saison de karo 13

向日葵や瓦礫いつともなく消えて 摂津幸彦

向日葵


天使達が
僕の朝食のために
自転車で運んで来る
パンとスウプと
花を

すると僕は
その花を毟って
スウプにふりかけ
パンに付け
そうしてささやかな食事をする

この村はどこへ行っても 良い匂いがする
僕の胸に
新鮮な薔薇が挿してあるように
そのせいか この村には
どこへ行っても犬がいる

西洋人は向日葵より背が高い
 
                堀辰雄 『天使達が…』


向日葵 百面相






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Goulue de karo  カロ食彩5

そうめんを茹でよう。

そうめん


「わたくしはお刺身はきらひです。さばやいわしのやうな青いお魚は、子供に毒だといつて、お父さまがお叱りになります。お素麺は大好きです。白糸のやうに細くて長い、長いお素麺が。」
                   藤井重夫 『佳人』

いまどき、どこにもいないような深窓の佳人の一生を描いた小説の導入部、ヒロインの独白です。青白い少女は、塗りのお箸で、そうめんを一筋、また一筋と口元に運ぶのでしょうね。

梅雨があけたら、とりあえず、そうめんを茹でよう。

カロのそうめんは貪欲なそうめん。『佳人』のようにストイックに食べていては夏負けしてしまうので。因みに私は青いお魚も好き。

そうめんは友達(薬味、つけあわせ)で決まる。師は選ぶべし、というけれど、友もそうかしら。

lalique  青い壺

  ラリック作 そうめんつゆ入れ(?)


まず生姜のすりおろし、そして刻み葱。椎茸の煮もの(細かく切って煮る。)

きざみすぐき


しらす、お漬物を細かく刻んだもの(古漬を刻み、レモンをかけたり、切り昆布を混ぜ込んだり)。


あつあげ煮物
お豆腐やあつあげの煮ものが残っていたら、ひとくち
に切って添える。
ドカンと出さずに、細かく切って、ひとり分ずつお皿に
ちまちまと盛り合わせる。
この手間で、冷蔵庫に長居していた「逗留食材」たちは、すべて「そうめんの友」として、天寿を全うすることが出来るのです。
「ともだち」は、まだ幾らでも連れてくることが出来る。
胡瓜をきざんで市販の和風ドレッシングであえる。
梅干しをほぐし、ちょっぴりお砂糖とかつおぶしをかけて混ぜる。
薄焼卵、いりたまご。
ピーマンを炒め、少しのお砂糖とお味噌で味付けした「みそピーマン」。

ピーマンたまご


ninnjinn.jpg













あげ玉。とり肉(むしても、焼いても。)火の通ったお肉があれば、
そぎ切りにして、お醤油をすこしかける。そうめんにつける生姜も添える。
野菜のてんぷらや素揚げもそうめんのおともだち。
人参は火が通りにくいので細かく切って「ころも」で纏める。
素揚げの時は、小麦粉をふって揚げる。ときたまごに潜らせて揚げても。
ようするに、そうめんをゆでている間に、(もうちょっとかかるか)口に入りそうな食材は全て、さっと揚げる、焼く、煮る、刻むなどの作業を並立してやってしまう。
吾ながら手際良いなあ。


そうめんのゆで加減は好み。カロはべろべろに(?)ゆで上げたのが大好き。つゆはかつおと煮干しのだし2にお醤油1、砂糖適当にいれて煮る。煮干しは取り出す、かつおぶしは漉さない。玉葱を一緒に煮ると独特の甘みがでます。煮込んだ玉葱も、そのままにしたほうが美味しい。市販のつゆとブレンドするのも良い。生姜、茗荷、葱。そして「そうめんの友」たち。
そうめんに意外と合うのは白ワイン。驚かないで試してみて。

そうめんの器、つゆ入れはラリックでまとめましょう?!

ラリック 鸚鵡のサラダボール

できたら凄いけれど・・・。

「そうめん鉢についていわせてもらえば、市販のものはつけめん用のセットで、鉢のへりがギザギザなので口当たりがわるく、私の愛用品はガラスのサラダボール。これもさまざまな色や模様がついていて、無色透明はめったとないが、これに茹で上げて水にさらしたそうめんを盛り、淡口のつめたいつゆをたっぷりかけると、涼味満点、そして薬味は青ゆずのすり下したものだけという食べ方なのである。」宮尾登美子 『ご馳走の手帳』より

宮尾さんの食べ方は、ガラスのお丼にそうめんを入れ、強めの味付けのお澄ましをかけて食べるというやり方のようですね。関西風か。これも美味しそう。

「そうめんの銘柄を挙げるのはよそう。というのは、輸送の季節、保存の条件などによって、愛用銘柄が毎年上等という訳にいかず、今年は、一年寝かせた無名のものが思わぬおいしさだったこともあるので・・・。」宮尾登美子『同書』

そうめんの友に気をとられることが多いせいか、私には、そうめん自体の味はあまり解りません。強いて言えば細い「すじ」の方が、つゆの絡みが良いと思う位。専らいただきもので満足しています。

出家とその弟子。じゃなくて、そうめんとその友は立派なブランチ。デザートは、アンバサダークリーム(カロ食彩3)に果物を添えた1皿など。

夏の休日はこのあと昼寝。
晩御飯は海鮮チャーハンに冷たいスープなど如何。

美しき身のふりかたよそうめんつゆ 永末恵子

ラリック 浴み                                        


   




     







ナイスバディを流れ落ちるのは勿論そうめんです^^・・・・
saison de karo 12

野の蛇の交差するとき上下すや 安井浩司

縄文の蛇


くしゃくしゃになったスカートの中で、すっと小さな蛇が逃げ出した。岩の割れ目から今を待っていたように、鋭く体をくねらせ、出てきた。あっ、声がもれたかもしれない。二匹目が逃げ出した。小さな赤い蛇が水晶のような目で、静かにみつめている。

                            中沢けい 『海を感じる時』


クリムト水蛇


                          『水蛇』