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            歳時記
                  saison de karo  

                                   る見えぬ海よりの来て   戸田春月
                               
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                                              諏訪さん15こっち  
  
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              にすぎようとしていた。 知子にはこの夏がたいそうかったような気がした。

                                                                      『り』  
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                                          なつ3

       
                               どうなったっていいんだ。 ぼくはもうどんな立場だってする。 

                     あなたが時々ってくれるだけでいい、

            ほんとにそれしかまない。 あなたが苦しむのを見るのはいやだ。 

                            てないと言ってくれ!

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                   夏の1                    
                              
                知子は慎吾に涼太のことがする瞬間を想像すると息が止まりそうに恐ろしかった。

            にかられた涼太が、何時、どんな形でふいに慎吾にすべてをぶちまけるかもしれないと思うと、

                涼太からも目が放せないような気がして、いっそうずるずるみにおちこんでいった。

                                                             『り』


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                   とは、現在の瀬戸内寂聴さんのこと。

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                   多方面から意見をめられるオピニオンリーダーのような方。

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                 40年程前に出家、となられる前の名前は瀬戸内さんでした。

                   れ渡った瀬戸内海をそのままの筆名、実は御本名。 徳島のお生まれです。

                  俗世にいらした頃の瀬戸内さんは、奔放な恋とな創作で聞こえていました。

          当時は、ゆたかなと華やかな着物がトレードマーク、今のお姿からは想像もつきませんね。


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                                                aeonsnews  とっても艶っぽい。
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               ベストセラーとなった『』、 大逆事件で処刑された女性菅野すがの伝記『』など、

                            斬新な著作は数え切れません。

          『』は、ご自身の燃えるような恋愛体験を描ききった私小説。

                 このころ、晴美さんは妻子ある小説家と近くも愛人関係にありました。

                    社会からはめられ、軌道に乗りかけていた小説も注文が来なくなります。

                      これだけでもれそうな状況なのに、

               さらに、晴美さんには年若い恋人が顕れます。 いやーですね~。

                           次はそのい恋人との一シーン。

                                                                                
                          momo (2)

                あのが食べたい。 知子の声に目をあげた涼太の顔に、がともったように明るさが浮いた。 

            をひるがえして売店の方へかけていった。 掌にあまるような瑞々しいを買ってきた涼太は、

                     知子に渡しながら、しばらく知子のを息をのむようにして押さえていた。

                             涼太の心のが、知子の掌から躯のにながれこんだ。

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                  はたっぷりと重く、柔毛につつまれた肌は繊細なやわらかさだった。

                      むくと、あたりに甘い果汁のいがゆたかにただよった。

                 ノルデ 海と蒸気船
                                           ノルデ

                                                  美術館 草間弥生 (2)
                                                                  草間彌生                        
 
    果汁の音をたててな果肉へ歯をすべりこませながら、知子はかぼうようにたたずんでいる涼太を見上げた。

           ?  だまってうなずいて、 知子は自分が今、えた表情になっていると思った。  

                                                       『り』   

                 蛇2レヴィ=デュルメル
                            レヴィ・デュルメル  イヴ

                                  夏の花 帽子
                                                                            

          啜り覗けたる見られしや  石田波郷
                  桃を食べるって、とてもなこと。

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                                              づけのしてを啜りけり  諏訪洋子 
                                             果汁はやまず。   

                         美瀧口修造 デッサンする手
                                          瀧口修造                           
                      
                           白桃や弱音を吐かばからむ  山田みづえ
           〈寧からむ〉は。  桃の味と香りには、気をゆるませてくれるやさしさが。                                   
             
                                     のごとく肥えて可愛や  正岡子規 
                                   桃に目鼻。感じ?
 
                                                時事通信
                                                   瀬戸内晴美 髪もあります。 jiji-com 

                 なつ1
   
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                        ジョゼット キスリング 山形1934 (2)
                                                  キスリング                                            

                                            夏がえさかっていた。

                                     あの人は慎とれて結婚してくれっていうのよ。

                        知子は、あんまり出たことばが、一瞬じぶんのものとも思えなかった。

                 真実を何ひとつ告げないこんなの方法もあったのか。 

          慎吾はな声でいった。  そんなこと、わかってるさ。  。  

                          当りまえじゃないか。 知子のことなら、でもわかってる。   
 
                                                          『り』

                              殻貝    

                                                                             
                   しあうことはつけあうことか、 男性たちの人生を狂わせ、家庭を壊し、悪女と呼ばれ、

               自らも大きなを負いながら、作家はひたすらの創作を続けました。

           あの可愛いくりくり頭とな笑顔は、愛憎の果てに、彼女がたどり着いた境地なのですね。

                夏も終盤、えさかる瀬戸内文学をひもとけば、

                          きっと猛烈な暑さがもどってきます!?  して読んで!
                                                                   カロ


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                                   出家後の版は寂聴さんのお名前に・・・。

                                                    夏4                

                                       に真向へば夏しや  岡本眸
                                  でも暑い!

                        なつ2

                   川水のりに添うて夏の  桂信子
                                  ってもきれいです。

                                                   夏の花 niwanokusacom小もっと
     
                                       る見えぬ海よりの来て   戸田春月

                      
                    長かった夏も終わりそう・・・。    カロ

               
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         の一冊
                  Livre de karo 

               
                         の素顔だれにも見せないわ  鈴木砂紅
                  
                   源氏小
                                                          源氏物語絵巻 『柏木』

 
                       『物語』に登場するの君。 源氏の従妹にあたるこの方は、

                              源氏に幾度も求愛されながら、彼をけ続けた女性です。


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                                                       オキーフ

                 よく、学にも優れた朝顔の君に源氏は早くからを寄せていたのですが、

               かねて源氏のぶり(恋人が多いということね)を聞いている彼女は、いつも知らんふり。
                     
                                            asagao sikisi

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               源氏物語には、54の帖があり、それぞれしい名前が付けられています。

          『桐壺』から始まって、『若紫』『橋姫』などなど。

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                                                    写本 源氏物語 『横笛』  わたし読めません。


                          全編をのように多くの女性たちが横切ってゆきますが、

                  さんの句集 『』(にせむらさきいまようげんじ}には、

         それぞれの54句が収められています。 もちろん、他にも魅力句がいっぱい。

                     砂紅さんの句世界はでいながら、とても。 

                    あさがお 鈴木さん
                                                                                 
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             恋ぼたる 燃え尽き症候群   砂紅   『蛍』の帖
             源氏が親代わりとなって後見する少女(たまかづら)。 
                  オードリー・ヘップバーンみたいにちょっとボーイッシュ。 の魅力があります。
                     蛍の飛び交う夜に浮かび上がる彼女の姿は源氏をかきたてますが、
                            え尽きちゃったのは源氏でした。

                                                        松村公嗣 (2)

                    あさがお2
                                              菊池契月
                 
               からあるけばもう昔    『空蟬』の帖
                  空蟬も源氏が愛した人の名。 彼女も浮気な源氏をな目で見る思慮の人。

                                              ビール2

                   晩節を汚すの泡なめて   『若菜』の帖
              『若紫』の源氏はもう若くありませんが、 ビールの泡のような煩悩がと。


                     あさがお 鈴木さん2


                               e4bd7339a632be64d682e548d32f8c58.jpg                                                

      このころ、天皇ゆかりの未婚女性が斎院と呼ばれる位に就き、賀茂神社の祭祀を行うががありました。 

                 の君はこの役に選ばれます。 もちろん結婚も恋人も

            手のとどかぬ立場となった彼女を、源氏はれることができませんでした。

                 、姫は斎院を退き俗世にもどります。 

                      源氏はアプローチを再開しますが、またまたにされてしまうのです。

                『源氏物語』はみな心理描写で知られますが、作者はの君の心をほとんど語りません。


                      源氏 あめ100
                            ご存知紫式部さん 執筆中

                                               gennji (2)
                                                         ガックリ・・・。

                          書かれているのは、ふられてしむ源氏の様子ばかり。

                彼女のは、読者にも解らないように図られています。 

                     これは、朝顔の君から源氏へ届いた和歌。 求愛を お断り。

          はてて霧のまがきにむすぼほれかにうつる朝顔  朝顔の君

                       季節はへ移りつつ・・・
              
                  霧のよぎる垣根に咲くさな朝顔の花のように、わたくしのもどこにありますやら・・・。


                                藤島武二 朝顔と婦人
                                                       藤島武二  朝顔   
                                           

                                    理想的な男性源氏を、遠ざけるのか。

                            彼女の存在は、ついにけない女性心理の象徴であるようです。
                                     

                      源氏 あめ3


                  や開かずの踏切なら会える  砂紅   『夕顔』の帖

 
                             源氏物語には、朝顔の君とは反対の、

                      寄って来る男性はして拒まない、というセオリの持ち主みたいな方も登場します。

            その名もの君。  彼女は源氏の親友、頭中将と愛人関係であったのですが、今は

                         貴族といってもに近い階級の女性です。


                                      asagao karokarokaro 


                      源氏小2

                                                                       
                               ふとしたことから源氏に見初められると、という間に仲良くなり、

                        源氏が通ってくれば優しくえ、別邸に誘えば、ついてゆきます。                        

                男性の言うなりのようで、いつもおうよう、彼女は意外にい人なのかも知れません。

                     こちらは夕顔が源氏へ向けて書いた歌。

                あてにそれかとぞ見る露の添へたる夕顔の花  

              わたしは夕方に咲く花ですけれど・・・。 意味深な即興歌。

                           おっとりとしたで、なかなかアクティブな夕顔の君。

                        あさがお 扇面夕顔図 酒井抱一 山種美術館
                                            酒井抱一  扇面夕顔図


                                        や開かずの踏切なら会える       砂紅
                   やさしく幸せそうな夕顔ですが、彼女を待っていたのは、ただよう悲劇的な最後。
                           開かずのとは、そのことかも。


                      の素顔だれにも見せないわ    
                             すきなのか、きらいなのか、 本心をあかさない朝顔の君に。                      

                                              朝顔酒井抱一
                                                       酒井抱一  朝顔  

                          IMG_2759.jpg                                               
                        
                           さんの朝顔句と夕顔句をべ読むと、

                      自ずから朝顔の君と夕顔の君の性格、の違いがあらわれます。                 

                プライド高く男性を翻弄するの君。  受容的で男性を魅了するの君。
                      
                           が良いでしょうか? 、どっちも良いですネ。 


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                             20130802003828d1a (2)
                                             ルドン
                                    
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                、朝顔句と夕顔句をで・・・。             

                                   顔なにかがる身のほとり  長谷川秋子 
                       
                  しくもまた顔のさかりかな   夏目漱石
                        秋子句と漱石句は、同じことをう言葉で詠んでいるみたい。   

                                                    
                                                     サロメ114         
                                                                       オキーフ                                                   
                 a110bd5f878bdfbf2131c176debbe282鈴木其一
                                          鈴木其一

                       朝顔の紺のかなたのかな   石田波郷

                                  顔のひらくしずかなり  波郷
                     波郷の朝顔と夕顔は、もっぱら時間の過ぎ去ることのさに向けられていますね。


                               IMG_2358 (3)


                                        あさがお1
        
                  顔は下手の書くさへなり  松尾芭蕉
                        お弟子さんのことを謡ったものとか。 芭蕉なかなかおです。


                   ナイフ

                               がほの花より月出でぬ  室生とみ子 
                                   夕顔もを見ているのでしょう。
                                           
                                                    ・代・縺薙>縺ウ縺浩convert_20150730231442

                                朝顔やを遂げしごとしぼむ  日野草城
                             夜明けからたった数時間、かにしぼむ。 うらやましいほどのいさぎよさ。

                                 m_0075-f6742 neana
                                                     neanea                      
                            
                   顔はしずかにを吸いはじめ   高岡修
                          夕顔はのように大きく詠まれています。

 
                                も終盤となりました・・・。   カロ
                                       
                                            asagaoB002.png

         
 
        歳時記
              saison de karo 


               ゆふぐれの金魚となりて  軽部烏頭子

                      金魚表紙

                                        
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                                           金魚小

               
                    人間に一番自由に美しいきものが造れるのはじゃなくて?

                 素晴らしい、見ていると何もかも忘れてするような新種をつくってね。

                                                     岡本かの子 『』                  

                         深堀隆介2016・7
                                                           深堀隆介
                     小さいも (2)                                                 

                   岡本かの子の名作『』は、の青年が主人公。

                                遺伝学を学び、金魚の養殖に打ち込んでいます。

                       色、形とも完璧にしい金魚を創り上げるのが彼の夢。

                                青年が愛したのは、な金魚のように奔放な女性でした。


                                                                     goldfish3 (2) 
                                     100パーセント4 (2)
                                                             ドンゲン                       

                kann1913 (2)
                               カンディンスキー
      goldfish3 (3)
                     彼女はキレイなものが大好きなお様。 彼の情熱に魅せられ、

              見ていると何もかも忘れてするような新種をつくってね。と、励ましておいて、

            、主人公が金魚造りに精を出しているうちに、の男性と結ばれてしまうのです。

                                                201108281530114bb_convert_20160629200627.jpg

                          屈折した主人公はますますの金魚を追い求め・・・。
                   
                    はうつくしさの象徴、それとも人間の妄執のおそろしさでしょうか。

                               な金魚にふさわしい物語は、意外な幕切れを迎えます・・・。

               作者岡本かの子は、大阪万博のシンボル太陽の塔の作者、

                                    、太郎さんのおさん! 


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                           岡本かの子 丸顔が可愛い。 
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                                   frauvitage
                               

                                夜の金魚をゆさぶりぬ  内田美紗
                           孤独なガードマンとい金魚。 夜の童話。


                          驥鷹ュ壹%繧契convert_20160630190107      
        
                   金魚得て水のらむであり  近江文代
                           金魚のことだけが謡われているのに、、とてもセクシー。


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                             大野麥風 (2)

                  から藻の夢を見ると思っていたら

                         わたしは金魚になっていた

                    金魚の体のオレンジ色と白のが とってもよかったし

                       尾ひれが大きくて と 水の中でゆれるのが美しい

                                         kimonobebe (2)

                      と動くと 尾ひれもくねっと揺れる

                         水がと体にひっついてくる 充たされている感じがよい

                    そうやって遊んでいると
          
                   そこの もうあがってよと つた子さんがいった

                         わたしはお風呂でいでいたのだ 
                                                       和田まさ子 『金魚』

           uite koi2


                                    お風呂で金魚になる。 金魚はやはり女性か!?

                            
                     fosterfinancialservice (2)
                                                               fosterfinancialservice                                                           


           の今のや金魚見る  高浜虚子
                    金魚を見ている時、みんなのことを考える・・。


                       緋鯉 福田平八郎 
                                                        福田平八郎

                                         水換ふる金魚を握りしめ   川崎展宏

                   わが金魚死せりめてわが手にとる   橋本美代子
                               金魚のいのち。 金魚の死。 小さくてい。


                   金魚1

                                                    cloudy moon
                                                                    cloudy moon

                           ポ12 (2)
 
                 金魚カロsyou

                                      金魚はを食べてふくらみ の中で動かなくなる

                             鳩だか 鉢のガラスにうすいを走らせる
                 
                  來たのは花辨か 白い雲の
                                                     櫻間中庸  「無題」


                             金魚は青空を食べてふくらみ・・・。

                        を食べてふくらむ金魚かな  なんて、ちょっと俳句みたいですね。

                       
                        喜多川歌麿 (2)
                                                喜多川歌麿


                金魚玉ひとのひにふみ入れず  宮本たか子
                               憂いはそれぞれのもの・・・そんなには、どこか江戸の粋が。

                                             kimonobebe (3)


           宿題13


                或るときのをよぎれる金魚かな   中村汀女
                                   金魚の方でも、かが通ったナ、と思っていたり。 


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                            清宮質文
                                                              清宮質文 
                              
                 
               ゆふぐれの金魚となりて  軽部烏頭子

                            お暑うございます。 水の中はしいよ。  金魚とカロ

                                                   goldfish3 (4)