歳時記

              saison de karo 


                           初夏のこれがの煙草かな  芳野ヒロユキ


                       2010626134231853_convert_20160424185017.jpg




                   禁煙なんて簡単なことだ。 私はもう回も禁煙している。

                                                         マーク・トウェイン    


                                               煙草1
                                                   マーク・トウェイン    


                 辣呵拷・難シ。・「・。・ェ_convert_20160424200938

                       マーク・トウェイン 『ハックルベリー・フィンの冒険』

                            ハックルベリー・フィンはトウェインのの少年キャラクター。



                            初夏3
                          
                                                                            

                 少年期はに続くべきものであり、また、現に続いてゐるのではないだらうか。

                                                     三島由紀夫  『煙草』


                                     ecf0f005ec41c452998ee432092a098a_convert_20160424220628.jpg
                           

                     私は学校を囲む起伏の多い森の中を散歩するのを好んでゐた。

               ふと、木の間に熊笹のすれあふがした。


                           sasanoha.jpg

                                    

                    小さな草地に寝転がつてゐた学生が身を起こしてこちらを見た。

                              彼等ふたりは私の知らない上級生だつた。


                                  img_1441.jpg


              彼等は明らかに、禁ぜられているを先生から隠れて喫むためにそこにいるのであつた。

                 一人はじろりと私を見ると、

                      手に隠していた煙草をすぐ口にもつていつた。

                ・・・・ 不意に目をあげて、

                     「!」と云つた。

              私は伏目になり、行き過ぎれば良いものを、そこにのやうに立ち竦んでいたのだ。

                    「一寸、ここへ来いよ」  「エ?]   「まあ、座れ」   「はい」


                                 初夏2


                      彼は新しい煙草を咥へてそれへをつけた。

                    「いいから吸つてみろよ」   「だつて」   「吸はないと火がえてしまふ」

              私はそれを吸つた。


                                              DSC_0204-1024x576_convert_20160424185044.jpg


                 img_0.jpg



              の匂ひに似たそれと香しいの匂ひが混ざり合ひ、

                    一瞬、大きな燃えてゐる熱帯樹のを見た。

              私ははげしくせき込んだ。

                   上級生はつた。 私は決まり悪さうに笑つて仰向けに寝ころんだ。

                         初めて喫んだ煙草を高く掲げて、目は半ば閉ぢ、

                  私は午後のくすんだ空のへ煙が流れてゆくのを見飽かなかつた。


                                   Redon9_convert_20160424185115.jpg
                                                          ルドン  『の馬車』

              麻酔にかけられた時間を破つて、

                        やさしい熱い声を私は耳元に聞いた。

                                   「名前は何て云ふの」

                       をくれた人がさう言つてゐる。
 
              それは、いつからともなく私が待ちこがれてゐたではなかつたか・・・。

                                                                     『煙草』 


                     煙草5
    
                                                                   

                                           51NRJ6QCPML__SX325_BO1,204,203,200_

                                       三島由紀夫 『書簡集』 表紙写真


                                b0210154_1822267.jpg
                                    

                       指定を守った喫煙は、個人の自由です・・・。

                        、みなさん、煙草はえめに・・ネ。     
                                                                カロ     
                   



                                           辣呵拷・胆convert_20160422193321   
                                                  晩年のトウェイン  喫煙中


                  IMG_0015_convert_20160424223638.jpg

                          芳野ヒロユキ句集  『


                      ネクタイは五月のをいそいそと

                                  カタバミをし始めているのかも

                                                            ヒロユキ


                                    E3818BE3819FE381B0E381BFE38080E7B791E89189-thumbnail2.jpg
                                                                                

                                                                                                                          
スポンサーサイト
 
  
         歳時記

              saison de karo 


                           逢いたくてきたくて菜の花になる  田中信克                       
                

                              20140401153050349_convert_20160314092629.jpg


                   の花を詠む時、みんな人間のことを考えるのですね・・・。     カロ



               な3

                         
                                の花がの花をはみ出してをり  五島高資                               

                                         はみ出したのは言葉、生き方、・・・。



                      IMG_7430_convert_20160325003448.jpg

                       
                    地球儀がに染まり菜の花忌  曾根毅

                        司馬遼太郎の日はまだ寒い2月ですが、菜の花とは作家らしい忌名。



                                      3E69C8820233.jpg



                             譏・_convert_20160326162750

                                              ポンペイ  春の女神


                             菜の花のごときものに欲し  平井照敏

                                    俳人がんだのは女神か・・・やさしい人間か。



                   な1
               

                     手にかかり菜の花めかな  桑原三郎

                         うすーい味にちょっぴりお醤油。
                                          

                                      E・レシピ
                                          E・レシピ

                     ca3ef5d3c921192fc1c0c44430e63877.jpg



                 人の世をと思ふ花菜漬  後藤比奈夫

                                最後はお茶漬けでる。


                                        20140401153058566_convert_20160314092657.jpg                                       
                                 

                 菜の花からならが見える  山本敏倖

                                   そのの停留所も見えそうです。



                                        yun_2504.jpg

                        
                    男性による男性のため)のの花句連発でした!   カロ                                                                        
                                      
  

          歳時記

                  saison de karo


                               自畫像の月つと動きけり  葛城綾呂


                                繝ゥ繝輔ぃ繧ィ繝ュ縲€繝代Ν繝溘ず繝」繝シ繝酸convert_20160307045655

                                      パルミジャーノ  『凸面鏡の自画像』



               ぼくは妬んでいるとも。・・・ぼくの肖像画を妬んでいる。

                    いつかぼくがってしまわなければいけないものを、この絵はなぜ、

                          いつまでも持っているのだ?


                                 b0104777_1452209_convert_20160313064628.jpg


                               ぎゆく一瞬一瞬が、

                          このぼくの体から何かをい去り、
                       
                  何かをぼくの肖像画につけ加えるのだ。

                          ああ、もしこれがだったら!
                                   
                  絵のほうが変化して、 ぼく自身はいつまでも現在の姿のままでいられるのだったら!

                          そうなるものなら、ぼくは、どんな代価も惜しまない。

                  そのためなら、だってくれてやる。
 
                                               オスカー・ワイルド  『ドリアン・グレイの肖像』 



               o0600045012766060501.jpg

                              

                                         繝ゥ繝輔ぃ繧ィ繝ュ縲€繝吶Ν繧ク繝シ繝酸convert_20160307045727

                                               べルジーノ  『若い男の肖像』
                
             20160312173615d47_convert_20160313070758.jpg

                  中原中也


                  見事に描かれた自らの肖像画を前に、大変なことを言っちゃった美青年、ドリアン・グレイ。

                                彼のいはなんと実現し、 

                       ドリアンはいつまでもく、彼の肖像画は、その身代わりのようにいてゆきます・・・。

                                めくるめく少女漫画のようなストーリーは・・・・!?       
                                                                          カロ


                  lgp01a201307152000_convert_20160314054923.jpg

                             デューラー  『自画像』
                              

                                            img_0_m_convert_20160314044617.jpg


                                aa586efdf2823913830f35913e5085d8-235x300.jpg

                                       ヴァロットン  『自画像』



                     そう、ぼくのった通り・・・ぼくの肖像はどんどん年齢をかさね、醜くなる。

                            ぼくは、が描かれたときのまま、すこしも変わらない。

                      ぼくが絵をめちゃくちゃにしたって?

                            いや、肖像画がぼくをめちゃくちゃにしたんだ。

                      ほら、狡猾で獣のようにどん欲な、ほんとのが、絵のなかにいる・・・。

                                                        『ドリアン・グレイの肖像』


                                           220px-Turner_selfportrait.jpg

                                             ターナー 『自画像』
                                                   

              ラファエロ1

                   ラファエロ  『自画像』   


                                                6D1_a1868a.jpg

                                                                            

                      闕蛾俣蠖檎函_convert_20160303230259
                                  
                           ありのままが・・・ のよ。  草間彌生
                      
                                                              
 

            歳時記
                   saison de karo


                            夜桜を見てのこと忘る  金田咲子


                           螟懈。懶シ托シ托シ偵・・斐・・廟convert_20160323135543
                                         http://jikandorobout.blog10.fc2.com  フォト 「時間日記」                            



                            つらいことはれるというが、その通りだと思う。

                                 発病のころの不安や、不安が次第に現実性を帯び、

                            それも、もっとも恐れていたのものになっていったときの

                                 悲痛なのうちなどは、ほとんど思い出すことがない。

                            れられるから、生きられるのだと思う。

                                                           上田三四二  『


         夜桜


                                     螟懈。懶シ誉convert_20160309015923



                 外来を訪れたのはだった。

                       前立腺の肥大は言うほどのこともなく、

                              半年後の受信を約して、一応の安心は得たものの、

                       のころには、どうかすると血が混じっているかと思われる尿の色を気にしながら、

                             再診を乞うのがくて、 一日一日をやり過ごしていた。


                           01_convert_20160309021522.jpg


                 今になって思えば、 わが怯懦は声をあげたくなるほどのものだが、

                         私は自分から目をそらし、れようとし、

                               一方では手遅れだとする深い恐れにさいなまれていた。


                                            ・門、懈。彑convert_20160309015903
                

                              夜桜見物は、の花見という気持ちがあった。

                       夜桜の下で、ぼんぼりのに浮いて、弁当を開く。

                 いちど、そういうことをしてみたかった。


                                      IMG_201211.jpg


                                  夜桜112・4・5
                        http://jikandorobout.blog10.fc2.com 「時間日記」                                                  
                 

                                        夜桜之図 (3)


                                 妻とふたり、にぎやかな車座と車座のあいだに小さく場所をとって、

                             しずかに酒を飲んだ。あたりは騒がしいほどよかった。

                       花はの上の弁当にも散った。

                                      夜桜之図
                                   村上華岳  『夜桜之図』


                       村上華岳の初期の作品に「之図」と題する、とろりとして、

                            男女ことごとくに化かされたか、それとも尻尾でもありそうな、

                                 妖しい感じの一枚がある。


                                螟懈。懶シ農convert_20160309012227


                       私は花に疲れ、花に憑かれてを失った。

                                  以来、病気が確定したときも、入院と手術のときも、

                       外来治療に移って、三年になる今ただいまも、

                                  に化かされ続けているのだと思うことがある。

                                  そして、だれかが肩に手を置いて、

                       君は無病だよ、息災だよ、と言ってくれる日をつ気になる。

                                                                『


                                       螟懈。懶シ廟convert_20160309012308
                                   

                    わたしたち夜桜の下。    カロ

                             
                                    夜桜 (2)
                      
                                                                     
 

            歳時記

                    saison de karo   


                            毎の入りにいのは  正岡子規


                                     彼岸4

                    

                    は卑怯だ。 彼女が次に云った。・・・僕は全く驚ろかされた。

                 ようやくにして「?」というわずか二字の問をかけた。すると千代子の濃い眉が動いた。
 
           なぜって、あなた自分でよく解ってるじゃありませんか。

                   解らないから聞かしておくれ。 僕が云った。

                      それが解らなければあなた鹿よ。・・・千代子は泣き出した。

                                                        夏目漱石 『過迄』

 
                                         彼岸1


                     628c60f24e889f6a06e26c20e278f0fe_convert_20160307054311.jpg


       
                 彼女はれた睫毛を二三度繁叩いた。

                       あなたはあたしを御転婆の馬鹿だと思って始終冷笑しているんです。

                あなたはあたしを・・・愛していないんです。つまりあなたはあたしと結婚なさる気が・・・。

                      そりゃ千代ちゃんの方だって・・・。


                               a0017634_23433_convert_20160307060812.jpg


                        まあ御聞きなさい。そんな事はお互いだと云うんでしょう。そんならそれでようござんす。

                   何も貰って下さいとは云やしません。

            ただなぜ愛してもいず、 細君にしようとも思っていないに対して・・・。


                                                     840591.jpg                                       


           彼岸3



                  彼女はここへ来てに口籠った。不敏な僕はその後へ何が出て来るのか、まだ覚れなかった。

                            御前に対して?と半ば彼女を促すように問をかけた。

                  彼女は突然物を衝きった風に、なぜ嫉妬なさるんです、と云い切って、前より劇しく泣き出した。



                             遶ケ荵・、「莠・_convert_20160307055142


                  僕はさっと血が顔に上る時の熱を両方のに感じた。

                          あなたはです。・・・
 
                                                                  『過迄』                                                                                                                                        
                                                        
                                                    彼岸2

                   
                     pussy-willow-489747_960_720_convert_20160307054342.jpg


                              これまるでオレのことだ、と思われた男性の方。

                                    あなたは卑怯ではありません。      カロ


                                今年の彼岸のりは3月17日。


                                                     lgi01b201405231800_convert_20160307064727.jpg