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   tubame2 (3)oosyou さんこんにちは 
            Bonjour Monsieur. H

                   たれこめて散ることも知らざりき  正岡子規   
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                                               横浜某所。 

           根岸の子規の庭には、ささやかな薔薇の茂みがありました。

    わが庭の垣根に生ふる薔薇の芽の ふくれて夏は来にけり  子規   

    1897年、(明治30年)、前年のカリエスの手術後、容態は思わしくありません。     

    春、意識の混濁もあり、重篤な状態に。 なんとか持ち直したころ、庭の薔薇は散っていました。 

  薔薇の咲く時も、散る時も、命の瀬戸際にいた子規。 気がつけば、もう

       薔薇と出会うことのなかった淋しさ、そして、命を保つことのできた安堵。

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                ご近所でを丹精されているお宅。

     毎年楽しみにしています。 麦わら帽子の奥さんも声をかけてくださったりして。

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                                     去年の薔薇

         今年はお庭近くに寄ることもすこしためらわれ、奥さんとも目礼をかわすだけ。

            そのうちに、薔薇は盛りをぎました。    

                         たれこめて散ることも知らざりき

                          まるで、わたしの初夏の状況そのまま。

                     同じような気持ちで過ごされた方も多かったのではないでしょうか。

            来年はもっと近くで見たい。今年は残念!と思っていた矢先、

                    パン屋さんの帰り、ちょっと脇道へ入ってみたところ、、なんと!
                
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       薔薇、薔薇、。 道の一画にあふれだすように満開。  

         どうも空き家みたい。 鉄柵も錆びて、奥の建屋は崩れそうです。 

              薔薇崩ることの起る前  橋本多佳子
                    薔薇の句といえば! 中学生の時読んでドキドキしました。
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   ほしいままといふ人言はさもあらばあれ 深き薔薇を愛でつも  斎藤茂吉

               誰も住まない家と庭に、まさにほしいまま! 縦横に伸びた枝葉と花。 

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                                    秘密の花園っぽい。

       開ききった花。 開こうとしている花。 萎れつつある花。 い紅色がむせかえるようですが、

                  香りは、通り抜ける風に流されて、さわやかなさでした。

          辺りには人通りもなく、薔薇はわたしがやって来るのをっていてくれたみたい!!

                        を抱えたまま陶然としてしまいました。

                       ちなみに、パンは直ぐに食べてしまったので写真なし。

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      薔薇深く聞ゆる薄月夜 子規

               子規の薔薇句には、どこか、女性へのれが感じられますね。   
 
                               とげし葉し薔薇の枝若し  
       
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                   学生服姿も若々しいころ。
                   ちょっと気になるのは髪型の不自然さ!? 微妙に薄かった?
                             
           咲の薔薇赤うしてり易き   
                     横浜の薔薇は結構長持ちよ!   

                薔薇の花と呼ぶは妹なり
                          ↓  わたしも、この花を勝手にマリーと命名。

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                         並びのマンションの植え込みには、こんな薔薇も。 

                          病癒えて力無き手や薔薇を折る  子規
                    1900年初夏。 この年は薔薇とうことができたようです。
   
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              tubame2 (3)oo  今年の薔薇はれられない薔薇でした。 

                   さん ではまたね。  カロ  

                    うがい、手洗い、忘れずに、ね。   🌹        
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     歳時記
         saison de karo 

                     ガラス箱の魚族となる地下街   飯塚明子

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                             清宮質文展  「瓶の中の魚」 横須賀美術館  

      の木版画を見ていると、なぜか懐かしい気持ちになってくる。

     それはちょうど夢の中でする経験に似ている。 夢の中で私たちは、懐かしい場所に立ち、

        よく見知った人に会うが、それがどこで、だれであるのかと問われても答えられない。

                             杳沢耕介    「清宮質文 理性との相克」

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                                     清宮質文 「夕日と猫」 
   常識を越えたもの、なものが、

     そこから感じられない絵はつまらない。   清宮質文

      清宮質文 なおぶみ 2013年脇田美術館のポスターより1917-91
         清宮質文(せいみやなおぶみ)1917~91 
           
                         版画家清宮質文の生誕90年を記念した展覧会

    「生誕90年 木版画の詩人 」は、静かで深いその仕事の全貌を追ったものでした。

          彼の作品にはが多いのですが、 会場では、そのひとつひとつに、

                 顔を近づけてじっと見入る人たちの様子が、とても印象的でした。

            その人たちは、ふるさとのかしい場所を見つめ、同時に、都会の孤独な場所、
 
                人間の置かれた場所を見ているようでもありました。
                
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                                   「九月の海辺」
       だった少女と、人間になりたい魚と。

              雲ひとすじぼねに稚魚ひそみ  橋閒石
                、魚だったこと、人間は時々思い出す。             
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               本州の北端の山脈は、ぼんじゅ山脈というのである。

        滝壺は三方が高い絶壁で、西側の一面だけが狭くひらいて、谷川が岩を噛みつつ流れ出ていた。

                      絶壁はのしぶきでいつも濡れていた。

        山には炭焼小屋が十いくつある。 滝の傍にもひとつあった。

    此の小屋は他の小屋と余程はなれて建てられていた。 小屋の人がちがう土地のものであったからである。

 女の子はその小屋の娘であって、という名前である。父親とふたりで年中そこへ寝起しているのであった。

                                   太宰治 「魚服記」

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                  「火を運ぶ女」  
                                                                                             
       太宰治の「」は、山間の秘境で暮らす少女が、

                           雪の日、滝壺にを投げて、魚になる物語。

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           父親は四五日置きに炭を脊負って村へ売りに出た。 スワは一日じゅう小屋へこもっていた。

  になると風がやんでしんしんと寒くなった。こんな妙に静かな晩には山できっと不思議が起るのである。   

     父親を待ちわびたスワは、わらぶとんを着て炉ばたへ寝てしまった。

             ときどきそっと入口のむしろをあけて覗き見するものがあるのだ。

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                                              「眠り」  

 が覗いているのだ、と思って、じっと眠ったふりをしていた。

     白いもののちらちら入口の土間へ舞いこんで来るのがえのこりの焚火のあかりでおぼろに見えた。

     だ! ものもわからず外へはしって出た。 ! みるみる髪も着物もまっしろになった。

           の音がだんだんと大きく聞えて来た。ずんずん歩いた。ほとんど足の真下で滝の音がした。
 
                    「!」とひくく言って飛び込んだ。

            気がつくとあたりは薄暗いのだ。 ははあ、水のだな。

               もう小屋へ帰れないのだ、とひとりごとを言って口ひげを大きくうごかした。
                                 
                                  IMG_0445 (2)              
    鮒はのちかくの淵をあちこちと泳ぎまわった。 胸鰭をぴらぴらさせて水面へ浮んで来たかと思うと、

        つと尾鰭をつよく振って底深くもぐりこんだ。 それから鮒はじっとうごかなくなった。 

                    なにか考えているらしかった。  しばらくそうしていた。 

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         やがてからだをくねらせながらまっすぐにへむかって行った。

              たちまち、くるくると木の葉のように吸いこまれた。

                                  太宰治 「魚服記」
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   「魚服記」は、かれていないことの重要さを、考えさせられるお話です。 
 
                         清宮作品にも、描かれていない何かを感じます。
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                          「パンドラの箱」

        わたしはただ絵の中に空気を求めている。 く澄んだ、無限に深い・・・。     

                                     清宮質文  「雑記帳」

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                            「泳ぐひと」
                           
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                                            「月と運河」

              暁のさぐりにゆくといふ   中田剛 
                   鯰は。 

                  人間になりそこねたるかな  佐藤鬼房
       比目魚は。 人間よりも人間っぽい・・・。  
                       
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                          「小箱」

        理性の最後のは、理性を越えるところにある。  パスカル

                          清宮の雑記帳に書かれていた言葉。

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                  底にもの入口ある五月   清水径子
          湖と森、はつながっています。

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                                     「山上の湖」

                         の海碧すぎる貝になる  田中葉月 
                              六月。人間は海へりたくなる。 

                           殻貝                                                                                                                                IMG_5224.jpg

                ガラス箱の魚族となる地下街   飯塚明子
       地下街の角をまがると、がはじまる。

                   もうすぐ。  カロ
 
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