歳時記 

                           saison de karo


                 そこはをたたいてとおる   阿部完市


                      たいこ2                         
                                                           DIE BLECHTROMMEL                   
                                            

               の子だ。

               この子は後で商売を引き継いでくれるだろう。

               今やっと、俺たちがこんなにあくせくいている意味がわかった。

               オスカルが三つになったら、の太鼓を買ってやろう。

                                             
                                                        ギュンター・グラス 『ブリキの太鼓』
                                                                                                                                                     
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                                       のロボット


                ギュンター・グラスの長編小説『の太鼓』は戦後ドイツ文学のをなす作品。

                     主人公は、二つの世界大戦の狭間、多民族のポーランドに生まれます。


                                
                                    縺溘>縺難シ撰シ狙convert_20160104221622             
                                                         映画『ブリキの太鼓』 1979年


                   たいこ1


                                        繝悶Μ繧ュ・廟convert_20160112004520

                                                 のライダー      

             そして、ぼくはを叩き始めた。

                           ぼくのアパートは五階建てだった。

                               一階から屋根裏部屋まで、ぼくは太鼓を叩きながらって行き、

                                     またおりてきた。
                                                               『ブリキの太鼓』


                繝悶Μ繧ュ・農convert_20160112233404                           
                           
                          のナポレオン   

                         
               
               彼は子供時代から少しもすることなく、毎日、おもちゃのをたたき続け、

                                  の響きが遠因となって、大人たちは次々に死んでゆきます。


                                      ブリキ00
                                       オスカル中。
                

                少年が成長しないのは、みあいだましあうになりたくないからでしょうか。

                      それとも、彼はそんな大人たちに遣わされた裁きの使なのでしょうか。


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                                                         たいこ31927
                                                             ギュンター・グラス 
                                      
                       時代からしつつ、時代を鋭くするオスカル。

                それはそのまま、グラス本人の姿でした。

                          本作でノーベル賞を得てほどなく、

          作家は、長くしてきた少年期の経歴、ヒットラーユーゲント(少年隊)の一員であったことをかします。


                                                 ブリキ3

                                                        のスイマー     
                                         
                        繝悶Μ繧ュ・胆convert_20160112233340

                           ブのアイスクリーム屋  


        ブリキ03
 
                        の鼓手
                     
                                            ブリキ02
                                        

                                   オスカルって、のことでしょう。                                                                         


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                                  って、にとっての何でしょうか。
                                                                カロ
                       

                                                    ブリキ1

                                                                    
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             今月の   Chat du mois
 
                       月のねこ  Chat mai


                             猫と話して暮れにけり  望月和子


                                    
                             莠疲怦縺ュ縺難シ棒convert_20160502190618



                    侍従の大納言のが、
 
                       たった十五歳というさで亡くなってしまわれました。

                  しい書をお手本に頂いたこともあった方・・・。


                                   これ


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                        姫君のことがしきりに思い出されてさみしくてなりません。

                 そんな五月のあるのこと。


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                                         源氏物語絵巻

                  夜ふくるまでを読みておきゐたれば、

                        来つらむかたも見えぬに、猫のいとなごうないたるを、

                                おどろきて見れば、いみじうおかしげなる猫あり。

                                                              『更級日記』

                                             ce8d82e9_convert_20160502185731.jpg


          られぬままに、物語など読み、夜更かしをしていると、

                      どこかでの鳴き声が・・・いつまでも鳴いています。

                            見ると可愛い猫。

                                    
                          莠疲怦縺ュ縺難シ点convert_20160501162512
          
                                       

                   姉さまが、誰にもで飼いましょう、とおっしゃいます。


                              松岡映丘 (2)
                                                                      菊池契月
    

                   もとの飼い主が探しているかもしれないけれど、私たち姉妹のをはなれようとしないので、

                            可愛くて、誰にもで飼っておりました。


                                             縺薙・縺難シ狙convert_20160509225546


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                                                           寝覚物語絵巻 
                                  

                 姉さまのお加減がわるくなってしまった時、仕方なく側の部屋に猫を置いて、

                           こちらへ呼んでやることができませんでした。


                                        鬮俶ゥ句シ俶・縲€縲翫ず繝」繝代ル繝シ繧コ繝サ繝懊ヶ繝・う繝ォ縲九€€1924蟷エ縲€邏吶・譛ィ迚・convert_20160502194120
                                          高橋弘明  ねこ  


                   猫はしそうに鳴いています。

                     ふと、を覚まされた姉さまは、こんなことをおっしゃいました。

                        今、のなかにあの猫が出てきてね。


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                      わたくしは、侍従の大納言の姫がこうなったものです。

                   わたくしがこの世で書いたの書を、

                      あなたはたいそうして持っていてくださいましたね。

                   いつも思い出してくださるあなたのところへ、猫の姿でまいりましたけれど、

                       このところは、北向きのお部屋で、下々の者に混じって、

                        い思いでおります・・・。


                                       莠疲怦縺ュ縺難シ胆convert_20160501162443



                       そう言って、ひどく泣かれたと思ったら、あの猫の声でした。

                    すぐに猫をこちらへ呼んで、  でてやりながら、

                        侍従大納言の姫君が、こうしていらっしゃいますのね。 と、話しかけると、
 
                             こちらをじっと見て、声で鳴きました。

                      わたくしの言葉がるようでした。

                                               管原孝標女  『更級日記』    


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                                    治安二年、年、月。 約年前の日本の少女と猫です。 



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                                               初夏4
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        歳時記

              saison de karo 


                           初夏のこれがの煙草かな  芳野ヒロユキ


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                   禁煙なんて簡単なことだ。 私はもう回も禁煙している。

                                                         マーク・トウェイン    


                                               煙草1
                                                   マーク・トウェイン    


                 辣呵拷・難シ。・「・。・ェ_convert_20160424200938

                       マーク・トウェイン 『ハックルベリー・フィンの冒険』

                            ハックルベリー・フィンはトウェインのの少年キャラクター。



                            初夏3
                          
                                                                            

                 少年期はに続くべきものであり、また、現に続いてゐるのではないだらうか。

                                                     三島由紀夫  『煙草』


                                     ecf0f005ec41c452998ee432092a098a_convert_20160424220628.jpg
                           

                     私は学校を囲む起伏の多い森の中を散歩するのを好んでゐた。

               ふと、木の間に熊笹のすれあふがした。


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                    小さな草地に寝転がつてゐた学生が身を起こしてこちらを見た。

                              彼等ふたりは私の知らない上級生だつた。


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              彼等は明らかに、禁ぜられているを先生から隠れて喫むためにそこにいるのであつた。

                 一人はじろりと私を見ると、

                      手に隠していた煙草をすぐ口にもつていつた。

                ・・・・ 不意に目をあげて、

                     「!」と云つた。

              私は伏目になり、行き過ぎれば良いものを、そこにのやうに立ち竦んでいたのだ。

                    「一寸、ここへ来いよ」  「エ?]   「まあ、座れ」   「はい」


                                 初夏2


                      彼は新しい煙草を咥へてそれへをつけた。

                    「いいから吸つてみろよ」   「だつて」   「吸はないと火がえてしまふ」

              私はそれを吸つた。


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              の匂ひに似たそれと香しいの匂ひが混ざり合ひ、

                    一瞬、大きな燃えてゐる熱帯樹のを見た。

              私ははげしくせき込んだ。

                   上級生はつた。 私は決まり悪さうに笑つて仰向けに寝ころんだ。

                         初めて喫んだ煙草を高く掲げて、目は半ば閉ぢ、

                  私は午後のくすんだ空のへ煙が流れてゆくのを見飽かなかつた。


                                   Redon9_convert_20160424185115.jpg
                                                          ルドン  『の馬車』

              麻酔にかけられた時間を破つて、

                        やさしい熱い声を私は耳元に聞いた。

                                   「名前は何て云ふの」

                       をくれた人がさう言つてゐる。
 
              それは、いつからともなく私が待ちこがれてゐたではなかつたか・・・。

                                                                     『煙草』 


                     煙草5
    
                                                                   

                                           51NRJ6QCPML__SX325_BO1,204,203,200_

                                       三島由紀夫 『書簡集』 表紙写真


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                       指定を守った喫煙は、個人の自由です・・・。

                        、みなさん、煙草はえめに・・ネ。     
                                                                カロ     
                   



                                           辣呵拷・胆convert_20160422193321   
                                                  晩年のトウェイン  喫煙中


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                          芳野ヒロユキ句集  『


                      ネクタイは五月のをいそいそと

                                  カタバミをし始めているのかも

                                                            ヒロユキ


                                    E3818BE3819FE381B0E381BFE38080E7B791E89189-thumbnail2.jpg