Chat du mois 今月の
           
                         Chat mars  月のねこ



                     受胎期の猫ほのかに草匂ふ 保坂敏子

                       そう言えば6


                                 この頃、なんだか、が悪いのよネ・・・・。




                そう言えば3

                     食欲もないし、どうしたのかしら・・・・。



                           
                             そう言えば1





                       そう言えば16




        
           十一歳になった家のが死んだ。

           猫であった。

           墓を、日頃、よく行って寝そべっていた庭のぼけの木の陰につくった。

          「あれは、一体、何匹、を産んだろう?」と、

           妻に聞いたら、即座に返事があった。

           「匹ぐらい。」


         一年三度産むとして、一度に五匹で、

             十年ではこうなる・・・・。

                 その匹はどこへ行ったろう・・・・。


                      半数は幼時に栄養不足で死んでいる。

                            他家へ貰われていったもの・・・。



                         一匹のが、百五十匹のを産む・・・。


                                       大佛次郎  『猫』



                          そう言えば9

                                   そう言えば2
 

                                そう言えば2


                ええっと・・・・か・・・。




               そう言えば5

                               あの・・・・・。  



                        そう言えば3


               うーん・・・・・。かー。

                      ねこ だる1



                                   そう言えば6

                 って・・・大変そう・・。



                そう言えば4

                                         キャリアも途中だしニャー。




                                                                          そう言えば12
                       そう言えば18


                            でも・・・・。  


                                                                                  

                                そう言えば7
                               
                        もうだいぶってきちゃったし・・。




                     そう言えば15

                     ッ もう?




                                        そう言えば19

                        母性感じるニャ


                  そう言えば14

                        そろそろ体操しなくちゃ。

                                   

                                                  そう言えば3

                                                                                                     
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カロ歳時記

 saison de karo 93

                      指に移る切符のインク雁帰る  川島謙一               

        
             自由1

         


                久しぶりに新幹線の切符を買いに

                ぶらぶら駅まで出かけたが

                希望する日の指定席は売り切れなので

                自由席を求めた

                                            暮尾淳  『自由席』





                    自由5



                        自由席とはいっても

                        満席の場合には

                        立ちんぼで行く自由だが



                         東京駅2



               

           自由12これ                       



                    自由10




          自由9




                        制限なしのなど

                        この世にはないことを知ったのは

                        広い空を自在に飛ぶ鳥も
   
                        に降りると重たげに歩く

                        その心もとない姿を見ながら

                        人気のない海辺

                        り考えた十五のときで




                             自由2

                  




               自由13





                しかやりたくないことは

                               できるだけしないできよう




                      自由3




                     そんなちっぽけな自由

                     次第に失職や世間の目にえて

                     貫くことはできなかった




              自由1




                      指定の上にはグリーン席がある

                      つましい生活の習いで

                      そのことを亡失していたおれは


                      翌日また駅にでかけ金を払い

                      自由席を手放した


                                                  『自由席』





                   自由5






 
   カロ歳時記

       saison de karo 92


             
                        花束に埋れ罪障なきに似る 三谷昭
  


                       花束1

               



         日曜日に玄関のチャイムが鳴って、近所の将棋仲間だろうと思ってドアを開けたら、

           花束を持った外国人の若いが立っていた。

              その男が、

                 「こんにちは、ぼく、ミチコの友達、アントニオです。よろしく。」

                    と、たどたどしい日本語で言って手を出した。




                          花束12





           私はを呼びました。

             家内が出てきて、

              「あら、アントニ君ね、はじめまして。ミチコがいつもお世話になってます。」

                 私の知らないの名を親しげに呼ぶのです。


                    彼は家内に、
 
                       「これ、お母さんに。」

                          と花束を差し出しました。
   


                     おめでとう



         すると家内は、
 
            「あらまあ、私に?」

               今まで聞いたこともないようなやかな声で言ったんですよ。

                  ミチコがゆっくりとでてきました。

       
             は、子供の頃の病気で、片脚を切断しまして義足を着けていましてね、

                      くのが不自由なのです。



                           花束9





       「ミチコ、今日はいい天気だ。散歩に行こう。」と彼が言いますと、

          「ちょっと上がったら。」

             「そうよ、せっかくいらしたんだから、どうぞどうぞ。」

                家内は、私の意向を確かめもせずに言うのです。

                   これは俺のだ、とは申しませんが、少なくとも、私のでもあるわけです。



  花束7




                         花束6




        ミチコは自分の作ったケーキを出しました。

        彼はまだ甘いものを食べたい盛りの子供のように、コーヒーをミルクと砂糖をたっぷり入れて、

        ケーキもふたつ食べて、おいしいおいしいと、ほめそやすのです。


                        花束8


            はイタリア人で、電子技術の勉強をするために日本に来て、近くのビルの夜警をしながら、

             専門学校へ通っていました。

               ステッキをついて歩くミチコと道で会って、

                 のほうから声を掛けて、一緒に歩くようになったのだそうです。




                                 花束3





         それから、とミチコは散歩に出かけました。

              「あのふたりはどんな関係なんだ。」

                私はふたりが出ていった後、家内に言いました。
 
                  「ご覧になった通りでしょ。」

                     「お前、心配じゃないのか。」

                        「あなた。」

                    家内は私の顔をじっと見ました。

         「日本の男の子なら安心?日本の良い家の男の子なら、ミチコせにしてくれると思うの?」




              ガーベラ2




           ある日、私が会社から帰ってくると、が家にいて、ミチコと二人で台所をやっているんです。

           家内はテーブルに肘をついて、

           「若い男の子が料理しているのを見たことがないから面白いわ。」



                          花束5





       何という料理だったか、西洋風炊き込みご飯のようなもので、なかなか旨かったです。


       皿洗いも、はまるで当家の息子のように、

       ミチコと妹のチカと三人兄妹のようにやって、コーヒーを飲んだら帰るかと思っていたら、

       「今日、ぼく泊まります。」

       私に言うのです。



                         花束10
                     




           「今日アントニオ休日なの。泊めてあげていいでしょう。」とミチコ

           「歯ブラシ、タオル、持ってきました。」これはアントニオ

           「泊まりますと言っても、、家の娘はなんだよ。」

           私が言いますと、

           「の娘なんていないよ。」

           チカがにやにやして言いました。


              「イタリアでは、よく友達の家に泊まります。」
  
              「ここは日本だよ。」


                 「あなた、ちょっと。」

                 家内が私を隣りの部屋へ連れて行きました。

         「ミチコはね、彼とくようになってから、ステッキなしで外をけるようになったんですって。

          ミチコと同じよいうにゆっくりいてくれて、苛立ちもしないし、ミチコも安心してやっていけるんですって。」



         その夜、は我が家に泊まりましたが、

         私は夜中に二度、トイレに起きて、居間のソファにアントニオが寝ているのを確かめました。



                           花束11




       アントニオは専門学校を卒業して、イタリアへ帰りました。

       ミチコはイタリア語の勉強をしています。

       文通も続いているようです。



                           花束




       「アントニオに会いたいのか?」

       ミチコに聞いてみました。

       「うん、会いたいけどさ。」

       は湿り気のない声で言いました。

       「アントニオみたいな人が育ったって、どんなところか、行ってみたいんだ。

        私ね、ゆっくりしかけないでしょ。

        なんだか、早くけない理由を説明するためにステッキにすがっていたような気がする。

        でも今はね、ゆっくりけばいいんだって、それでいいんだって、思えるようになったの。

        アントニオが自然にそういうことを私に教えてくれたのよ。

        そういう人が育つへ行ってみたいんだ。」

                                      干刈あがた 『花束』



        
           闃ア譚滂シ農convert_20140116002836




                                      ねこ草


                                はまだかニャ