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      の一冊
            livre de karo
                                 
                                のはじめのしぶくごと  対中いずみ

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                  のある日、さんから水色のうつくしい句集が届きました。
                
                       まさに檸檬のようにしぶき、ほとばしる言葉に・・・。

                            対中いずみ句集『』からしたたることばをご紹介します。      カロ

                      
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                                     MushroomHunter.jpg                                         
              
                           色の雨のせてゐるかな
                                     は肌色、茸は何色でしょうね。 
                             やさしい物語がまりそう・・・。    

                                        la painture jugem

                             『不思議の国のアリス』 きのこを食べると、アリスの体はぐんぐん・・・!


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                の小玉は小玉ばかり吊す
                           姿のそろった玉葱たちはのように仲がよい。

                illustrain05-yasai10 小  illustrain05-yasai10 小  illustrain05-yasai10 小

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                  粉吹芋にと秋の風  
                              わたしには、とてもこのように句をすることができません。
                   彼女に詠まれたじゃがいもとはなんとしあわせなことか。

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             いずみさんの言葉はいつもえめ、 人の気持ちをしのける、というところが少しもありません。

                それどころが、 自分の言葉の気配さえ、してしまおうとするような

                               詠ったあと、しずかに離れてゆくさえあります。

               追いかけて捕まえていなければえてしまう・・・。いいえ、

                      たしかにを触れていたはずなのに、いずみさんの言葉は そこにありません。

              そんなストイックな在り方が、彼女のを何にも代えがたいなものにしています。

                       こうした言語の展開は、、それも感性の際立つ女性にだけ、

                               ことなのではないでしょうか・・・。


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                                   のはじめのしぶくごと    いずみ

               いずみさんの、内にく秘められた言葉への情熱があふれだしたと思われるのが、

                       の句。  檸檬と言えば、あの美しいが浮かびますね。

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          そんなにもあなたはを待っていた  かなしく白くあかるい死の床で

           わたしの手からとったひとつのレモンを あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ

            トパアズいろの香気が立つ ・・・・・

            深呼吸を一つして  あなたの機関はそれなり止まった

             写真の前に挿した桜の花かげに すずしく光るを今日も置かう

                                                      高村光太郎  「レモン哀歌」

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                                          高村智恵子

                   remon11 (2)
 
      詩人、彫刻家、高村光太郎の妻は、自らも画家。 日本最初の女性誌『』の挿画も手掛けていました。

   女性が芸術に立ち向かうことのしかった時代、きびしい生活や製作上のみが高じ、彼女は心身を病みます。

                     道半ばで力尽きた智恵子をむ光太郎の詩。 

                                  のレモン。 そして、さんの檸檬。             

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                          高村智恵子画 『青鞜』創刊号

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                     秋めくや斑点多き 
                                  うつくしい班は、うつくしいのうつくしいのことか。                      

           琵琶湖のにお住まいの俳人にとって、湖を詠うことはライフワーク。

                    檸檬のも、湖水の一滴なのかも知れませんね。

 
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                      俳誌『静かな場所』  可愛いねことレモンの水彩は画家作。

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                   いずみさん発行の誌「」。  さらりと清楚な冊子に、

       さん、さん、さん、いずみさんの句、さんの研究、

                      そしての作品の重奏が流れています。

             この静かな場所が育んだ句が『』なのでした。

       いずみさん、といえば、その師さんが思われますが、

                ここでは、いずみさんご本人の言葉にさせていただきました。

                          故田中さんも、それをんでおられるように、カロには感じられて・・・。


                                  小IMG_2788                       

          kitchen art
                                     kitchen art    
                                  
                        人待てばからだかな    いずみ
                            を待つのか、しずかに体をかたむけて・・・。

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                                        ルドン 

                                                 に石段があり渚あり
                                    どんぐりにはも、そして宇宙もある。

   
                                          hiraoka park
                                          左コナラ、右ミズナラのハカマと本体、だそうです。hiraoka-parkさんブログより
                   
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                                         クレー
      
                            紙コップねててて天の川
            わたしはこの句の前でいろんなことを思います。紙コップと人間の、そしてことの意味。
                                                     

                仰ぐ猫の粗相をひつつ  
                               いずみさんも猫家の由。

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                                    ねこの墓2
                                                      sosou しました。 すみません。 ねこ     

                               0602 (2)
                     
                       言霊のはじめのしぶくごと    対中いずみ        
                 
                  俳句は瞬時を詠うものですが、いずみ俳句に切り取られた世界のには、

                    言葉によるが実現しています。                   カロ                           

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                  Livre de karo 

               
                         の素顔だれにも見せないわ  鈴木砂紅
                  
                   源氏小
                                                          源氏物語絵巻 『柏木』

 
                       『物語』に登場するの君。 源氏の従妹にあたるこの方は、

                              源氏に幾度も求愛されながら、彼をけ続けた女性です。


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                                                       オキーフ

                 よく、学にも優れた朝顔の君に源氏は早くからを寄せていたのですが、

               かねて源氏のぶり(恋人が多いということね)を聞いている彼女は、いつも知らんふり。
                     
                                            asagao sikisi

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               源氏物語には、54の帖があり、それぞれしい名前が付けられています。

          『桐壺』から始まって、『若紫』『橋姫』などなど。

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                                                    写本 源氏物語 『横笛』  わたし読めません。


                          全編をのように多くの女性たちが横切ってゆきますが、

                  さんの句集 『』(にせむらさきいまようげんじ}には、

         それぞれの54句が収められています。 もちろん、他にも魅力句がいっぱい。

                     砂紅さんの句世界はでいながら、とても。 

                    あさがお 鈴木さん
                                                                                 
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             恋ぼたる 燃え尽き症候群   砂紅   『蛍』の帖
             源氏が親代わりとなって後見する少女(たまかづら)。 
                  オードリー・ヘップバーンみたいにちょっとボーイッシュ。 の魅力があります。
                     蛍の飛び交う夜に浮かび上がる彼女の姿は源氏をかきたてますが、
                            え尽きちゃったのは源氏でした。

                                                        松村公嗣 (2)

                    あさがお2
                                              菊池契月
                 
               からあるけばもう昔    『空蟬』の帖
                  空蟬も源氏が愛した人の名。 彼女も浮気な源氏をな目で見る思慮の人。

                                              ビール2

                   晩節を汚すの泡なめて   『若菜』の帖
              『若紫』の源氏はもう若くありませんが、 ビールの泡のような煩悩がと。


                     あさがお 鈴木さん2


                               e4bd7339a632be64d682e548d32f8c58.jpg                                                

      このころ、天皇ゆかりの未婚女性が斎院と呼ばれる位に就き、賀茂神社の祭祀を行うががありました。 

                 の君はこの役に選ばれます。 もちろん結婚も恋人も

            手のとどかぬ立場となった彼女を、源氏はれることができませんでした。

                 、姫は斎院を退き俗世にもどります。 

                      源氏はアプローチを再開しますが、またまたにされてしまうのです。

                『源氏物語』はみな心理描写で知られますが、作者はの君の心をほとんど語りません。


                      源氏 あめ100
                            ご存知紫式部さん 執筆中

                                               gennji (2)
                                                         ガックリ・・・。

                          書かれているのは、ふられてしむ源氏の様子ばかり。

                彼女のは、読者にも解らないように図られています。 

                     これは、朝顔の君から源氏へ届いた和歌。 求愛を お断り。

          はてて霧のまがきにむすぼほれかにうつる朝顔  朝顔の君

                       季節はへ移りつつ・・・
              
                  霧のよぎる垣根に咲くさな朝顔の花のように、わたくしのもどこにありますやら・・・。


                                藤島武二 朝顔と婦人
                                                       藤島武二  朝顔   
                                           

                                    理想的な男性源氏を、遠ざけるのか。

                            彼女の存在は、ついにけない女性心理の象徴であるようです。
                                     

                      源氏 あめ3


                  や開かずの踏切なら会える  砂紅   『夕顔』の帖

 
                             源氏物語には、朝顔の君とは反対の、

                      寄って来る男性はして拒まない、というセオリの持ち主みたいな方も登場します。

            その名もの君。  彼女は源氏の親友、頭中将と愛人関係であったのですが、今は

                         貴族といってもに近い階級の女性です。


                                      asagao karokarokaro 


                      源氏小2

                                                                       
                               ふとしたことから源氏に見初められると、という間に仲良くなり、

                        源氏が通ってくれば優しくえ、別邸に誘えば、ついてゆきます。                        

                男性の言うなりのようで、いつもおうよう、彼女は意外にい人なのかも知れません。

                     こちらは夕顔が源氏へ向けて書いた歌。

                あてにそれかとぞ見る露の添へたる夕顔の花  

              わたしは夕方に咲く花ですけれど・・・。 意味深な即興歌。

                           おっとりとしたで、なかなかアクティブな夕顔の君。

                        あさがお 扇面夕顔図 酒井抱一 山種美術館
                                            酒井抱一  扇面夕顔図


                                        や開かずの踏切なら会える       砂紅
                   やさしく幸せそうな夕顔ですが、彼女を待っていたのは、ただよう悲劇的な最後。
                           開かずのとは、そのことかも。


                      の素顔だれにも見せないわ    
                             すきなのか、きらいなのか、 本心をあかさない朝顔の君に。                      

                                              朝顔酒井抱一
                                                       酒井抱一  朝顔  

                          IMG_2759.jpg                                               
                        
                           さんの朝顔句と夕顔句をべ読むと、

                      自ずから朝顔の君と夕顔の君の性格、の違いがあらわれます。                 

                プライド高く男性を翻弄するの君。  受容的で男性を魅了するの君。
                      
                           が良いでしょうか? 、どっちも良いですネ。 


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                             20130802003828d1a (2)
                                             ルドン
                                    
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                、朝顔句と夕顔句をで・・・。             

                                   顔なにかがる身のほとり  長谷川秋子 
                       
                  しくもまた顔のさかりかな   夏目漱石
                        秋子句と漱石句は、同じことをう言葉で詠んでいるみたい。   

                                                    
                                                     サロメ114         
                                                                       オキーフ                                                   
                 a110bd5f878bdfbf2131c176debbe282鈴木其一
                                          鈴木其一

                       朝顔の紺のかなたのかな   石田波郷

                                  顔のひらくしずかなり  波郷
                     波郷の朝顔と夕顔は、もっぱら時間の過ぎ去ることのさに向けられていますね。


                               IMG_2358 (3)


                                        あさがお1
        
                  顔は下手の書くさへなり  松尾芭蕉
                        お弟子さんのことを謡ったものとか。 芭蕉なかなかおです。


                   ナイフ

                               がほの花より月出でぬ  室生とみ子 
                                   夕顔もを見ているのでしょう。
                                           
                                                    ・代・縺薙>縺ウ縺浩convert_20150730231442

                                朝顔やを遂げしごとしぼむ  日野草城
                             夜明けからたった数時間、かにしぼむ。 うらやましいほどのいさぎよさ。

                                 m_0075-f6742 neana
                                                     neanea                      
                            
                   顔はしずかにを吸いはじめ   高岡修
                          夕顔はのように大きく詠まれています。

 
                                も終盤となりました・・・。   カロ
                                       
                                            asagaoB002.png

         
 
       の一冊
               livre de karo


                                    一の妻やってます心太  らふ亜沙弥 
         
                らふところてん

                                                  100パーセント6 (3)

                           ラベンダーらふ             
                                               photo Tatyana Dyakova


                  さんは夫人。 衣装も持ち物も車もずくめ、 唇も爪もだ。

                     しかもこの夫人、フットワークがとても軽い。

                       ランチの時間に京都に現れ、夕方にはもう横浜を歩いている。


                                             らふ亜沙弥著 『世界一の妻』 帯文より  

                                  
                               冬すみれ4
                

        どうしていつもの服なのですか? と聞かれるとの服しか持ってないんですとえることにしている。

                                                             『世界一の妻』

                     カンディンスキー 響き合い 1924 ポンピドー (2)
                               カンディンスキー 響き
                                らふプロフィル_LI
                
                          としたお顔立ちと姿勢の良さ、そして卓抜の言葉。

                       さんは、いつもその場のです。 

                  最近お会いした時も、もちろん深いのシルクのプレタポルテ。 

                 ファッションの発端は、洋裁のプロでいらした叔母さまとの生活から、だそうです。

                         句集『』の句々もまた、センスとウィットに満ちています。


                             らふ表紙これこれこれ

                          らふフォンてーん夫人 (3)


                    にも間違えました夏の恋    
                                多少間違えないと、恋はまりませんネ。  
              
                                 二の腕のらかすぎる夏の
                                                    恋はとびきりの

                    20160721202644e3b (2)                                           

                                らふはなび


                    ずれて聞こえる片想い
                          、ずれているって、とてもステキなこと。


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                                                 ひまわりやにはのマヨネーズ
                                       マヨネーズにもがあった!

                                                   2010072916414250a (2)

                          らふerisho
                                              erisho                     

                                 さんの句に理屈はいりません。 美しいその姿のように、

                           彼女の言葉は、よく、小気味よく、いさぎよい。 

                 今回コラボされたもとびきりの面白さ! その一端をどうぞ!  


                                       らふ花


                   の電車に混んでるなと思いながら乗り込んだ。

      次に、五歳位のが母親に手を引かれながら乗ってきた。

                      私はドアの横に凭れ、彼女はドア前の真ん中に立つ。

         駅ごとにんでくるので、私の確保していた場所を彼女に譲ると、私をじっと見上げてくるのでみを返した。

        ・・・・私はねなの、秘密よ と、私が長く伸びた色の爪を彼女に見せると、信じたのか暫く黙っていた。


                                      ブラームス10 (4)
           

        ・・・・の駅で降りるらしく、母親が又礼を言った。

               ドアが開く寸前、何か思い切ったように、 きったほうがいいよ と彼女。

         切れないのよ。 がかけられなくなってしまうから と答えると、

                母親は何度も済みませんとりながら彼女の手を引っ張り降りていった。

                     彼女は見えなくなるまでを振ってくれた。

                                              らふ亜沙弥 「」  『世界一の妻』


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                                     野の一方的に生きている
                               魔女的生き方のことかな? お会いした時教えてネ。


                              らふiwakiland
                                                        iwakiland

                               青山椒つまんでみたらがない
                                噛みしめれば、は・・。   

              時々は女になってが咲く
                        らふさんの百合は色と班がゴージャス。

                                              らふゆり

                は昼寝してます恋もせず
                                       寝姿。      

                     らふワイエス
                                                        ワイエス 夢
                           
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                                       hanaya87

                                      
                    の頭重くして倒れ
                                鶏頭のことでしょうか。それともかのこと?

                                       帰りたくなったら帰ります
                                          帰りたくなければ、ここにいます。

                                     hobbytimes.jpg
                                                                   hobbytimes

                           100パーセント6 (2)

                                     6f3f2a94e98ca70361b980f66598a3bc (2)

                          どうしてもたべたいをむく
                             山頭火が思われますね。 お味はきっと

        らふアレキサンドリア
                              
                         マスカット・オブ・が本妻
                                        人は巨峰か。

             菊に埋もれています
                              菊の香は馥郁とさんの言葉から...。

                              らふswebry


               、そして者として、それぞれを大切に生きるさん。

                    葛藤も心配も、濃淡のの中に仕舞われて・・・。


                                      らふところ

                                           やってます心太  らふ亜沙弥
                       世界一と言葉にできるのは、に世界一だから!

                                           らふフォンてーん夫人 (3)
              
                        らふ表紙

                                            rahuパープル


                   
 
        の一冊
               livre de karo
                 
                               かたつむりまれしのちはの如し   阿部青鞋


                かたつむり2


                路上に落ちたが踏みつぶされる。

                   可愛そうな光景ですが、俳人は、それをのようだ、と語ります。

                     ? どうして、と聞き返したくなるような言葉の発想。 
                                                               かたつむり小小

                              IMG_0383 (2)

                   にも・・・
                            緑陰はそのまゝに似て    青鞋 
                                    われてみれば納得?してしまう!

  
                               e804cca43de806299d3b3a7c8e5993d2.jpg


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                       八月はを買ふにふさはしき
                           真っな飾り気のないお皿ですね、きっと。

                                月光のなき匂ひかな 
                                           月光は人間を陶酔させ、にさせます。

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                                           陌ケ・狙convert_20170104013833


                            の虹にあらずとすぐ思い
                                      ひとりじめにせず、誰かにえるものでしょうか。

                      めて読めば、みんなビックリ!の奔放さ。

                           詠者ってどんなひとなのでしょう。


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                      あやめ足に結ばんの緒  松尾芭蕉

                青鞋のは芭蕉句からきているのかも・・・?


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            長い間、カロのであった俳人(1914~89)を顕彰する冊子が刊行されました。
         
                   俳人が長く住んだ岡山県の句誌「」「」のメンバーが中心となって、

                           彼の作品と人生をったもの。

                                題名もズバリ『』です。

                                                IMG_0469_convert_20170624225217.jpg
               

                   ゆかりの俳人との交流(伊東敬郎、沼本養丱、下条泱布、中川專子執筆)、

           との親交(遠山陽子執筆)など、興味のきない内容となっています。


                      カタツムリ5
                                      阿部青鞋 やさしそうですね。背景は瀬戸内海か。 『青鞋』より 

                                                     
                        大正の初め東京に生まれた青鞋は、をめざしますが挫折、

                語学の勉強を重ね、戦争後、疎開していた岡山県町に奉職、教育部門に携わります。

                          後年、来町した宣教師に影響をうけ、となりました。


                                    岡鹿之助捧げもの
                                                   岡鹿之助 『捧げもの』
 
                              キリストよ三色咲きにけり   青鞋

    
           青春期の失意、戦争や宗教、な体験が彼の特異な言葉を作ったのでしょうか。

                  青鞋を愛しこの冊子を編んだの俳人たちによるをたどって、

               深く青鞋句に分け入ってみましょう!
                                              georgia-okeeffe-petunias-in-oval,-no_2
                                                               オキーフ

             をかきおそろしくなりぬ  青鞋
                       いま書いた半円は「」である。この頼りなげな線に囲まれた空間。
                 これが私の半生なのだ。すると、この向こうに「」があるはずだ。   永禮能孚

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              聖堂へ嘔吐のやうなが出る   青鞋
                   聖職に身を置いていた作者の目には、聖堂を取り巻く環境は厳しく、
                      美しい色彩のも小説『嘔吐』に書かれた生活臭のない無神論的虚無性、
              実存主義的なものに見え、それに覆われているように感じられたのであろう。  福島閑雀


                                                vol24_2-1-1024x768dcm.jpg
                                     かたつむり小さいご
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                柚子の木に柚子の実なくてがふる   青鞋
                       戦病死したんでの作に思える。
                           実景句と見ることも勿論できるが、YU音の頭韻が哀切を深め、
                     共にあるべきはずだった命の喪失感を訴えてやまない、
                          そんな句に思えてくるのだ。   妹尾健太郎

                暑き日の壁うつりゐるかな  青柚子 
                           青柚子と渡辺白泉が中心であった「」誌に青鞋も参加しました。   


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          夏の人顔を上げざりき  青鞋
      「夏の人」とは死者のことではないか、大勢の人が私の前を去り、くへ行ってしまった。彼等は思い出す度に
            若々しくなって来る。少年になり、少女になり、真夏の夕暮れの中でってさえいるのだ。  山田紳介
 

              がそっくり一つててある   青鞋
                       目の前に棄ててある「想像」が立ち上がったとしたらどうだろう。
         「想像」の内容がありありと見えて面白い。シュールなの絵の世界だ。   小林直岑


              記憶の固執The Persistence of Memory
                                    ダリ 『記憶の固執』


                     梟の目にの月夜かな   青鞋
                「の梟は夕暮れに飛び立つ」という言葉を思い起こす。
                   肉体の衰える老境期になって知恵は深くなるの意である。  有元露庵


                                アクロポリスの破風の一部アテナ前5世紀あ
                                       ミネルヴァ(アテナ)は勇気と知の女神 アクロポリス


              運動会みてゐるひかけの顔   青鞋
                    運動会に於ける応援者の大昂奮の一テンポ前の不安感、期待感を余すところなく表現し、
       次の場面が自ずと大声援であり、昂奮のである様子が見てとれる仕掛けになっている。  髙村蔦青

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                               諏訪さん4 (2)小

             口をぢながら浴びるや花吹雪  青鞋
           春は別れの季節、出会いの季節と言います。桜は見る人ので、楽しく見えたり、悲しく見えたり、
                 不思議な花ですが、美しいことに変りありません。          
      ・・・その日タクシーで行き、降りるやいなや、凄い花吹雪に逢い、「ワー」と思い、目をじて息をせず、
                一瞬の出来事でしたが、花吹雪の中に居ました。  小林透亘

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             悲しみは我にもありとくる  青鞋  
               法則、因果律、摂理。 「」で総称されるこれら不可抗なる統率者たちに、
                  血の通った生身で対峙させられる者の苦悩。
                        諦念が。   長谷川漱若


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           草餅のなさけ容赦もなき  青鞋 
                (青鞋は)幼児の時、寺の住職の跡継ぎになる為、叔父の所に何回も行ったり来たりしています。
          は情を断ち切れず何回も会いに行き、最終的には青鞋は我が家に帰っています。
                    蓬はを想う「極限の匂い」ではないかと思いました。   豊田級衣


                           白い葱含羞を失えり    青鞋 
                  々しい新鮮ない葱の肌を見て、怪しからぬことを考えてしまった。ああ。
             修行がまだまだ足りないと思われたのであろうか・・・。  竹内亨佑


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                                                          マン・レイ

                 ゆびの日といふ日もしと思ひけり   青鞋
                      耳も目も歯も、なくてはならないものだが、直接近くに見えてよくいてくれる指、
                   その「の日」がない。  黒瀬琢葉


               ごころ敷居のあぜに指触るる   青鞋
                    その指は手ではなくの指。夏が来ると、障子やふすまが開けはなたれて
              自由に出入りでき、閉まることはありません。 その自由を「、夏を踏んだ」と・・・。  福島翠夕


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                                                            オキーフ


                 くさめして我はに分れけり  青鞋
                    のようなところがあって惹かれる。
                         ひとりの人間が持つ宿的な二面性なのかも知れない。  右手采遊


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                                         オキーフ

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                   感動のをあぐるトースター   青鞋
                  この句を見た時、妙に懐かしさがこみ上げ、そして、としたような微笑みが生まれた。
            最大の魅力は上五の「」の言葉である。   小川蝸歩  


                                             金魚1 

        金魚屋のなかの多くのを見る   青鞋
             んでいるのかっているのか。青鞋にとって水がどう見えたのだろう。 
          「の意味」を読む人にゆだねているように思う。  武本明波


               ためにキャベツを育て居り  青鞋                   
                  ひっぱたいてやりたい人もいただろう・・・。想像することは自由で、にも邪魔されない。
                             そのものだ。  高田憬  

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              かたつむりをたててねむりけり  青鞋 
                  かたつむりとは、いったいをさしているのだろうか。
                    かたつむりは雌雄同一の生物である。 従って擬人法で考えれば、
                     青鞋本人と妻のをかたつむりで表現したのではないかと考える。  春名風来 


               カタツムリ4
 
   
                 美作を愛し、町の文化に貢献した青鞋でしたが、

                    難病に倒れた夫人の介護のため、娘さんの住む都下の町へ居。

                       び美作へ戻ることはありませんでした。

                    彼はを思う心のひとしお深い愛妻家であったようです。


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            妻の看病に自らの時間をげたこともあり、いわゆる俳壇からは遠く、

                 彼の作品が、まとまった形でみにくかったことにはそんな事情もあるのでしょう。

                     それだけに『』の刊行は画期的なものと言えます。

          オリジナリティーにれる作品群は、初々しい冊子の中で、

                 定型詩のを言い当てるような先見性さえ感じさせていています。     カロ


                      かたつむりまれしのちはの如し   阿部青鞋
                           かたつむりは天にって!                


              かたつむり3

                                            かたつむり小小
 
            の一冊
                 livre de karo


                                   一本の置いて来し  諏訪洋子

    諏訪さん11


                                       諏訪さん9
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                         句集『』 インパクトのある忘れられない題名ですね。

                                  その内容は、まるでの花吹雪!
                      
      
         諏訪さん12
       

                   紙ふぶきびた者から蝶になる                  洋子
              
                       これよりはよと髪を梳く

                          蜘蛛の糸は自在に不自由に

                            を漕ぐ行く方へ来し方へ

                               人に火にのあり野の遊び


                  集中から花びらがだすような、

                        紙片、蝶、鶴、紙、蜘蛛の糸、ふらここ、そして足跡と火。 言葉。   


                                           さくら2                                                          

                                 春愁のどこにも見あたらぬ    洋子

                          諏訪さん14  
             
             洋子さんがくださったお手紙に、

                  「先の休日は家族のためにごしました」と、書かれていました。

               と家事に手をつくし、身辺を整える・・・。

                     の中の洋子さんはいかにも、しとやかでおだやかな家庭人という感じがいたします。

                  、ある時の洋子句は、またある時は奔放です。


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                            ダ・ヴィンチ 女性の頭部 newimg
                                                                                 
                                              Leonardo-da-Vinci-Head-of-the-Virgin-Mary-Metropolitan-Museum-of-Art.jpg
                                                          ダ・ヴィンチ 『聖アンナのための素描』       
             椿芯は海鳴りかも知れぬ
                           じっとえているようで、内面はとても自由。

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                           春風にという字解き放つ
                             前句では内部に秘められていたが、こちらでは風のなかに・・。

 
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                        記憶の母は草書体              
                            楷書の母はきりっと、そして草書の母はやさしく。

          かなで書かねば風になれぬ
                           この二句も一対であることを感じさせます。
                                        さくらと秋桜は女性のを負っているよう。


                  コスモス

              
                                     山本丘人
                                                                 山本丘人   
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                        渡月橋の北詰に来て一休みした後、を拾って平安神宮へ向った。

                名木のが、今年はどんな風であろうか、もうくはないであろうかと気を揉みながら、

                           毎年廻廊の門をくぐるまでは胸をときめかすのであるが、

                 今年も同じような思いで門をくぐった彼女達は、ち夕空に広がっている紅の雲を仰ぎ見ると、

                                   皆が一様に、!と感嘆の声を放った。

                                                      谷崎潤一郎 『

                              
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                 彼女たちは、ああ、これでよかった、これで今年もこの花のに行き合わせたと思って、

              何がなしにとすると同時に、来年の春もまたこの花を見られますようにと願うのであるが、

     幸子一人は、来年自分がびこの花の下に立つ頃には、おそらく雪子は嫁に行っているのではあるまいかと思い、

   自分としてはしいけれども、雪子のためには、どうぞそうであってくれますようにとう。

                                                                   『細雪』
                                           諏訪さん3
                                            

           谷崎潤一郎の長編小説『』は、現代で言うストーリー。

             戦前、大阪船場で権勢を誇った商家にまれた姉妹のうち、まだ未婚の三女と末娘。 

                                             209e05ecf5dd8920098f8e9d4e6d98c4 (2)
                                                                  森本草介
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                                     高塚省吾

                雪子は人前ではものも言えないな女性ですが、こと結婚相手に関しては、

                  嫌なものはと、妥協なし。 一方の妙子はたくさんのボーフレンドに囲まれながら、

                          もう本命にめぐまれず・・。

                       のように妹たちを気遣う幸子のモデルは谷崎夫人の

             一本の桜に寄せるいは、深く、そしてです。


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                                          ラファエロ

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                          を背景に、まさに小説通り、実写『細雪』。 撮影は谷崎自身。
                    左から雪子のモデル重子、妙子のモデル信子、ふたりとも谷崎夫人松子の実の妹。
                           おかっぱ少女は松子夫人の最初の結婚の娘恵美子、右端は松子。
                                   谷崎は生きがいのようにこの四人をしました。


                                      満開6

                        たちは平安朝ののようですが、

                   写真が撮られたのは、太平洋戦争に突入するころ。 

            描かれたな上流生活は、時局に逆らうものとして、雑誌掲載を差し止められてしまいます。

                  発表のめどもたたないまま、谷崎はしい生活を壊す権威に抵抗するように、

            戦時下も、やがて「昭和の」と言われることになる作品を書き続けます。

                和でな文章は、無益な争いを憎み、文芸を守るに支えられて生まれました。

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                       鳥帰るの中のうすけむり    洋子
                                 後朝のことばは立ち上るのように消える。

                                              さくら2
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                                      ていねいにたたむ身をたたむ 
                                 身を、という文言に、
                       どこか谷崎風の王朝を感じるのはわたくしだけか?

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                                      河なかにがあるなり朧月
                                         河は身体、川は

                                                  IMG_0445 (3)
                          

               諏訪さん15
                   

                     春の海つなる  洋子

         この句を読んだとき、呼び起こされたのは、

                     花葡萄れる女の  安井浩司

                 殊に団塊の男性たちに絶大な支持層を持つ孤高の俳人のこの句に、

                     句は、嫋々と、しかし堂々と対峙する大きさを持っていますね。


                                     yoimatigusa_gazou (2)


                      周囲のためにを惜しみなく使って生きながら、

              さんの言葉の中には、誰にも入っていけないな領域があるようです。

                      そこには、一本のが、に花びらを散らしています。


                                            土牛_醍醐
                                                                 奥村土牛 『醍醐』

                               一本の置いて来し  諏訪洋子


                     さくら  
                                                                                  
                                                 諏訪さん1 (2)


                               近づけばいたち、遠のけばしく、

                       諏訪洋子句集 『』は、

                 多面にかがやく女性のことばがりそそぐ一冊です。   カロ

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