返事などして新た 中西夕紀
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                          の中で、誰かが呼ぶ声が聞こえます。
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          西さんの句集「」をお贈りいただきました。

  やさしさとなつかしさ、そして、洗練された言葉の調べに惹かれました。                 
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    駅に買ふにいまだ日のぬくみ
                    トマトは日向の草の味。

             置く皿のの二重に秋深し
                      ふたつの影は存在のうらおもて。

                    ねこじやらし抜いてまた明日 
                            今日と明日の真中に一本のねこじゃらし。

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   夕紀さんの言葉は、わたしたちの先を歩いた女性たちにも通います。

                宇野千代を見習ひたし           
          恋数多して長生きのかな  夕紀

            「おはん」などの作品で知名な作家(1897~1996)は、恋に散文に、

                           長い人生をチャレンジし続けた先駆的女流でした。

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                         宇野千代
                         
 さらに、〈〉から想起されるのは、はるかにい時代。

             能の『』は、都へ上って長年帰らない夫を待つ妻の嘆きを描いた演目。

            秋の夜、布をやわらげるためにをうつ姿に悲しみがこもります。        
                   
菱田春草
                                       「砧」  菱田春草

    の色、風の景色、影おく霜までも、

         の音、夜嵐、悲しみの虫の音、交じりて落つる露なみだ、

              ほろほろはらはらはらと、 いづれ砧の音ならん

                             『砧』 世阿弥

             (女性)と(男性)は、どちらも明治初頭の生まれ。 

     勃興期の日本画壇で、ほぼ同時期に活躍しました。 松園は美人画、春草は風景画にすぐれています。

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                             足元に白布 「砧」 上村松園

          ふたりの「砧」も、それぞれの良所があらわれた名作と思います。

                 春草の「砧」は、芒野に溶け込んだ妻女がさみしく、いじらしい。

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         松園の「砧」は、静かに、しかし、凛と立つ女性像。 彼女は、夫にいをはせながら、

           自分自身の心のをのぞき込んでいるようですね。

      夕紀句の女性は、に恋をして長い命を生きる豊穣な存在。

              やっぱり女流、松園の方に近いでしょうか。                

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                            「序の舞」 上村松園
 
          序の舞といふ絵に戻りみけり
              こちらも松園円熟期の名作「序の舞」は若々しく毅然として。

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       鹿の声山よりすればを消しぬ 
                  蝋燭、行灯をともした頃に生きたひとの言葉か。 エロスもすこし。

      奥山にふみわけ鳴く鹿の声聞くときぞ秋はかなしき  猿丸太夫

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                   光琳百人一首画帖  こゑきくときぞ秋はかなしき
     
       しい句、機転の良い句も。 作品は多彩です。

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        ぶら下げて遍路の荷沢山
                     遍路とはいえ、女性にはいろいろと持つものがあって・・・。  

           5d68a6f77346d620dd5f7f185c8e3d5b_t.jpeg  のまこと愛車にしたき色
                                   近くの駐車場にも一台。
     IMG_5679.jpg                                  作者 酒井抱一秋草鶉図 (2)
                           酒井抱一 「秋草鶉図」
                      
     こほろぎやまつに焼ける鉄五寸
                  はかないこおろぎと五寸釘。 いのちの熱さをを感じさせてくれる句。

           火に対ふとあり秋の昼
         しづけさ、秋、昼。 遣いならされてきた言葉に夕紀さんがふきこむ火のいのち。

              豆腐煮る来し鴨と
                 日常が奏でる古典。 それにしても美味しそう!    

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           今にして母の豪胆のマント 
                         女性の本質の色、くれなゐは母を彩ります。

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      空耳に返事などして新た
                  ふっと、誰かが呼んだような気がして、振り返ると、誰もいない。

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          日の没りし後の冬の山 
                      いちばん濃い紅色は、日が暮れてからやってくる!

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                    夕紀さま 光りかがやくのことば、

                                ありがとうございました!   カロ

                                    枯葉

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 tubame2 (3)oosyouさんこんにちは 
        Bonjour Monsieur.H
     
                             夏痩せて喰ふ男かな   正岡子規  
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                                      食欲増進 梅干しアップ。

                梅干のもよわる暑さかな 子規  
                   梅干しも子規もすっかり夏負け。           

             の子規。             
     
          両肺の病は重く、併発したカリエスは悪化、食欲のでる状態とは思えませんが・・。

              文業の行く先も気にはなるものの、日々、なにより先に子規が考えていたのは、

                今晩ののこと。

                    まだ若く、他にしみもなかったこともありますけれど、

                        とりあえず、超食いしん坊であったことだけはか!です。
           
        1901年(明治34年)、残暑もきびしい日。 子規はからよく食べます。
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                          蔓草 子規画
          
          粥4椀 はぜの佃煮 梅干し(砂糖つけ) 
          粥4椀 鰹のさしみ一人前 南瓜一皿 佃煮 食後梨二つ  nashisyou.jpg  nashisyou.jpg

         2時過ぎ牛乳一合 ココア交ぜて  煎餅菓子パンなど十個ばかり
          奈良茶飯4椀 なまり節(煮て、少し生にても) 茄子一皿  食後梨一つ  nashisyou.jpg

           この頃食いすぎて食後いつも吐きかえす。

    服薬はクレオソート昼飯晩飯後各三粒  水薬 健胃剤          正岡子規  『仰臥漫録』

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                        お腹いっぱい。でも、まだ食べたい。  子規自画像

           晩年になればなるほど、日記の「」は綿密になってゆきます。

             朝昼晩おかゆやら茶飯やら4杯ずつ、つまり一日杯。   
 sakana.png なまり節は煮ても食べ、生で食べればどんな味か、ちょっと試食。  sakana.png

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        なまりではなく、ブリの煮物。 マークン(わたしのだんなさま)の夏負け防止。

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    おやつは煎餅にパンく十個。 梨も一日合計3個。  

          子規は子どものころからが好き。 食べ物は大事な画材となりました。
  
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        パンも克明にスケッチ、のち完食。
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    描いては食べ、食べ過ぎては胃薬を飲み、飲んでは食べ・・・。 

             病と暑さの果て、やけっぱち?の大食いはとどまるところを知らず。

                                   キャンディk   
           飯が食える間の長からざるを思い、

          今の内にうまい物でも食いたいというしきりに起こりしかど、

          突飛なごちそうは家の者にも命じかねる次第、月々の小遣い銭にわかに欲しくなり、

            種々考をこらししも、書物を売るより他に道なく、さりとて売るほどの書物もなし。

      考えた末、より二十円借りることとなり・・・。
                                  『仰臥漫録』
     saihu.jpg    美味しいものを食べるため、虚子に借金。 虚子も大変でしたネ。

                  🍉 🍉 🍉 🍉 🍉 🍉 🍉 🍉

             『二六』にある楽天の紀行を見ると、毎日西を食うておる。

                   うらやましいのなんの・・・。
                                       『仰臥漫録』
                            images4Q7VZYKY (2)

                       は新聞記者。 俳句もよくしました。

                 当時の新聞「二六新報」に連載された楽天の紀行文には、

                      旅先で毎日西瓜を食べているらしく、

                         「西瓜一切・・銭」の記述があったようです。

            子規も旅行、そして西瓜のがしたかったのでしょう! やっぱりくいしんぼ!

                ものもはで喰ひついたる西瓜かな  子規 1898
                         🍉 🍉 🍉

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                                子規さま  西瓜冷えてます。カロ
      
 100-300x300syou.jpg  かぼちゃより茄子むづかしきかな 子規 4086-300x300 (3)

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                      むづかしい茄子、でも、なかなか上手です。 

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                           こちらはさくらんぼ。 かわいい。

        夏なおる、という方もいらっしゃるようですが、夏痩せの句をいくつか・・・。    

                夏痩せての通らぬことを言ふ 柴田佐知子
                      こんな女性、ワガママですが魅力的。

       五月1

               夏痩せて少年のゐるを過ぐ 能村登四郎 
                          小説のワンシーンのようです。

                      20180929145657042732_988cd6eca65000bbadc40a1764b60a65.jpg
夏痩せと思ふジヤコメツテイーの像  遠藤睦子
               極限までひきのばされて・・・。        
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                    ジャコメッティのアトリエ  撮影矢内原伊作

                       夏痩せのと聞けば恐ろしき 子規 

                    夏痩せのにとどまるかな 

             夏痩せて喰ふ男かな 
               子規夏痩せ三句でした。    
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                  毎食4杯のおかゆ、茶飯を食べたな晩夏の一年後、  

                        子規は実り多くも短い一生をえます。

                               もっと食べさせてあげたかったけれど・・・。
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                 糸瓜三句の直前に作ったとされるのは、

          病む人が老いての 
                      誰のこと? 秋茄子はつやめいて美味しそうです。  

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                                   空はだんだんに。      
        tubame2 (3)oosyou  さん、ではまたね。     
                            tubame2 (2)oosyou
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