歳時記
                 saison de karo


                          十顆のを喰らひけり  正岡子規


                        梨5



                     学校がまってからずっと、

                     駅前の羽衣タクシーの軒先を借りて、

                     もぎ取りを売っていた爺さんも、とうとう店じまいをした。

                     また、来年のまで、この爺さんともお別れだ。


                                                          庄野潤三 『夕べの雲』



                                                   tamastorydoorblog_convert_20160924123239.jpg  


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                         爺さんが店じまいをして、いちばんしたのは、

                    いつも学校の帰りにこの爺さんから三十円の梨を買って、

                袋から出して食べていた安雄であった。


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                          もともと学校の帰りに梨を買って来るよう安雄に頼んだのは、大浦のであった。

                       駅まで買い物に行くと、野菜や他の食糧だけでいつも荷物がになって、

                   とても梨まで買って帰れない。だから、

               梨売りのお爺さんがいたら買ってきて、でもいいから。と言ったのであった。 

           帰り道で、安雄が食べても構わないということにした。

              何しろ学校が始まったばかりで、短縮授業だから弁当を持っていっていない。

                  暑いのとお腹がくのと慣れない授業でくたびれるのとで、

                      物を言うもないような顔で帰って来る安雄にとっては、

                           これほど有り難いことはなかった。

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                      このあたりでは、長十郎梨のことを梨、二〇世紀を梨と呼んでいる。
 

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                        爺さんの売っている赤梨は九月の初めは一キロ四十円と五十円で、

                     梨が大きくなってからは、一キロ五十円と六十円になった。

                  ところが、これとは別に、一山三十円の梨が台のにある。

                     大きさはまちまち、形はみんなよくない。したのばかりである。


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                       そのかわりが多い。一キロ五十円ので四個ある。

                    一山三十円の方は八個くらいある。に多いという感じがする。 

              安雄が、一キロいくらの方にはもくれず、こっちの方を買いたがるのも無理はなかった。                                            
              

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           、あの子を見ていると・・・と細君が言った。

                        のことは頭になくて、ただただ梨を食べることばかり考えているらしいわ。

            学校から帰って来ると、梨、買ってきた。

                       何の勉強をしたとか、先生がどんな話をしたというようなことは、も言わないの。

            それで、寝るまで、梨食べて良い? 言うことはそれしかないみたいなの。かしら?

                       大丈夫って、か?   

                              、勉強の方です。


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                      梨7


                   だけ、大浦は、安雄が爺さんから梨を買ったところへ来合わせたことがある。

                      小さなが梨を並べてある台の前に立っていると思ったら、わが子であった。

                                                                    『夕べの雲』

                                          
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                               どののかたち野に遊ぶ   林誠司

                                    白狐が遊ぶ空・・・なんと妖艶なこと。


                       白猫 橋本関雪
                                                                   橋本関雪                                                             


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                     眠りして蛇たることれたる   倉橋羊村

                            忘れたのはいこと? 蛇であること? どちらでしょう。

                      

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                              白猫 村野鐵太郎遠野物語
                                                   村野鐡太郎 『遠野物語』 

                                       
                        馬を少女れて下りにけむ   西東三鬼

                                 れという言葉がこんなに美しい。


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                              白猫 hanakagesyo-
                                                             hanakagesyoblog  

         
                        ずつと向きしまま   中井洋子

                                     とさせられます。・・・がこっちを向いてくれるのはいつ?                



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                                          白猫6
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                        しき白鷺が蝶に見ゆ   山口誓子 

                                                 美しいものはくにあるもの・・・。


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                   白犬にかれてをりし夜かな   木塚真人
 
                                    静かななのでしょうね。


                                     白猫3


            
                         over land sakura

                   
                                      みなさん、良いを・・・。   カロ          
  

           歳時記
    
                    saison de karo  


                             と遇ふのビルマ僧  川崎展宏

                 
                      ポ13

                                                                       

                    その僧と行き会ったとき、みんなびっくりしました。

                             その僧はまだい人で、頭はすっかり剃っています。


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                                             新潮文庫

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                    そうして、片方のからあたらしい黄色い衣をゆったりとまとっているのですが、

                        その肩に目のさめるようないインコをとまらせています。

                            どこかこのあたりのお坊さんなのでしょう。


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             この人が水島上等兵にそっくりなのです。

                    われわれとこの坊さんは、せまいの上で互いに身をよけてすれちがいました・・。

                          ふりかえってみると、

                    坊さんはひどく足を急がせて、町とは反対の方角へ行きましたが、

             やがてまばらな林の中に姿を消しました。


                              ビルマ3
                                                       dtac/jp/ asia/ myanmar/
                           

                ビルマ1 (2)


                     ビルマ人が使うは、ちょうど茄子のような形をしていて、

                     磨きあげた木に象嵌などをした、立派な楽器です。

                     ビルマの音楽は、をうつすことからはじまったということを聞きました。


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                        どこへ行っても ビルマ人はし気です。

                           生きるのも、死ぬのも、この世のこともあの世のことも、

                        いつもにこにこと仏さまに任せて、寡欲に、淡泊に、

                           して、って、って、その日その日を過ごしています。

                        ここにあるのは、花と、音楽と、あきらめと、日光と、仏さまと、と・・・。 

        
 
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                                                      dtac/jp/ asia/ myanmar/   



                      水島は柵の向こうに立ったまま、動きませんでした。

                          それからまた、を弾きだしました。

                      それは、「仰げば尊し」という、あのれの歌でした。

                          いまこそ別れめ、いざさらば・・・・。

                      ここを繰り返しくと、

                          水島は我々に向かってふかくをさげ、

                      そのまま行ってしまいました。                                                  
                                                          『ビルマの竪琴』
                     
 
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