saison de karo 30

十五歳抱かれて花粉吹き散らす  寺山修司

たんぽぽ


ねこくしゃみ

                           ゲスト くしゃみねこ

ねこくしゃみ1


 二人  〈天気予報でも署名すれば詩になる一例) 寺山修司

東京  今夜 北の風 晴のち曇 
明日  北のち南の風 曇時々晴のち一時雨

福岡  今夜 北東の風 曇一時おそくなってところによりにわか雨
明日  北東一時南東の風一時雨日中は日がさす


天気図

晴れ



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saison de karo 29

草木のさわぐにまかす雛納め 中西ひろ美

うさひな

お雛様兎


saison de karo 28

人の気配する雛の間を覗きけり 中村苑子

みつめあう

愛とは見つめあうことではなく・・・


享保雛7

ふたりで同じ方向を見ることである

                         サン・テグジュベリ

享保雛6

ね、君何考えてるの?

あのね、前から思っていたんだけど

享保雛2

うち、リフォームしない?・・もうだいぶ古いし・・・せまいし

そうだね・・・ビフォアアフターにたのもうか・・・


享保雛3

広くなったら隙間風・・・家庭内別居・・・・

享保雛4

もう孫もいますの・・・・
saison de karo 27

雛の夜の母打つ父を泣いて嚙む 中村苑子

あなた  あなた・・・・


はい・・・はい・・・・・


あなた2
どこいってらしたの・・


はい2
・・・・・・・・・べつに・・・どこも・・


あなた3


うそ!・・また官女のところね!!!



はい3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



官女2

saison de karo 26

寒風を来し目にすこし涙ため 星野立子

鏡台


麗子は血に辷る足袋で、ゆっくりと階段を下りた。
すでに二階はひっそりしていた。・・・四畳半の姿見の前へ行って垂れをあげた。血が白無垢を、華麗で大胆な裾模様のように見せていた。

裾模様2


姿見の前に坐ると、腿のあたりが夫の血に濡れて大そう冷たく、麗子は身を慄わせた。それから永いこと、化粧に時を費した。頬は濃い目に紅を刷き、唇も濃く塗った。これはすでに良人のための化粧ではなかった。残された世界のための化粧で、彼女の刷毛には壮大なものがこもっていた。

化粧入れ


立上がった時、姿見の前の畳は血に濡れている。麗子は意に介さなかった。それから手水へゆき、最後に玄関の三和土に立った。ここの鍵を昨夜良人がしめたのは死の用意だったのである。彼女はしばらく単純な思案に耽った。鍵をあけておくべきか否か、もし鍵をかけておけば、隣近所の人が、数日二人の死に気がつかないということがありうる。・・・やはりあけておいたほうがいい。・・・彼女は鍵を外し、磨硝子の戸を少し引きあけた。・・・たちまち寒風が吹き込んだ。

              三島由紀夫 『憂国』

鍵