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       歳時記
              saison de karo 4

                          物やふと人のふまで夏痩せぬ  夏目漱石
                 
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           ついにやってきた。 
                         
      い日。 食欲がないといいつつ、夏痩せしては体にわるい、と食べ始めます。
  
               食べ始めると、美味しいものはやっぱり美味しい。

         いものも、塩味の効いたものも、酸っぱいものも、

       サッパリしたものも、コッテリしたものも、美味しい。

 大勢で食べても美味しい。 で食べても、これまた美味しい。

         ピカソ1
                      ピカソ青年時代の名作。 「大食いの子」

  ☆彡2小

 かった梅雨。 商店街に飾られた七夕竹も、雨にぬれていることが多かったです。  今年のから。 
                                                    
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            七夕短冊その1 飼えるといいね!  (=^・^=)    
         
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 玻璃盤にのしたゝるかな   漱石
                  胃弱だった漱石。 でもとってもくいしんぼ!

          漱石の好物は甘いもの。 ことにジャムには目がなかったとか・・・。

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                     バターとベリーのダブル

  茶の間から細君が出てきてと主人の鼻の先へ坐る。

     ちょっと と呼ぶ。  なんだ。  今月はちっと足りませんが。 足りんはずはない。 

      医者へも薬礼は済ましたし、 本屋へも先月払ったじゃないか。 今月は余らなければならん。

  それでもあなたがご飯を召し上がらんでパンをお食べになったり、をお舐めになるものですから。

   元来ジャムを幾缶舐めたのかい。 今月はつ入りましたよ。

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         八つ?  そんなに舐めたえはない。

            あなたばかりじゃありません。 子どもも舐めます。

        舐めたって五、六円くらいなものだ。

                                 夏目漱石  『吾輩は猫である』  

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                       暑・・・。 わたくしにもジャムを。 ねこ      

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            にわれはなりたや雲の峰   清水径子
           どんなに美味しいことでしょう、と思いつつ、チョットくなる。

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           野原行く少女はみんなバナナ持つ  衛藤夏子
                   にみんなのお腹のなかへ。

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       夏山のこぶあめむすび 大谷のり子
            あめ、昆布、おむすび。みんなう塩味。

          しくてしょっぱい飴とバナナ買う  横須賀洋子 
      飴とバナナ。なんだか本当に淋しい味。 
                                                       

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            七夕短冊その2 きっとなれるよ。 おばさん買いにいくからね。

    ケーキ   
 
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    雲の峰餌のごとし   岡本眸
           お昼は食べたいところ。

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             駅弁のねむたし雲の峰   彌榮浩樹
             昼はでした・・。

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        七夕短冊その3 おばさんも欲しい。
                                                                          

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       胡瓜より茄子写生かな   正岡子規
            もおいしいけれど。

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              よく揉んでまぶたの如きもみ  中西ひろ美
 たしかにあの胡瓜のかたさはのかたさ! どんなでしょう。

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                           横浜きゅうり アップ
 
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                ところてんのかれてゐる清水かな   夏目漱石
        らかな水に打たれるところてんになれば涼しいだろーな。 とりあえずご飯も食べて。 

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                七夕短冊その4 すばらしい願いごと。 さすが36歳、男性。

                 
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 しのぶれどにいでにけりわが
                     物や思ふと人の問ふまで
  平兼盛
                  恋煩いと夏痩せできた感じ。

          物やふと人のふまで夏痩せぬ  夏目漱石
              ごを!

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                お見舞い申し上げます。 よい夏を!  カロ

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        歳時記
             saison de karo 
           
                 夏帯やといふは美しく  鈴木真砂女

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                 あれは去年の夏、盆も間近かの或るのことでござりました。

       町の寄り合いのくずれで、よそのお人と二三人あのの橋の上でええ心持になって

              風に吹かれていたのでございます。 するとやら、

            い浴衣着たがすうっと私のすぐ傍をすりよって通るのでございます。

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                                臥龍橋 大正期 kamimononet

    諏訪さん15こっち                               

         この広い橋の上を人の傍を通らいでもと、そう思うて見ますと、

             れた女房のおはんでございます。 思わずあと追いそうになりながらも、

         お人の手前もござりますけに、わざと間おいていで警察の横手までいきますと、

 あとから私の来るのが分かったのでござりましょう、くらい板塀のところでっておりました。

      か、変わりないか、久しかったなあ。 と私は申しました。

         おはんは白い着て、見覚えのある手織縞のをしめておりました。

                                         宇野千代  『おはん』

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                の上でめぐりあったふたりはもと夫婦。

   宇野千代の小説『』の語り手加納屋は、愛人と妻の間をゆらゆらと行き来するたよりない男性。  

                舞台は宇野千代さんの故郷山口県です。  
            
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              臥龍橋からほど近く、同じ錦川にかかる錦帯橋。 春の美しい写真。

                                             撮影 

   おはんと加納屋との間には小学生のもありますが、

         夫は芸者さんのもとにって、妻子とはもう七八年も別れたまま。

        夫を思い続けていたおはん。 ふたりは、この再会をきっかけに、

             古道具の店の奥で、しのびうようになります。

              芸者のさんとの安逸な暮らしに慣れ切った加納屋は、 

      おかよさんときっぱりれることもできず、おはんや息子のこともにかかります。

                     夏の花 蓮

            白地着てが刻の水の音  斎藤梅子
           魔の時間は誘惑の時間、そしての時間。

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                  のひとを帰して明易き  和泉香津子
                 という哀切なことば。

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                           うつし身にきもの着るのあと  岩月通子
               白地にが映っているよう。

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         浴衣着てひににまぎれ去り   中村汀女
               こちらはの濃い浴衣か。
                                                
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      、と裏木戸のあく音がして、  お晩で、というこんまいが聞こえました。

        か、といいながらをあけてますと、ちょうど木戸のあわいから、

   河原町の堤のあたりであげてるのでございましょう、 揚げ花火のにあがって、

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 ぱちぱちとはじけたと見る間に、雨戸のそとに身を寄せて、おどおどとお高祖頭巾の紐といているおはんの姿が、

  その明るいあかりの中に、と照らしだされたのでございます。

    、というておはんは顔をかくしました。

                                              『おはん』

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                                    臥龍橋  ishike2002

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                の冷えよりも冷え浴衣  小原啄葉
                      白い浴衣にはイメージがつきまとう。

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    もう所帯をもってやりなおそうとした加納屋とおはんでしたが、            

      不幸がかさなり、悲劇的な事故で息子をったふたりは、二度と会うことがありませんでした。

    加納屋は彼に尽くしてくれるおかよのもとに戻り、

          息子の四十九日のあと、おはんは住み慣れた町をにします。

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            おはんが加納屋に残した手紙です。

  何ごともみな、さきのの約束ごとでござりますけに、

          どうぞ案じて下されますな。 忌の法事もすみましたことゆえ、

           いまはもう、ふるさとの家をはなれましてもええように思いましてなァ。

      そこと行くさきのあては申しあげませねど、私ひとり朝夕の口すぎして行きますくらい、

         何とかなるよに思いますけに、案じてくださりますな。

     して、風邪などお引きくだされますな。              おはんより。

                  旦那さままいる

                                           宇野千代 『おはん』

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    錦帯橋を望む 撮影 

    はやく母に死なれた宇野千代さん、お父さんが再婚した人は彼女と十二歳しか違わぬでした。

   継母はやさしく、千代さんをがります。

          『』のモデルはこのお母さんであるとか。

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 父の死後、を出、奔放な恋愛を繰り返した千代さんですが、いつも義母の生活を気にかけていました。、

           母も義理の娘をどこまでもじます。  やさしくもい情の人おはんは、お母さん、 

  悪い女性のようですが、それでもに男性を愛すおかよは千代さんのようにも思えます。

                みなですネ。

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            夏帯やといふは美しく  鈴木真砂女
          一途とはなんとなこと。

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