Goulue de karo  カロ食彩10

オニオングラタンを作ろう。

冬が来た。ご馳走は舌の焼けるようなオニオングラタン。一杯の白ワイン。

オニオングラタン


「長いことパリで楽屋生活をしていたけれど、寒いころの夜食といえば、『グラティネ』ときまっていた。
グラティネとはグラタンのことで、玉葱のグラタンスープの通称だ。夜中おそく仕事が終わって、御化粧をおとして、厚い外套に頬をうずめ、木枯の吹く表通りにでる。
『グラティネ食べていかない?』
誰かひとりがそういえば、みんな賛成して、まだ灯のついている角のキャフェへぞろぞろと入ってゆく。パリの安カフェのグラティネは、どんぶりのような瀬戸の焼きなべの中で、まだぐつぐついっているのを、テーブルまで運んでくる。・・・
スープの上皮はグラタンになっているから、上からではスープは見えない。だからこれは、フォークとスプーンを使って食べる。まずフォークで上皮のパンとチーズのグラタンを食べる。パンについたとけたチーズは、まるでチューインガムのように糸を引く、それを食べながら下のスープを飲むというわけ。」
   
         石井好子 『巴里の空の下オムレツの匂いは流れる』

ううーん・・・。美味しそう。
石井好子さんは、1950年代、モンマルトルの「ナチュリスト」(自然主義者の意味)というバルでシャンソンを唄っていました。

唄う石井好子


食彩の一回目、「オムレツを焼こう」で、「巴里の空の下オムレツの匂いは流れる」冒頭を引用したのですが、石井さんは、この夏、亡くなられました。CDも聴いたことがありますが、クラシックの発声でシャンソンを歌っている感じなのがとっても新鮮。シャルル・トレネやイヴェット・ジローの紹介者、訳詞者でもありました。そしてカロにとっては魅力的な食彩エッセイの書き手でした。・・・・

石井好子さんは波乱に富んだ人生を送られた方です。お父さんは政治家で、立志伝中のひと。好子さんは、戦前、東京音楽学校で学び、(クラシック調シャンソンはそれでか・・・。)「砂糖王」と言われた富豪のおぼっちゃまと結婚。終戦後、旦那さまと別れ、単身渡米、後に渡仏。苦労の末、シャンソン歌手として認められます。当時、フランスでジャポネ(日本人)と言えば、フジタ(藤田嗣治、画家)、ハヤカワ(早川雪州、映画『戦場に架ける橋』の俳優)そして「ヨシコ」だったそう。

ノートルダムのてっぺん

ノートル・ダムのてっぺん


オニオングラタン(グラティネ)の作り方

材料 玉葱三個。約4人前。これが最低。少ないと炒める時に焦げやすい。バタ、チーズ、(パルメザンもチェダーもとろけるチーズもとろけないチーズもブロックチーズも粉チーズも、何でも試してみてください。料理にタブーはなし。)フランスパン(食パンでも応用可)。スープストック(個型スープも可)。

玉葱


1 玉葱は半分にしたあと薄切りに。泣きながらひたすら刻む。
フライパンは大小、小さい方は、あまり薄くないソースパンなど、二種類用意する。
2 大きなフライパンにオイルをとって、すぐに玉葱を全部いれる。最初は中火。初めは、時々ひっくり返すくらいで良いけれど、キツネ色になってきたら弱火にして、まんべんなく焦げ目がつくように手を動かす。
3 量が少なくなってきたら、小さなオナベに入れ変える。大きなフライパンは手早く洗ってしまう。ナベを変えたところでバタを大匙一杯加える。弱火。焦げそうになったら火からはずして、ゆっくり、こげ茶色になるまで炒める。最初のフライパンから30分位はかかります。飴色を通り越して「たわし」色になったら火から下ろす。この段階ではあまり美味しそうではないけれど、気にしないこと。「オニオングラタンの素」は、冷凍できるので、たくさんつくっておけば、いつでも食べられます。

いためオニオン

4 お鍋に一人分大匙山盛り一杯の「オニオングラタンの素」をいれ、一人分カップ一杯の水と個型スープの素をいれて沸かす。塩コショウは控えめに、殆ど要らないくらい。(あとでチーズの塩気が加わるので)。もちろん、市販のとりがらスープでもおいしくできますが、こちらにもお塩は軽めに。スープを温めているうちに、パンを1センチくらいの厚みに切ってトーストしておく。
5 グラタン皿に熱々のスープを盛り、スープが見えなくなるくらいぎっしりパンを浮かせる。さらにパルメザン(種類なんでも)チーズを一人につき大匙1乗せる。オーブンを上火にして、こんがりと焼き色をつける。スープはもう熱いから、短時間、焦げ目をつけるだけで良い。

取り出す時は気をつけて。とってもとっても熱いから。食べる時も気をつけて、舌を火傷しないように。

石井好子さんの本を片手に、初めてグラティネを作った時のことを思い出す。そのころ、(結構昔)カロはフランスで貧乏な学生生活を送っていました。カフェで食べたこともあったけれど、脂っこかった。自炊の献立は、グラティネと茹卵、ファンタシトロン(レモン味のファンタ、フランス人御用達)だったっけ・・・・。いまでもオニオングラタンと半熟卵のコンビには郷愁がつのります。

半熟卵


ついでに『巴里の空の下・・』から、スペイン風半熟卵のいただき方。

「日本でも封切られた『モナリザの失踪』という映画の、あの主役女優トル―デ・フォン・モロは、いまド・リボン夫人となって、パリに住んでいる。ご主人のド・リボンはパリの劇場の持ち主で南米生まれのひとだが、私はその二人と親しくしていて、ときどき食事によばれた。

モナリザ

コックはスペイン人なので、よく変ったお料理が出たが、そのひとつで名前は知らない、半熟卵がカラごと、エッグカップに入って、お皿の上に乗っていた。卵の先は、黄味が見えるくらいのところまでカラごと切ってあって、別のお皿には、食パンのミミを油であげたのが数本配くばられた。
ミミを、つまんで、半熟卵の黄味とおぼしきあたりに塩を少々ふり、ブスッとつきさすと、ぬらっと黄味があふれるように出てきてパンにくっつく。それをかじって食べる。・・・とても美味しかったことが忘れられない。食べた時、窓ごしにセーヌ河が見えていたことまで、こうしていても目に浮かぶ。」

パリの冬


こんがり焼いたバタートーストに半熟卵を崩して乗せ、軽くお塩を振っても味は同じ。お醬油一滴。こってりさせたかったらオリーヴオイルも一滴。寒い朝に。

卵と麺麭


金屏に夢見て遊ぶ師走かな 文考
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Goulue de karo  カロ食彩9

アップルパイを焼こう。

林檎2

林檎は厄介な経歴の持ち主。

林檎を食べると楽園が消える。

eve_apple.jpg


神はどんな樹の実も食べてはならぬと言われたのか。
蛇が女に向かって言った。女は答えた。
樹の実は食べても良いと。ただ園の中央にある樹の実だけは食べてはならぬ。お前たちが死に至らぬ為だと。
蛇がまた言った。
お前たちが死ぬことはない。食べればお前たちの眼は開き、全てが見えるようになる。神はそれを恐れたもうたのだ。
女はその実を食べた。男にも与えた。たちまち彼等の眼は開かれ、己の裸であることを恥じる心が芽生えた。
旧約聖書 「創世記」


甘くて酸っぱい、小粒な体のなかに背負い込んだ二律背反。セザンヌのりんご。カラバッジオのりんご。食べちゃいけないと言われると無性に食べたくなる。究極のフルーツ、林檎は人間を捉えて離さない。

林檎セザンヌ                  セザンヌ「林檎のある静物」

皮を剥いただけでもトッテモ美味しいのですが・・・。

カロ風アップルパイの作り方 (ちょっと大きめ一人分パイ3つ分)

材料 林檎4個。フィリングにする林檎はスッパイ方が良い。紅玉がお勧め。
砂糖100グラム、バタ、レモン、シナモンパウダー、ブランデー少々。
パイ生地の材料 薄力粉150グラム、強力粉50グラム、バタ100グラム。

1 パイ生地を作る。
薄力粉、強力粉は手でさっさと混ぜ、(めんどくさいので「ふるう」のはいつも省略)バタは1センチくらいにぶつぶつ切る。フードプロセッサーにみんな入れ、1分くらい混ぜる。フードプロセッサーがなければ、ステンレスの大きなボールに入れて両手でにぎにぎ・・・。お水コップ半分くらい足して、もう一度プロセッサーに、今度も一分くらい。
ステンレスの調理台を拭いて、小麦粉をよくふっておく。パイ生地を取り出す。生地をまるくまとめて、面棒でうすく伸ばす。バタが匂う。カッタ―で半分に切る。もう一度まとめてうすく伸ばす。時々粉をふる。これを3,4回。この辺はひたすら粉にまみれてがんばる。
ラップに包んで冷蔵庫に入れる。一日置くと落ち付きます。

林檎フィリング

2 フィリングをつくる。
林檎は皮を剥き、芯を取ってうすく切る。
きれいに拭いた中なベに林檎をどっと入れ、半量のお砂糖をかぶせて中火にかける。林檎の皮を細長いまま一個分入れる。(色付けのため。ほんのりピンクになります。)じっと見ていましょう。砂糖はどんどん溶け、林檎からジワジワと水がでてくる。バタをひとかけ、シナモンパウダーをふり、ブランデーを「とくっと」入れる。林檎が透けてきたら、もう半分のお砂糖もいれる。ここで火を弱め、焦げ付かないように時々混ぜる。とろりとしたら火をとめて、レモンをぎゅっとしぼる。大きく混ぜて、そのまますっかり冷ます。最後に林檎の皮を取り除きます。(結構美味しいから齧ってしまいましょう。)

3 バタ大匙1とパイシートは冷蔵庫からだし、やわらかくしておく。パイシートは、3等分して、面棒でなるべく薄く伸ばし、A4ノートより一回り小さいくらいの大きさに広げる。指先で、うっすらバタをぬる。フォークでぶつぶつ穴をあける。生地の手前にフィリングを大匙山盛り一杯のせ、二つに折りたたむ。大匙1のクレーム・オ・ラングレーズ(カロ食彩3 生クリームを泡立てよう を読んでみて)を一緒に入れても結構です。フィリングは余るので、ジャムがわりにトーストにのせたり、紅茶に入れても美味しい。
パイの合わせ目をフォークでしっかり押さえる。卵黄を溶いて、ほんの少し水を足し、調理ブラシか、なければ指でパイの上にたっぷり塗る。

4 オーブンの天板にアルミフォイルを敷く。パイをならべる。200度で10分くらい。上火が強いようなら、上にフォイルをかぶせる。余熱で10分くらいそのままにしておく。

パイを上手く焼くために・・・。時間がタップリある時、片手に紅茶茶碗を持って飲みながら、オーブンの中を逐一見張り続けること。遣いなれたオーブンでも、素材、季節などで焼け具合は違ってきます。時間的にセっている日は止めておいたほうが・・・。しかし、手間と時間をかけてやり遂げると、焼きたてパイは、多少焦げても生でも実に美味しいものなのです!

焼き上がったパイ。
ほのあたたかい位に覚めたら、バニラアイスクリームと生クリームを乗せて、ア・ラ・モードにしましょう。

アップルパイアラモード


パイシートもフィリングも作っておく時間のない忙しい方に・・・。
超簡単カロ風アップルパイの作り方 

材料 林檎、冷凍パイシート、砂糖、バタ。

1 冷凍パイシートをおなじみA4マイナスの大きさに広げ、フォークでストレス解消になるくらいぶつぶつと思いきり穴をあける。バタを塗る。ここに芯を取って薄切りにした林檎4分の1個(生のまま)を乗せ、お砂糖を小匙一杯振りかける。あればブランデーをちょっぴりかける。パイ生地をたたんで(りんごが煮えると水分がでるので、ふんわりと包む)アルミフォイルを敷いたオーブンに入れる。焼き時間はフィリングを使った時と同じ。200度で10分。時々パイが破裂して焦げるけれど、そこが美味しい。カフェオレで。

ついでにミートパイも焼きましょう。

ハンバーグの種を生地に包んで焼くだけです。

ミートパイの作り方(小ぶりのパイ6個分)

材料 牛ひき肉200グラム、玉葱1個、しいたけ3,4個、ピーマン1,2個、卵、パン粉、ミルク。
パイシートと卵黄。

1 玉葱はみじん切り。サラダオイルでよーく炒めておく。しいたけもピーマンもこまかく切る。
炒めた玉葱、他の野菜、卵一個、をボウルに入れる。ミルク少し、パン粉をざくざく入れる。塩胡椒、お醬油をちょっぴり入れて、手で練る。6つに分けてまるめ、真ん中をへこませておく。

2 アップルパイと同じように、ノート大のパイ生地に粉をふり、ミートを包む。(ミートパイは、生地をふたつに折るより、四隅を持ちあげて包んだほうがやり易い。)ひき肉をすっかり炒めてから、つまり出来あがったハンバーグをパイにはさむよりも、こちらの方がしっとりとします。アップルパイに比べ、若干低温で、余熱の時間も多くとること。
180度のオーブンで15分。ミートパイもしばらくおく。
オーブンを使う時は、洗ったサツマイモ、じゃがいも、里芋、なんでも横に転がしておくと、各種焼き芋も一緒にできて便利。

ミートパイはあっさりとコンソメで。ポテトサラダを作って、お皿には、キャベツ、レタス、白菜(生でもいける)、大根の千切りも山盛りに。そのあと、アップルパイのダブル・パイ・メニュー。たまにはこんな晩御飯も。(しつこいという方は、林檎を剥いたのをデザートにしましょうね。)

白雪姫と7人のこびと



お妃は、ドアをたたきました。白雪姫は、窓から顔を出していいました。
「だれもいれちゃいけないっていわれているんです。七人の小人たちが、いけないっていったんです。」
「あたしはだいじょうぶさ。」とお百姓のおかみさんはへんじをしました。
「あたしは、このリンゴをうまいことしまつしなきゃあいけないんだよ。ほら、あんたに一つあげよう。」
「だめよ。」白雪姫は、いいました。「あたし、うけとるのがこわいの。」
「毒のことを心配しているのかい?」と、おかみさんはいいました。「ごらん、あたしゃ、リンゴをふたつに切る。あんたは赤いほうを、あたしは白いほうを、とることにしよう。」
しかし、そのりんごは、とてもわるがしこくつくられていて、赤いところだけに、毒がはいっていたのです。白雪姫は、おいしそうなリンゴが、たべたくてたまりません。おかみさんが、リンゴを食べるのをみて、もう、がまんできなくなりました。白雪姫は、手をだして、毒のはいっているほうの半分を、とりました。でも、一口、口にいれたとたんに、地面にたおれて、死んでしまいました。           
                                     グリム「白雪姫」

(白雪姫って、可愛いけど、ちょっと馬鹿・・・。)

林檎を食べると命も消える。ちょっとやばい、脛に傷はあるけれど、やっぱり美味しい林檎。

世の中がみんな暮れゐてりんご食む 金田咲子

林檎カラバッジオカラバッジオ「果物籠のある静物」

林檎、些か虫食い。
Goulue de karo カロ食彩8 

まつたけを焼こう。

松茸サイズ

眼をとじて、香に酔おう。まつたけは高貴な香り。他を寄せ付けない至福の香り。ちょっぴり傲慢な香り。
まつたけに限らず、きのこというものは、「お腹を満たす」以外の何ものか、味覚外の味覚を与えてくれます。香りと歯ごたえは混然と口腔を刺激して・・・。

天才はきのこがお好き。・・・

2003年、かのポアンカレ予想が解決をみました。ポアンカレ予想とは、1904年、フランスの数学者アンリ・ポアンカレによって、「宇宙とはどんなカタチをしているか」についてたてられた仮説のことです。曰く

単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である。

という仮定によって、宇宙の形態は限定することができる。・・・・?
乏しい理解で申し上げれば、そもそも宇宙とはどんなカタチをしているのか、様々な消去法で論じていった最後には、「宇宙とはいくつかのパターンの形象の何れかにあてはまる。」(??)という結論になる・・・らしい。どんな説明(サルでも解る式の)を読んでみてもいまひとつ解らないのですが。多分そこに辿り着くまでの基本的知識が欠如しているせいなのね。(ここだけはしっかりと把握。)

ポアンカレ









  トポロジーの見方による「宇宙の形」の可能性


然しながら、予想はあくまで予想であり、ポアンカレ予想がたてられて以来、多くの数学者たちが、ほぼ一世紀にわたって実践理論として証明するための試みを続けてきました。一部は証明されていたらしいのですが、(この一部というのも、さまざまあり、どれもよく解らず・・・)ポアンカレの仮説に100年ぶりに抜本的な証明をあたえるという偉業を成し遂げたのが、ロシアの数学者グレゴリー・ペレルマン(1966年生まれ)であったということらしいのです。らしい、らしいとしか書けませんが、私は2004から2005年頃、盛んにメディアに映し出されていた彼の風貌(それは、ポアンカレ予想の解明者以外の何者でもない、といった風貌)に、すっかり参って(?)しまいました。といっても、髭の分量が多すぎて、顔立ちは判然としませんが・・・。

天才は髭が濃い


ペレルマン氏は数学教師であった母親から英才教育を受け、早くからその天才的な素養を知られていました。数学ばかりでなく、物理学にも抜群の冴えを見せていたとか・・・。

ポアンカレ予想を解き明かすためには、高度な数学技術と飛躍的な発想が必要。ところが、証明のために彼が用いたのは、物理学の知識と方法であったので、数学者たちは、(高度な数学者といえども高度な物理学は解らないものなのか、この問いを解くために、もう百年かかりそう。)最初、彼の説明に全くついていけなかったという話です。

証明論文が認められ、彼はフィールズ賞に輝きます。(非常に権威のある数学のノーベル賞みたいなものだそうです。)しかし、本人は授賞式にも現れず賞は辞退。

数学者はその時点で無職。お母さんの年金で暮らしているという、「世界で一番頭の良いパラサイト」状態。食材の足しと、森歩きの趣味もかねた「きのこ狩り」が日課だそうです。
勿論独身。・・・深い森の中、しっとりと湿り気を含んだ枯葉。蛍光色を帯びて伸びてくるきのこたち。まさに太陽系の神秘。天才は何を思ってきのこを摘みとるのでしょうか。

宇宙空間に思いをはせつつ、凡人はまつたけを焼きましょう。

焼きまつたけ


まつたけの出身地を問うべからず。

国産のまつたけでないと「香り」がしないという方もありますネ。そうかもしれません。しかし、カロは海外生まれのまつたけ(主に台湾産。値段、まだしも手頃。)も楽しく、美味しく料理いたします。国籍なんて、何万光年の距離に比べれば何のこともありません。いずれにしても、生まれは宇宙のどこかなのです。
ところが・・・この悠久のまつたけを料理するにあたっては、一秒を争う機敏さと、計算では解き明かすことのできない「勘」が要求されるのですから、世の中、いえ、宇宙の中というものは解りません。

一触即発、・・・カロ風まつたけの晩餐。別称ポアンカレ。

材料 まつたけ大きいのが一本か二本(大抵はもらいもの)手にはいったといたしましょう。大きめに手で裂きます。3分の1ずつ、焼きまつたけとお吸い物、まつたけごはん用に分ける。お米、お豆腐、スダチ(レモン可)。3人分として・・。

1 お米カップ2杯をといでおく。水はこころもち少なめ。

2 お吸い物の準備。お鍋にカップ2ほどのお湯を沸かして、片手ひとつかみの削りがつおを投入。昆布はいれないほうが味はキッパリ。グラッときたら火を止めて濾す。かつおぶしは捨てないで煮物に転用。
一番だしに塩と少しの砂糖、お醬油、味の素をいれる。こころゆくまで味見して、この味でいこう、となったら、強火にかけ、千切ったお吸い物の分のまつたけ(最初のまつたけの3分の1をさらに一口分に千切るということね。)をいれて、20秒。すぐに火を消して、スタンバイ。
お豆腐を3人分で半丁用意しておく。(あまり多いと味が薄まるので、ひとり2,3片。)

3 まつたけご飯開始。
カロ風まつたけご飯は「炊き込み」ません。乗せるだけ。
といでおいたお米を普通に炊く。むらしにかかったところで・・・。
まつたけ(ご飯の分、3分の1)をアルミフォイルに乗せてオーブントースターに入れ、出力強で30秒。取り出して、お醬油小匙1をかける。そのままご飯の上へ。もう一度お釜にフタをする。ご飯に香りを封じ込めます。

4 焼きまつたけスタート。
最後に残った3分の1のまつたけを人数分に裂き、アルミフォイルに乗せて、オーブントースターへ入れる。1分。

閑話休題
まつたけの「裂き方」は、大きくても小さくても良いのですが、あまり細かくすると「まつたけ感」が失われてしまうので気をつけて。一番大きくするのは焼きまつたけ、次がご飯、小さめがお澄まし、とメリハリをつけると食感も微妙に変わって良いです。

まつたけのお吸い物


5 ここでお吸い物のお鍋にお豆腐をいれて温める。その間に・・・

6 ご飯のお釜のフタを取って、お皿にまつたけだけ取り出し、ご飯にお塩小匙半分ほどふっておしゃもじで混ぜる。小さな器にご飯をほどよく盛り、上にまつたけをふんわりと乗せる。香りが立つ・・・。

7 焼きまつたけをトースターから出して、お皿に乗せる。スダチを添える。

8 沸いてきたお吸い物をお椀に盛る。三つ葉は入れない。香りが衝突してしまうので。

この手順でしっかりやりとげると、食卓に、焼きまつたけ、まつたけご飯、まつたけのお吸い物が同時に並ぶ筈・・・。

汗を拭いて焼きまつたけにスダチかレモンをギュッと絞る。

まつたけご飯シャンパン

シャンパンが合う。ワインでも日本酒でも。(と言ってもカロは日本酒の知識なし。聞いた話では、辛口の日本酒とまつたけはとても合うそうです。)せっかくのまつたけですからお好きなリカ―で。

ご飯もお吸い物も、量を多くすると、まつたけの味がぼやける。少ないと、なおさら美味しく感じます。でも満腹にはなりませんね・・・。ただ、ここまでの緊張感溢れる三位一体調理で、すでに疲労困憊、まつたけを味わうとがっくり気が緩む。お腹塞ぎにさつまいものふかしたのとか、もやしの炒めものに卵をジャーッと落としたのとか、それも面倒になってしまって、宅配のピッツァを注文する。とかく竜頭蛇尾になりがちなカロの「まつたけの晩餐」・・・。

ふかしいも

宇宙がどんなかたちか、みんなはっきりとは知らないけれど、広いことは間違いなし。そのひろい宇宙で一本のまつたけ、一片のお芋と出会えたことに感謝。

松茸や知らぬ木の葉のへばりつく 松尾芭蕉

曜変天目茶碗

ここにも宇宙


Goulue de karo  カロ食彩7

小鰯を揚げよう。

いわしの群れ

「岩国の茶粥というのは、何のことはありません。粥にする米の中に、香ばしく煎った番茶を、布で作った袋の中に入れて、粥にする米と一緒に、最初から入れて炊く粥のことで、また、岩国の藷粥と言いますのも、これも何のことはありません。粥にする米の中に、最初から甘藷を入れて炊く粥のことだったのです。
私の記憶によりますと、朝晩食べる粥にまで、こんなことをして、量を増やさなければならないほど、私の故郷の岩国が、貧しかった訳ではないのですが、ともかく、私たちは子供の頃から、こう言う淡泊なものだけを食べて育ったものですから、食べ物に対しては、最初から、しつっこい好みを持っていなかったのかも知れない、と思うのです。せいぜい、鰯の天ぷらくらいのものであったか、と思うのです。
おや、鰯はしつっこい肴ではないか、と仰るのですか。それも、天ぷらにしたりなどしては、なおさら、しつっこくなるのではないか、と仰るのですか。」
                              宇野千代 『私の作ったお惣菜』

鰯は秋の季語ですが、秋に回遊してくるのは太平洋沿岸だけ。日本海側では春から夏にかけて、海流に乗ってのぼってくるそうです。

ちいさな鰯は夏が食べごろ。というよりも東京あたりでは、なんだか一年中魚屋さんにあるみたい。いつ、どこでも近海域に網を打てば、かならず引っかかってくる魚なのか。・・・この「こいわし」クン、なかなかにいじらしい食材です。

小鰯は何故か売れ残る。

小鰯は普段着の魚。お魚屋さんや、スーパーでパックされて売っています。人差し指大の鰯20尾くらいで、もともと300円程のお値段。売れ残って、1パック100円になっていることも。売れない訳、それは手間がかかるからです。小鰯料理は、あの、にゅるにゅるとした、小さな鰯を、手で何十尾もさばかなければなりません。この作業、正直言って、あんまり気持ちよくない。とはいえ、丸のまま料理するのは「えぐい」。くさみも残ります。

小鰯料理の鉄則。頭とお腹を取りましょう。宇野千代さんによれば、実に簡単。

「とにかく、私は鰯が大好きなのです。私が鰯が大好きだと言いますと、『あなたでも、背の青い肴を食べるのですか。』と、きまって人が言いました。そんな時、私は、平気でこう答えました。『ええ、食べますよ。』
まず、手で鰯の腹を開きます。包丁は使いません。鰯の頭をちょんと毟り、指で腹を割いて、はらわたを出してから、よく水洗いをするのです。」
                                  『私の作ったお惣菜』

小鰯の内臓を取っている時、いつも「命の小ささ」を感じます。この1尾1尾が、かつて命を持ち、大海原を泳ぎまわっていたのだなあと思うと、私の命、誰の命も本当に一瞬、小さいなあ、と思う。
鰯の首(?)のところに爪をたてて頭をちぎる。ちぎれた部分から縦に体をふたつに割いて、背骨と内臓をとる。心臓は爪の先ほどの珊瑚色、美しい。書いていると凄い。凄いことをしていたんだわ、私・・・。
流し台に、ぴったりお腹をくっつけて数十の命の後始末が終わると、小さなボールに、うっすら紅くひかる鰯の身が数十片光っている。さあ、今日はこれをフライにしちゃうぞ。
宇野千代さんの「天ぷら」は、卵の黄身と白身を分けて白身の方を泡立てる・・・。所謂ピカタ風。カロはもっぱらフライ党です。

カロ風いわしのフライ

生姜をすりおろして裂いた鰯にタップリまぶしておく。
新聞紙を調理台にひろげます。
左に小麦粉を一山、右にパン粉を一山。真ん中に卵を割りこんだボール、小麦粉の山に鰯を一気にまぶす。次々卵に投入。1尾ずつパン粉につける。左から右へ、流れるようなフライ準備作業。
もう一品、玉葱をリングに切って、粉、卵、パン粉をつけると、あっと言う間に2種類の下ごしらえ完了。パン粉に粉チーズを混ぜておくと、イタリアンな風味になりますが、ちょっと焦げやすい。

新聞紙のままレンジまわりへ持ってゆく。
深めのフライパンか鍋にオイルを熱する。中火(鰯をいれたら、ウワッというくらい)、色づいてきたら弱火。鰯も玉葱も3分位で火が通ります。
新しい新聞紙に取り出して油を切る。新聞紙は、分別して捨てましょう。

3いわしのフライ

お皿に鰯と玉葱のフライを山と盛る。ウスターソースとケチャップと白ワインを混ぜたソース、お醤油を出汁とお酢でのばしたソース、レモンを沢山添える。

オニオンリング

鰯は旨い。玉葱は甘い。レモンは芳しい。

小鰯のフライに合うのはビールかスパークリングワイン。魚とお酒、ぱちぱちはねる感じが口のなかでコラボするからか。

スパークリングワイン


ちいさなフライパンにオリーブオイルを半カップ、鷹の爪を一片いれて「煙のでてくるまで」熱し、茹でたてのスパゲティにザッとかけた「スパゲティ・サンプルマン」と一緒に。スパゲティを食べる時、青菜とパルメザンチーズを振る。サラダも玉葱(うすく切ってお塩をかけ、しんなりしたら、よく絞る。)とレタス。スパゲティにも、サラダにも、缶詰か、びん詰のキャビアを乗せるとぐっと引き立つ・・・。

スパゲティ・オ・キャビア

ごはんと一緒が良い時は、ちいさなちいさなおむすび。二口で食べられる位に小さくお塩でにぎり、上にお漬物や茗荷の細切り、キャビアなど乗せて、盛り合わせた一皿。おみおつけは焼き葱。

古漬けおむすび


ちいさな鰯の命は、こうして、あとかたもなくなる。残ったのは満腹のカロとカロの夫、マークン。(初登場)
私達もいつか、あとかたもなくなるのね。
そうだよ。・・・・マークン動ぜず。

ほの明かき鰯の肉を裂きすすむ 安倍真理子
Goulue de karo  カロ食彩6

ポテト・ダンプリングをつくろう。

ダンプリング・オ・コンソメ


ポテト・ダンプリングと言えば、思い出すのは、小説『マディソン郡の橋』。

ふたりの登場人物が出会ったその日に食べるつつましい夕食のメニューでした。

マッシュした馬鈴薯と、粉、卵を練り、茹で上げた一品。どちらかと言えば、ヨーロッパ系のお料理。作るのは、イタリアに進駐していたアメリカ兵と結婚し、祖国を離れて久しい女性。

『マディソン郡の橋』は、ご存じ、アメリカの田舎町にあるちょっと変わった橋(トンネルみたいに全体が屋根に覆われている造り)の撮影にやってきたカメラマンと、地元主婦があっと言う間に恋におちてしまうお話。大分前に空前のベストセラーになりました。(橋は実在していて、観光スポットになっていましたが、不審火で全焼、残念。)

マディソン郡の橋

                              ローズマン・ブリッジ

1965年8月16日の午後。(何故か、この小説、日付けがバッチリ。会った日、別れた日、亡くなった日まで、記録風に書きとめられています。)

「フランチェスカは玄関のポーチのブランコに坐って、アイスティーを飲みながら、田舎道にピックアップ・トラックが巻き上げる土埃をぼんやり眺めていた。トラックはなにか探しているかのようにゆっくり走っていたが、彼女の家の私道のすぐ前で止まり、それから私道に入って、家に近づいてきた。あら、と彼女は思った。いったいだれかしら。
彼女は裸足で、ジーンズに色褪せた青いワークシャツを着て、袖をまくりあげ、シャツの裾をそのまま垂らしていた。長い黒髪は巻き上げて、国を出る時父がくれた鼈甲の櫛でとめていた。・・・・
トラックは私道の奥まで走ってくると、家を取り囲む針金の柵の門のそばに停まった。・・・
『お邪魔してすみません。この近くにあるはずの屋根付きの橋を探しているんですが、見つからないんです。どうやらちょっと道に迷ったようです。』」
              ウォラー『マディソン郡の橋』

鼈甲櫛


カメラマン、ロバート・キンケイドはカッコ良すぎで、キャラクターにリアリティーがないのですが、ヒロイン、フランチェスカは、実に、そこに在るようにいる、と言うか・・・。家族を愛し、家族に支えられながら、家族とは違うものを見ているような女性。

8月の午さがり、みんな留守。ひとりぼっちで家にいた彼女は、風来坊のようなカメラマンに橋への道を尋ねられます。ふたりは最初おずおずと会話を交し・・・。おきまりのドキドキやいきさつがあって、彼女は、彼を橋まで案内する。

「『あなたは、正確にはどんなことをなさっているの・・お仕事のことだけど?』

『こっちがアイデアを思いついて、編集部に売り込んで撮影することもあるし、向うに何か企画があって、私に連絡してくることもある。・・・それ以外の時は、自分で勝手に写真を撮ったり、文章を書いて、他の雑誌に送ったりしています。・・・・で、あなたは何をなさってるんですか?』

『え?私?私は何もあなたみたいなことはしていないわ。・・リチャードは私が働くことに反対だった。家族は彼が養えるから、私が働く必要はないし、子供もまだ小さいんだからってね。だから私は働くのを止めて、フルタイムの農場主の妻になったというわけ。それだけよ。』

『アイオワでの暮らしは気にいっていますか?』

『本当は、たぶん、気にいっているわ。ここは静かだし、みんなほんとに良い人たちですから・・って答えるべきなんでしょうね。たしかにそのとおりなんですもの。町でも、車に鍵をかける必要はないし、子供たちを遊ばせておいても心配ない。・・・・けれども・・・』
『・・・これは、私が少女の時夢見ていた生活じゃないんです。』
とうとう告白してしまった。何年も前から、喉まで出かかっていたが、一度も口にしたことがなかった言葉。それを、ワシントン州ベリンハイムから、緑色のピックアップトラックに乗ってやってきた男に言ってしまったのだ。

彼は、すぐには何も言わなかった。やがて、
『この間、いつか使おうと思って、ノートにメモした言葉があるんです。こんな文句です。車を運転している時に頭に浮かんだんだけれど・・・。昔の夢はいい夢だった。かなわぬ夢ではあったけれど、夢を見られたのは幸せだった。・・・あなたがどんな風に感じているか、なんだか解るような気がするんです。』
フランチェスカは、彼に笑いかけた。・・・」

「『夕食をご一緒にどうかしら。いま家族は留守なんです。だから、あまり大したものはないけれど、ありあわせのもので何かつくるわ。』
『じつは、町の食料品店やレストランには、ちょっとうんざりしていたところなんです。ほんとうに。・・・』

菜園はすでに日がかげっていた。フランチェスカは、ひび割れた白いホウロウの洗い桶を持って、その中を移動した。人参、パセリ、それにバース二ツァ(白人参)とタマネギとカブを少し採り入れた。

夏野菜たち


『何か手伝いましょうか。』と、彼が聞いた。
『ポーチにあるスイカと外のバケツのじゃがいもを少し持ってきてくださる?』・・・・

『わたしは野菜を切るのが得意なんですよ。』と、彼が申し出た。
『いいわ。じゃ、まな板はあそこ、ナイフはそのすぐ下の抽斗よ。シチューをつくるつもりだから、野菜を賽の目に切ってちょうだい。』

植物油を熱して、野菜を1カップ半入れ、軽く焦げ目がつくまで炒める。それから、小麦粉を加えて、よく混ぜる。水を半リットル加え、残りの野菜を入れて味付けをする。あとは、とろ火で40分ほどゆっくりと煮込めばいい。
『もういいにおいがしていますね。』と言って、彼はコンロを指差した。
『とても静かなにおいだ。』

・・・彼女は立ちあがって、煮えたつ鍋のなかにダンプリングを落とすと、後ろを向いて、流しにもたれかかった。・・・

ポテトダンブリング


スイカはちょうど食べごろで、ビールはよく冷えていた。」 『マディソン郡の橋』

知らないうちにポテト・ダンプリングが出来あがっていました。これ、結構手がかかるんですが、何時の間に「こねちゃった」のでしょうね。以上が第一日目の食事。まだふたりの間には「いきずり」感と礼儀正しさたっぷり。
二日目も橋の撮影は続き、またまたフランチェスカの手料理で、(うまい具合に?家族はあと数日留守の設定)ほうれん草のサラダ、ピーマンのファルシ、(なかにはいっているものは、米、トマトソース、玉葱、大蒜)コーンブレッド、デザートにアップルスフレなどが供されます。ワインは辛口の赤、ヴェルポリチェッラ。初対面の日のメニューに比べて随分克明なのは、愈々この食事がラヴシーンへの導入部になるせいか・・・。

ピーマンのファルシ


夏。アメリカ、アイオワ州マディソン郡の平凡な農家の晩餐。

カロ風ポテト・ダンプリングの作り方
材料 じゃがいも1キロ。小麦粉、ベーキングパウダー、卵

1 じゃがいもは皮をむいて茹でる。本当は蒸した方がもっちり感が残ります。蒸すなら、よくタワシで洗って皮のまま。ほっくり蒸し上がったら皮をむいてマッシュする。お塩をつめの先ほど入れる。
2 1に小麦粉を大匙4,5杯、卵一個、ベーキングパウダー小匙半分、を加えてよく練り混ぜる。ぐちゃぐちゃなら小麦粉を足す。
3 大鍋にお湯を沸かし、「餃子」くらいの形と大きさにまとめたダンプリングを、ポトリ、ポトリと落としてゆく。ずっと強火で。浮き上がってふらふらしてきたら掬いあげる。これをいろんなスープに入れる訳ですが、フランチェスカは、「静かな匂い」の野菜スープの中に、直にダンプリングを落とし込んでいるようですね。
コンソメの中に入れても、ミートソースであえても、ポークのトマトソース煮にいれても、ホワイトソースに落としても。和風の煮ものに添えてもすいとん風になります。ただ、地味目な料理のせいか、男性にはあんまり人気なし。キンケイド氏のような人は珍しい。

ダンプリングの決め手はつるつるしこしこ感。口当たりよく仕上げるには茹で時間に気を使うこと。茹で足りないとぐじゃぐじゃ、茹で過ぎるとモロモロ。単純な材料だけに「程良い時間」が大事。初めての方は浮いてきたら食べてみて。

質素な食事で幕を開ける「中年の恋」は、たった5日で終わります。ふたりは自制し、ニ度と会わず、そして、それぞれの死の日までお互いを想いあう。

フランチェスカは潔く美しい。ダンプリングの「上げ際」をよく知っているからでしょうか。

8月16日。「日本の夏」には、いささかお熱いこの料理、汗をかきつつ食べましょう。それとも、もうちょっと涼しくなってから作りましょうか。

姦通よ夏木のそよぐ夕まぐれ 宇多喜代子

西瓜