歳時記

              saison de karo 


                            に耳なし芳一が来たよ 寺井谷子


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                      あるのことであった。

                         芳一は寝間の前の縁先へ出てにあたっていた。

                            か庭を通り抜けてやってくる者がある。

                               足音は芳一のいるすぐそばまで来て、ぴたりと止まった。

                                                    ラフカディオ・ハーン 『なし芳一の話』


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                      芳一はぎょっとしたあまり、しばらく返事をしかねていた。すると、

                      はもう一度、命じるような調子で呼ぶのである。

                      芳一。

                      はい。わたくしは目の見えぬものでございます。

                       どなたがお呼びくださいますやら、一向に解りませんが・・・。


                                       夕顔12
                                                    Imperial Household Agency


                      わしの主人はさるやんごとなきお方でいらっしゃるが、

                          かねがねおぬしは合戦もののが上手と聞き及んで、

                             一つそれを聴いてみたいとのご所望なのじゃ。

                                おぬし、これからわしと一緒に、

                             そこなるを携えて

                          高貴がたのお待ちあそばしている館まですぐと来るがいい。


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                                               夕顔7


                       侍らしい男にを引かれていると、身につけたがこうこうと鳴るのが聞こえた。

                          しばらく行くと、ふたりはどこかきな門の前にでた。

                               やがて大きな広間のまんなかへ案内された。

                                      衣ずれのがまるでの木の葉のさやめきのようである。  


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                               女のがした。

                                       ただいまこれよりその琵琶に合わせて、
                                       
                                                物語を語ってきかせよとの

                                                             ご所望でございます。
                            夕顔15
                                                                                             
                                  平家はなかなかもちまして全曲を語り切れるものではございませぬ。

                              お上にはいずれの段を語れよとのご所望でござりましょう。

                       壇ノ浦のの段をお語りあそばせ・・・。

                            
          夕顔10

                     
                           芳一は琵琶を取り上げて、激しいの歌を語った。

                                ひょうと鳴る風、軍勢のおたけび、兜にあたるの音・・・。

                           感嘆のあまり、あたりはを打ったようにしんと静まり返っている。


                                   夕顔5


                        やがて平家一門の女子供の憐れな

                            御幼帝を抱き奉った二位の局ののありさまを語りだした時、

                        聴く者は長いながい苦悶の声を発して、

                            果ては激しい慟哭の声をあげて、

                        深くき悲しみだした。


 夕顔3

 
                                            夕顔6


                  やがてその声はしだいに消えるともなく消え去って、

                               ふたたびもとの深いけさにかえった。
                     
                                                               『耳なし芳一の話』

                              夕顔4
      

                                           夕顔2

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                          猫が夏座布団の上に寝る   加藤宵村

             
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                          清宮質文
                   

                                         ねこざぶとん5

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               おさんが更紗のを床の前へ直して、

                        どうぞこれへと引き下がった。

                              鈴木君は一応室内を見回す。


                                           硝子の03    


                        、布団の上を見ると、

                              いつの間にか、の猫がすまして座っている。

                        申すまでもなく、それはかく申すである。


                                                   夏目漱石  『吾輩は猫である』


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                   自分のために敷かれた布団の上に自分が乗らぬ先から、

                              断りもなく妙な動物がと蹲踞している。

                                     これが鈴木君の心の平均をる第一の条件である。

                   
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                                   もし、この布団が勧められたまま、

                              主なくして風吹くままにまかせてあったなら、

                          鈴木君はわざと謙遜の意を表して、

                      主人が、さあどうぞと言うまでは、

                堅い畳の上でしていたかも知れない。
                                                             
                                      ねこざぶとん3
                             
                           
                  しかし、早晩自分の所有すべき布団の上に挨拶もなく乗ったものはであろう。

                        人間ならることもあろうが猫とはけしからん。

                              これが鈴木君の心の平均をる第二の条件である。
                               

                                                  縺ュ縺薙*縺カ縺ィ繧難シ論convert_20160711191600


                       最後に、その猫の態度がもっともにさわる。

                             乗る権利もない布団の上に、傲然と構えて、

                       な眼をぱちつかせて、

                             お前は誰だとばかりに鈴木君の顔を見つめている。

  
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              これほど不平があるなら、吾輩の首根っこを掴まえて、引きずりおろしたらよさそうなものだが、

                                    鈴木君はって見ている。


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                     如何に人の見ていぬ場所でも、猫と座席争いをしたとあっては、

                                 些か人間のに関する。

                       この不名誉をけるためには、多少の不便は忍ばねばならぬ。


                                               ねこなつめ
                               
                                                                           
                                 主人は、と席についたが、

                            この野郎、と吾輩の襟がみを掴んで、とばかりに縁側へたたきつけた。

                                                               『吾輩は猫である』 



                     暑くなりました。みなさんお身体お大切に・・・ネ。 ねことカロ    



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       カ歳時記

          saison de karo  


                     しゃべらない一匹がそうか 平きみえ


                
                       金魚 深堀隆介
                                                             深堀隆介

                               
                                     金魚を逃がしてやったら、海まで泳いでゆきそう。


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                   ゆらしみるに倦みし昼  杉山久子
 
                                     いつのまにか藻は喪へ、詩は死へ・・・。


                              13516600_1563071367321114_912789281712359830_n_convert_20160701151737.jpg                                              
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          金魚 大野麦風
            大野麥風


                                      二匹戦争を知らざりき  高橋比呂子

                                                 知らないままで。


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                                     常玉
                       

                            
                       名つけた金魚のすぐ死んで  岡野泰輔

                                         ルチアとかカテリーナとか・・・イタリア美人薄命。


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                                                           マチス


                                 毎日はかにむ金魚玉  藤田敦子

                                       じっと見ている女は一糸まとわず・・・。


           金魚1

                    

                   金魚移り気を見かさる   西谷裕子
   
                                   美麗なうろこ、優雅な身ごなし、そして浮気者。 
                                     

                          驥鷹ュ壹%繧契convert_20160630190107

                                              

                              を夜汽車と思ふ金魚かな    攝津幸彦

                                              金魚も旅がしたいのか・・・。


 
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                                          マチス


                                   上から見ても魚、横から見ても魚。   カロ